火打山南面(2009年5月1(前夜発)−3日)

火打山(標高2461.8m・日本百名山)

L:K林さん、I井さん、自分

 今年のゴールデンウィークは1日から6日まで6連休、いつもこの時期は百名山を中心に登っているし最初は屋久島でも行こうかなどと考えていたが、費用面などから今回も挫折。そのことに加えて、「この時期山スキーに行っていないので行けるのなら行っておきたい、百名山を登れないけど仕方ない。」と思う。「K林さんに登れそうな計画出ませんか」打診。そうすると、「火打山、南の沢」の計画を出してくれるという。山スキーにも行けて、百名山も登頂などと喜ぶが、実際に計画書を見ると、火打山の周辺は行くが、火打山自体は行かないようだ。「百名山は急ぐことないし、仕方ない」とあきらめていた。ところが、予定のルートを行こうとすると、雪が少なく相当な藪こぎを強いられることになるとなって、火打山登頂のルートに変更になりました。
 予定していたルートよりも荷物を背負う場面が多く、かなり疲れましたが、それはそれで良い経験になったと思います。この時期、山スキーでテント泊まりは自分にとって初! しかも2泊3日(前夜発)(この時期の経験は、今まで日帰りの至仏と、小屋泊まりの八甲田のみ)。これで今シーズンを終えられる、来シーズンにつながることはしたと思います。今回も山行が終わって、課題が見えるというのは良いことですが課題山積みです。山頂まで怪我なく無事行ってきて、お話にはなったと思うのですが…

今回の山行の大まかなトラックログ
1日目:黄、2日目:赤、3日目:緑(緑に一部加筆あり)
今回の山行の断面図(区間1:1日目、区間2:2日目、区間3:3日目)
(1日目9:10−12:10、3日目8:35−10:15、14:05−14:50のデータを含まない)
(注)所要時間に、動いていない時間も含まれてしまっています。

4月30日
9:29 西国分寺発→9:37 新秋津駅
              9:46 秋津駅発→9:59 石神井公園駅着
(以上は予定のもので、これより実際に5分ほど遅れました)その後、行動食を、ビールを、明日の朝・昼食を買って、トイレに行って、としているうちに20分たってしまいました。
10:25 石神井公園駅発

5月1日
天気:晴れ
1:15 飯山本線の無人駅着・仮眠
 親睦山スキーでも利用した無人駅です。5人は入れる待合所があり、雨・風をしのげます。
6:00 起床

朝の風景

6:50 無人駅出発
8:00 笹ヶ峰着
 さてさて、あまり経験したことないゴールデンウィークスキーです。リーダーに状況を聞くと、半袖で滑れるといいます。いろいろと忙しく、暑さ対策は特にしていませんでしたので、「とりあえず、いろいろ試して一番自分に合った」ということです。登山口では、雪もあることはありますが、予定のルートへは「スキーの板」を履くほどはありません。スキーの板をザックにくくりつけて出発です。
9:10 笹ヶ峰発
 道路の半分以上が雪に覆われておらず、周囲にはふきのとうが点々と顔を出しています。スキーの板でも担いでなければ「ふきのとう採集」になるのですが、重いので少しでも早く行き労力を減らしたいです。

笹ヶ峰を出発
 周囲には雪もあり
林道を進む
残雪の風景
 雪はあると言えばある、ないと言えばない
雪が少ないため
 計画の修正を、打ち合わせ

10:20 ザックを置いて偵察
 雪が少ないため、予定のルートを進めないかもしれない。とりあえず、さらに奥へはザックを置いて、偵察に行ってみよう。もしだめなようなら、来た道を戻って、火打山登頂のルートに変更です。

これはスキーで行くには無理そうだ。

11:10 雪不足のため予定していた鍋倉谷からのルートを諦める。
 今回、駐車場から1時間ほど歩いてテント設営という予定だったので、食糧や酒、つまみなどかなり豊富に持ってきてしまいました。それがままならず、もと来た道を戻ります。「戻れば雪あるのかな、なかったらどうしよう」ですが、とにかく言うこと聞いて、元の場所に戻ろう。とても、あちこちに顔を出しているフキノトウを取る気になどなりません。
12:10 笹ヶ峰着
 笹ヶ峰から、火打山のルートに入るとスキーで歩けるくらいの雪がありました。「なんとかなるかもしれない」信じるしかない。こっちに行けば火打山山頂へも行けるし。
12:30 笹ヶ峰発

このルートにはまだ雪が残っていました

 順調に登ってきましたが、渡渉をしなければならない小さな小川がありました。1か所渡れる所があります、まずリーダーが無事渡りました。「一か所に体重をかけないように、板全体に。それとその木の枝を目指して」とのようなことを言われ、次の自分の番です、「えいっ」勢いをつけたのが悪かったのでしょうか、雪は崩れてしまいました。幸い、片方の足が残っていたので小川にはまることなく無事通過です。3番手のI井さん、崩されたにもかかわらず無事通過です。川を渡ったすぐ上が本日のテン場となりました。平ですし、水を汲むこともできます。
13:35 本日のテン場(C1)

1日目のトラックログ(一部加筆)
赤:諦めた鍋倉谷のルート、黄:火打山へのルート
テントの外で

 とりあえず、どうにかなりそうなので、テントの外で腰を落ち着けて、「乾杯」です。ビール(発泡酒)がおいしい。ソーセージがおいしい。しめサバもおいしい。非常用に持ってきた日本酒の鬼ころし紙パック(ストローで吸うタイプ)が、案外進まなくって、この日はビール缶1本、紙パック1個でたりてしまった。

5月2日
天気:晴れ
4:30 起床
 朝、食当です。たまごスープ、と納豆、ごはんにしました。ちなみに、翌日の朝も食当担当で、野菜たっぷりの味噌汁、ハンバーグ(朝食ハンバーグは皆さんあまり体験したことがないようで反応も良かった(?)です。話の種にはなるでしょう)、ふじっここんぶ、赤しば茶漬にしました。リーダーより「翌日の朝をたまごスープにして、この日は野菜たっぷりの味噌汁にすべきでは?」言われてみればその通り。
7:00 出発

なんとかなってくれそうです
ナイフをテン場に置き忘れたとのこと
 でも、これで息が整えられました

 しばらくは自分がトップを行きました。トレースもきちんとあり、傾斜もちょうど良く。なんてたって雪があり、順調に前進。しばらくすると沢にぶつかりました。下手に進んで時間のロスになりたくないので、トップ交代です。この沢は完全に橋が姿を現していました。

7:30
 橋を渡る
 スキーの板はザックにつけず、手で持って(距離が短いので)

 橋を渡って、少し登ったところから、急な登りになります。エアリアには十二曲りと名が付いている箇所です。リーダーは速いなあ、もうあんな先に行ってしまった。急な登りだけならまだ何とかなるのですが、それに加えて低木が小さな藪を作りだしていて、通過に困難なところがあります。ザックが大きいので小さな藪を通過しようとすると、上でザックが木に引っかかって、下で板が木に引っかかって通過に時間がかかって、体力消耗。リーダーにずいぶん休養を与えてしまった。「リーダーの中ではラクラク山行」かもしれない…
 暑さに耐えることができてしまう:この時期だというのに、自分は帽子は冬用の帽子、長そで+半袖のシャツで暑いと言えば暑いのですけど、耐えることができてしまうのです。暑さのため、スピードが遅れるなどありますが、つらくはないのですね。そして下はスキー用の雨具をつけていても耐えることができてしまう、他の方から、下に着ている雨具のファスナーを開けたほうが良いと言われて途中からそうしました。こういう言い方で伝わるかどうかわかりませんが、不快感がない(確かに息は切れるし、水も多めに飲みたくなるし、バテ易くもなるのですが…)。でも、だいたいわかったので次回はもう少し薄着にします。

9:30
 急登+ヤブ地帯を抜けて
 正面に見えるのが高妻山

 一番傾斜がきつい所を通過した。とりあえず、一安心(後から考えると傾斜のきつい部分はこの上の板を背負って登った部分もそう)。ですが、次なる試練が待ち構えていました。この上しばらくは雪が少なく、この山行の下の方でしたようにスキーの板をザックにくくりつけて登らなければならなかったのです。そしてそのルートは、夏なら何ともないですが、ちょっとした岩場、重い荷物を背負って、スキーの板があるので木の枝には引っ掛かりやすくなり、スキーブーツ(ゲレンデ用よりは歩きやすいテレマークブーツですが)なので、やっぱり登山靴よりは歩きずらい。K林さん、I井さん、お待たせしました。自分たちは、雪があるところは板を履いて、ない所は板を背負ってというスタイルですが、そうでなくずっと板を背負って登るという人たちもなかにはいました。

10:30頃
 富士見平
 この上から雪がきれいになりました
10:50
 黒沢岳手前より、目指す火打山(中央)
もう、きついところはないよ
 黒沢岳手前で30分ほど休憩

 (今回のヒヤリハット)黒沢岳手前から、遠くに高谷池ヒュッテが見えます。「あそこを経由して山頂に向かうのか」です。さてさて、十分休んで、出発です。おやおや、珍しいことにK林さんが遅れています。そして、珍しいことに自分の準備が速いです。「ゆっくり先行ってます」と声をかけ、ゆっくり先に、しばらく進むと斜面をトラバースする地点に出ました。下りるトレースと、あまり下りないトレースの2種類がついていました。I井さんに相談、ちょっと考えてあまり下りない方を選びました。そして、そうこうしているうちに「K林さん」も追い付きました。で、トラバースはあまり得意でなかったので、早く通過したかったのです。そう思っていたところ、「K林さん」がどんどん下へI井さんと違ったルートで下りていくではありませんか。早く通過したかったので、自分は「K林さん」についていきました。で、その先、I井さんの方を振り向かずにどんどん滑って行ってしまうのですね、「K林さん」が。「方向的に高谷池ヒュッテへ向かっているからついていけばいいのだろう」と思い、そのまま付いていきました。そして高谷池ヒュッテに近づいた所で上を見上げると、K林さんがI井さんの後ろを歩いているではありませんか。
 「え、ということは?」先へ行ったのはK林さんではなく、全くの別人でした。全くの別人の人が、K林さんと同じくタオルを頭に巻き、靴の後ろが短いスキーだったのでK林さんと勘違いしてしまいました。後になって考えれば、ザックも違うとか長そでも違うとかあるのですけど、サングラスしてるし、長そではK林さん寒い時しか着てなかったし、スキー装備を着ると誰が誰だかわからなくなってしまうというのは普段から考えていましたが…とりあえず大きなミスにならなくてよかったです。声をかければ良かった。あと考えられるのは、山スキーと言えば人に会うことにあまり慣れていない、久しぶりのメジャーな所での山行で、(雪が少なくて偶然メジャーな所を滑ることになったのですが)メジャーで人と多く出会う所でのスキー山行にちょっと慣れていませんでした、というのもあります。どういうことかK林さんが珍しいことに出発が遅れ、K林さんならもうくるだろう、という錯覚もありました。

11:50
 高谷池ヒュッテ

12:05 天狗の庭(C2)着
 追いついて、「すいません、先へ行った人がK林さんだと勘違いしていました」と詫びる。さて、気を取り直して、テント設営。必要ない荷物をテントの中に入れていけるのでだいぶ軽くなります。共同装備のテントはもちろん持っていかない。シュラフ、明日の朝食、マット、ごみ、他の人が持っていくので燃料、酒・つまみ、背負ってみるとずいぶん軽くなりました。

だいぶ近づいてきました。
 目指す火打山
テント設営です

12:50 天狗の庭出発(テント装備は置いていく)
 荷物はとても軽くなりました。それは自分だけでなく、当然他の二方もです。ということで、またしても遅れを取ってしまいます。ときどき思い出したかのように、谷足が20cmくらいスリップする。山足には影響なし。息を整え、再び前に進む。最後の急斜面の手前で二人が待ってくれたので、ほっとする。また先へ行ってしまうかと思った。水を一口飲んですぐに出発。多少ジグザグに進みながら、無事山頂到着。
14:20 火打山・山頂着

火打山山頂
 ピーク写真(自分)です
 ラガーシャツは似合いませんが買ってしまったのです。今回、基本的に、この恰好で登り、下りました。
三角点とリーダー
右が焼山だと思います
妙高山だと思います

 山頂に向かっている時は、ときどき強い風が吹き、山頂でのんびりしてられないのではないかと、心配でしたが、山頂に到着したころ、「ちょうど強い風が通過した後ではないか」ということで、風は吹かず、山頂で展望を楽しむことができました。標高2461m、スキーで来た中では一番高い世界にやってきました。
14:50 火打山・山頂出発
 この時間帯なので、滑ることを楽しめない雪になっているのでは? 心配でしたが、滑る分には問題なく滑れました。テント装備を持っていなかったのも良かったかもしれません。今シーズン、初めてテレマークターンで滑ったという感じです。でも、やっぱりゲレンデ外で滑るのは緊張します。来年は、もっと楽しく山スキー(テレマーク)、って目標にするようなことではないのですが。それでも、お話になったことはうれしい。

火打山頂からこのラインで滑ってきたと記憶しています。
リーダーよりいただいた写真
以下(L)ありがとうございます
右が自分で、左がI井さん
これは自分にしては、さまになっている気がします(L)

 偶然か必然か、おそらくは半分偶然で半分必然だと思いますが、下りた沢で水が汲めました(今回水はありましたが、次回水はないかもしれません)。K林さん水を汲んでいただきありがとうございます。自分は、下りてくるので精いっぱいでした。

15:25
がんばれK林さん
 ここで水を汲むことは非常に有意義なことです。

 水を汲んでいただき、後は、C2に戻るだけです。他の二方はあっという間に行ってしまった。このくらいの斜面ならクライミングサポート使わずに登りたいな。ウェア下のファスナーも開ければ涼しくなるけど、手間かかるし、開けずに登りたいな。さらに、二人との間が広がってしまったな。根性で何でも解決しようと思ってもダメだな。根性で解決してしまう方が得意なのだな。さらに、二人との間が広がってしまった。だいぶバテテきている。しかたない、ウェア下のファスナーを開けて、クライミングサポートも使用して…を決意したころ、もう平らな地点の近くまで来ていました。
16:20 天狗の庭(C2)
 自分はバテたのでテントにて待機、他の二人は、再度水を汲みに先ほどの水場まで(全く行けないというわけではありませんでしたが、行ってもあまりメリットがないので)二人が戻る頃には、回復しました。1度ドーンという音を聞く、雪崩か? 心配になるが、特に問題もなく二人とも戻る。

2日目のトラックログ(シールを外す:黄、シール登行:赤、スキー板を背負って:緑)
2日目の速度と時刻の図(区間1:テント装備を背負って、区間2、4:テント装備を背負わないで、区間3:滑降)

17:30頃 二人戻る
 テントの中では、二方があたかも競争のようにおならを、I井さんの方が数は多かったが、臭さはリーダーが上と記憶。この時期換気をしても、それほど寒くならないから助かります。明日は、オプションとして鍋倉谷方面へ滑って、尾根を登り返すとのこと。「どうしよう、ついていけるかな。行こうか行くまいか」

18:30
 さっきまであの頂上にいた。


5月3日
天気:曇り時々晴れ
6:50 起床
 一晩休んでだいぶ元気になる。テントの外に出ると、山々が美しい。とりあえず、オプションは技術的に・体力的にどうなのだろうか? 地図のどんな所を滑るのだろうか? 聞いてから進退を決めよう。

山の朝
 遠くに北アルプス
 F川さんや、S野さんは今頃、あの頂近くで
山の朝
 百名山の中ではマイナーですが良い山だと思います。

 恐る恐るオプションのルートを聞くと、「行けるに決まってんじゃん」的対応、自分もほぼ行くつもりでいたので、鍋倉谷方面へオプション参加決定。
8:35 出発(鍋倉谷へ滑って登る)
 テント装備を持たずに空身で出発、時間的に短いので昨日の火打登頂のときよりも1、2点荷物が減る。ここでの滑りは特に記憶がありません。
 滑っている写真も撮ったほうが良いのですが、理由(1)カメラを落とさず・ストックを流さずと考えると気が引けてしまう。登りの方が落ち着いて写真を撮れる。理由(2)そもそも「撮るよ」と人に言うのは苦手ですし、それを言わないで滑ってきた人を撮ろうと思っても、準備をしている間に滑り降りてしまっている(当然)。理由(3)滑っている所を撮っても落ち着いて撮れないのか、納得いく写真が少ない。
→ということで今回滑っている写真は(自分は)1枚も撮っていません。リーダーが撮っていたようなので、それに期待します(上に2枚あり。ありがとうございます)。
9:10 シールを付けて登り返し
 昨日の反省を生かして、早めにクライミングサポート、早めに薄着に。そうそう、K林さんをまねて頭にタオルを巻いたら結構快適でした。冬用の帽子はやっぱり暑い。そうしましたら、昨日ほどは遅れませんでした。昨日と同じ場所で再度、水を汲んで

小さな雪崩の跡
天狗の庭
 遠くに蟻のように人が
テン場は、登りきったところに

10:15 天狗の庭(C2)に戻る
 前日に比べると、ずいぶん荷物が軽くなったような気がする。それでも重さはだいぶあるが…
10:50 天狗の庭(C2)出発
 こんどはきちんと、I井さんについていく(注:前日別人をK林さんと間違える)、こっちのルートの方が楽だ。なんであの時あんなに焦ってついて行ってしまったのだろう。

黒沢岳と高谷池ヒュッテ

11:35 シールを外す
 シールを外して、少し下りたところで、「雪+コンデンスミルク」です。ちょうど晴れていたのと、これ以上下りると、雪が汚れてしまうので、この時期ならではの楽しみですね。たぶん初めてだと思います。感想:確かにおいしかったけど、「あれ?」という感じ。食べる前はもっとおいしいのではないかと(雪を欲張り過ぎたというのもあるかもしれない。ただの自業自得)

コンデンスミルクを持っていけば
雪にかけるだけで
(雪の量が多すぎ、後ほど減らしました)

 テント装備を持つとテレマークターンができない。来シーズンはもっと上手に
12:35 スキーの板を背負う
 ひいひい言いながらも、スキーで下りる斜面を通過。一難去ってまた一難。今度はスキーの板を背負う箇所です。下りは登りよりも、スキーのテールがザックの基部に位置するような形で、スキーを背負うと良いそうです。ちょっとした下りの岩場を通過するのに座った状態になったほうが通過しやすい場面があります、そういう時にスキーのテールがザックの基部よりも下だと前のめりになってしまいます、そういうことで「スキーのテールをザックの基部に来るように背負う」だと思います。尚、これは時と場合に応じて変えたほうが良いようです。下りだから、確実にこの方法、というようではないようです。強風が吹いていたら、など他にも考慮に入れるべき要素はあります。
 あまり経験したことがないのでどうなることか、心配でしたが、特に問題もなく無事通過。ですが、自分の場合、少し慎重になりすぎて時間がかかってしまったかもしれません。さあて、登りで悪戦苦闘した「藪+急斜面」の地点に来ました。おっと、ここもザックに板をつけたまま下りるようです。その方が安全で確実だと思います。一歩一歩、確実に下りてゆく。登りほど、ザックも重たくないし、つらくない。他の二人に比べたら遅れはとりましたが、「藪+急斜面」地帯、無事通過。
 「あれ?」待っていると思った二人がいません。念のため地図を取り出し、現在地確認。間違っていないようだ、トレースもある、なんで? と思う。「そうか、このすぐ先に橋を渡るところがある。また板を外すのが面倒なので、そこまで行ってしまったのだろう」と思う。納得して進むと、橋を渡った所に二人ともいました。でも、雪山で一人はなんだかさみしいですね。
13:35 再びスキーを履く
 今度は傾斜は緩やかですが、基本的にツリーラン、木と木の間を滑ります。テレマークターンなどとてもできず、ボーゲンで対処です。一人追い抜かされ、また一人追い抜かされ、でまた後ろから別の人が来ました。「どうぞ」ゆずったのですが、「いいです」のようなことを言われてしまいました。ハッキリ言って追い抜かされる方が百倍楽です。(知っている人ならいいですが知らない人に)後ろに付かれるのは、とてもいやです。あおられているような気がして、落ち付いて滑れません。
(ヒヤリハット2)で、木と木の間を、たまに枝が自分の視界を遮ることはありましたが、なんとか滑っていきました。そしたら、I井さんのトレースでなく、いつのまにか別の人のトレースに入ってしまい、渡渉すべきところははるか上、I井さんもついでに上。リーダーから「トレースを頼ってばかりいてはダメ、自分で現地判断を」(実際には別の言い方だったかもしれません)とのようなことを言われる。そしたらその後ろについてきた人は優しい人で、「こっちでも大丈夫ですよ」と言ってくれる。なんとか渡る場所を見つけて、無事、I井さんとも合流。でも、ちょっと冷静さを自分は失っていて、後ろの人に「速く先に行ってください」。でも、加速すると木にぶつかりそうになるし、滑っては止まり滑っては止まりでないと前に進めませんでした。先に行ってもらわないと第三のヒヤリハットを書くように。普段は人気のない山ばっかりなので、たまにメジャーな山域に来ると…でもなんでせっかく譲ったのに断ったのだろう? あの人は。
 登りの時(2日前)よりはっきりと雪が減っていて登りの時は雪があったと思われる地点も雪が無くなっていて(少し別ルート?)最後の20分くらいはスキーの板を背負って歩きました。
14:45 林道
14:50 笹ヶ峰着

登山口
2日前よりグッと雪が減っていて、もう板を履いて登れないだろう。
3日目のトラックログ
 シール登行:赤
 スキーで滑って:黄
 スキーを背負って:緑
(14時05分以降、データなしのため手書き)
3日目の速度と時刻の図(区間1、4、6:スキーで滑る、区間2、3:シール登行、区間5:スキー板を背負って)
(8:35−14:05までの記録)

15:25 笹ヶ峰発
16:25 天狗の湯着
 ここは別のI井さんと、来たことのある場所、あの時は…。この時間で乗っても渋滞に巻き込まれるだけなので、温泉の中には食事をするところもあり、ビールなど飲んで、食事をして時間をつぶしました。
19:00 天狗の湯発
23:20 荻窪駅着・解散

最後に:今回は、リーダーから送られてきた計画書が微妙に壊れていて他の人は問題なく受け取ってくれますが、自分のパソコンはそれをウイルスのように受け取ってしまい計画書を受け取れない、という事態になってしまいました。計画書が届いたのは1日前、どうにかなって良かった。

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