弱まって個性を発揮する!?(台風の風速分布)

台風の中心近くでは、強い風が吹き荒れます。

概ね、風速15メートルの領域が強風域、
25メートル以上の可能性があるところが暴風域と呼ばれます。
TV報道などでは、
強風域が黄色、暴風域が赤で表現されていますね。

一般には、
中心に近づくほど風が強いと考えられるので、
同心円状に、暴風域・強風域が広がります(右図の標準型)

でも、台風にも個性があり、
思わぬ所で強い風が吹くことがあるので、警戒が必要です。

たとえば……。

(三日月状・半円状)
衰弱気〜消滅期の台風によく見られます。
偏西風に乗り、速い速度で動くようになると、
複数の風が強めあう「進行方向右側」で特に風が強まるのです。
1991年の「りんご台風」がこのタイプでした。

(ドーナッツ状・バームクーヘン状)
風の強いところと弱い所が、
織り交ざるようにしてできている台風です。
巨大な目を持つ台風や、
「大型のわりに勢力の弱い台風」で見られます。

(分裂型)
風の極大となる場所が、いくつもあるタイプ。
これも衰弱期〜消滅期の台風に多いです。
特に、山岳などを通るときに
台風が割れたり、砕けたりしてこんな分布になるようです。

東・北日本に来る台風は、
へろへろに弱まっていることが多く(衰弱期〜消滅期)、
このような非典型的な風速分布を示すことが多いので、
より注意が必要でしょう。

2007.10.4



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