豆低気圧と爆弾低気圧
毎年、日本布巾では数え切れないほどの低気圧が生まれます。

上の絵のように、
丸い等圧線をようやく描ける豆低気圧もあれば
下の絵のような、
ぐるぐる巻きの巨大な爆弾低気圧もあります。

よ〜く思い出してみると、
寒い季節ほど、ぐるぐる巻きの巨大な低気圧を
よく見かける気がしないでしょうか。

低気圧とは、暖かい空気冷たい空気がぶつかってできる、
空気の渦巻きです。
暖かい空気と冷たい空気が激しくぶつかり合うエネルギーで
低気圧は成長していきます。

まず、――上の絵の状態です。
北海道でだいたい15℃くらい、沖縄で30℃くらいです。
南北の温度差はせいぜい15℃しかありません。
このため、暖かい空気と冷たい空気のぶつかり合いも弱く、
低気圧はあまり発達することができません。

一方、――下の絵の状態になります。
北海道で−20℃以下に下がりますが、沖縄は20℃近くあります。
南北の温度差は40℃。
夏と比べて、南北の温度差がはるかに大きくなっています。
暖かい空気と冷たい空気は、しばしば激しいバトルを繰り広げ、
低気圧は、猛烈に発達してしまいます。

2005年12月5日。
日本付近で低気圧が968ヘクトパスカルと台風並に発達し、
各地で暴風・大雨・大雪・高温をもたらしました。

特に関東地方では
多くの所で史上最大の最大瞬間風速を記録しました。
●東 京:40.2m/s(史上1位)
●千 葉:47.8m/s(史上2位)
●大 島:48.3m/s(史上2位)
●横 浜:41.7m/s(史上4位)

天気図で見ても、何十本もの等圧線でぐるぐると囲まれた低気圧は
かなり恐怖感を覚えます。
冬、日本の東海上が世界一恐ろしい海
と言われるのことがあるのは
こうした爆弾低気圧が出没して大荒れになることが多いからでしょう。

尚、「台風」「熱帯低気圧」と呼ばれる低気圧は
まったく別のメカニズムで成長します。
これは、暖かい空気だけを食べて成長するので
夏に猛烈に発達します。

2007.5.16




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