台風は変形しまくる?(1991年9月28日など)
(ウインドウが最大でないと、表示が乱れるかも……m(__)m)

台風が近づくと、上の絵のように
強風域(黄色)・暴風域(赤)が示されます。

南の海にいるときには、
左側のような、きれいな同心円をしています。

しかし、日本にかなり接近する頃――
右側のように、いびつになった台風
見かけたことはないでしょうか?
(暴風域・強風域が南東側で大きく広がり、
北西側で縮まっています)

台風は、半時計回りの巨大な空気の渦です。
ゆったりと進んでいる時には、
概ね中心付近で風が最強、離れるにしたがって弱くなります。

ところが、台風が加速しますと、
進行方向と台風自身の風が重なって
強められるところと、
相殺されて弱められるところがでてきます。

日本付近では、台風は偏西風に乗り、
北東に進路を変えて加速することが多くなります。
それで、南東側で風が強められ(暴風域が広くなる)
北西側で風が弱められることが多くなるのです。

1991年9月28日
リンゴ台風と呼ばれる台風が
日本中で大暴れしました。
青森県で、リンゴに空前の被害を出したため、
このような名前があります。

リンゴ台風は、長崎県に上陸。
その後、速度を猛烈に上げながら、
日本海を駆け抜けました。

速度がピークに達した頃、
南東側に当たった青森県はたまりません。
最大瞬間風速53.9メートルという、
極端な風が吹いてしまいました。

ちなみに、台風の北西側なら安全、
とも言いきれません。

地形の複雑な日本列島に上陸しますと、
台風は分裂したり、変形したりして、
奇妙な風速分布をしめすことがあるからです。

代表的な例として、
2004年台風23号(トカゲ台風)や
1996年台風17号では、
台風の北西側で記録的暴風が吹いています。





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