マスコミで聞く天気用語〜最近聞かないなあ編〜


テレビの天気予報などでは、実にいろいろな表現を耳にする。
わかりやすかったり、物理現象を擬人化していたりと、
面白い表現もある。

一方で、最近になって、不正確だとかいうことで
使われなくなった用語もある。
個人的にけっこう好きな表現も多いのだが……。

たとえば、こんなのです!

1、台風が前線を刺激して……
2、台湾坊主
3、スカートに入る
4、小型で弱い台風

1、台風が前線を刺激して・・・
直感的にも想像がしやすく、 けっこう気に入ってた。
台風とは、
ものすご〜くじとじとに湿った空気(赤道気団)が、
渦を巻いて圧縮されたものだ。

台風が近づくと、この赤道気団が前線に流れ込む!
すると、熱と水分を大量にもらった前線は、
急に活気付いて、元気になるというものだ。


2、台湾坊主
今度は冬!
台湾で発生し、
猛発達しながら日本に近づく低気圧を、
かつてこう呼んでました。

雪に不慣れな関東に大雪を降らせる、典型的気圧配置です!
由来は詳しく知りませんが、
厄介なヤツだという意味と
風物詩としての親しみの意味の両方が
込められているような気がします。

最近は、「南岸低気圧」とか「台湾低気圧」
と呼んでますが、なんとなく寂しい。


3、スカートに入る
低気圧の前線の間に入ることをこう呼んでました。
低気圧に伴う、2本の前線の形がスカートに見えるからでしょう。

スカートに入ると、暖かい南風が吹き荒れ、
スコール性のにわか雨を見ることもあります。
「春一番」もこのパターンです。

最近は、「暖域」とか「暖気団」
と言ってます。


4、小型で弱い台風
これだけは使わなくなって正解と思います。
正直、これを聞いてもあまり緊張しません。
「小型で弱い」でも台風なので、危険には違いないんだけど。
似たものに、「弱い熱帯低気圧」があります。

1999年8月14日、弱い熱帯低気圧での
大きな災害が発生しました、これ以降、
”弱い””小型””並”というランクは、使わなくなったということです。

その他にも、昔が一般的に使われていたのに、
現在では放送禁止用語になっている気象用語はたくさんあります。
「バカ陽気」「裏日本」「暴風圏(暴風域に統一された)」
などがあるので、原稿執筆などの際には、
うっかり使ってしまわぬよう、気をつけていきたいところです。


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