小学校へ教育実習に行ったとき、ほっとした。
アゲハの幼虫が
現代でも教室から姿を消してなかったことに……。
どんなに都市化しても、
イモムシ・毛虫たちなるものとの付き合いは避けられない。
海底か南極にでも行かないかぎりは。
イモムシとの交際術は、
英語と同じくらい重要といっても過言ではない(笑)。
また、
小学生の頃、イモムシを飼ってみた
という人も多いのではないでしょうか。
イモムシの類はあまりに種類が多い。
そして、将来どんなチョウやガになるかわからないという楽しみ
がなんともいえぬ魅力だ。
初めて飼うのは、アゲハかモンシロチョウというのがほとんどであろう。
アゲハの好きなミカンの木は案外どこにでもあるし、ミカンの木をみればたいてい一頭は見つかる。
そして、愛嬌のある顔をしているイモムシなので、
虫に不慣れな子どもでも、抵抗なく触れることが多い。
自分も、アゲハやクロアゲハなら、
何100頭チョウに返したか分からない。
やがて、慣れて来るにしたがって
飼うのが難しい種類や
得体のしれない種類に手を出すようになる。
昔、ホウセンカを食べる、
とてつもなく大きな黒いイモムシを飼育したことがある。
小学4年生の時の夏に、大宮で見つけたのだ。
はっきりいって、
見かけがおどろおどろしい。
背中に目玉のような模様があり、ざらざらした巨大な体はヘビの子のようだ。
たぶん、9〜10センチはあったと思う。
もし、このとき虫に慣れていなかったら、
まず飼おうなどと思わなかったに違いない。
しかし残念ながら
この大きなイモムシは翼をつけることはなく、
途中で病死してしまった。
後に知ったのだが、
このイモムシはセスジスズメという
スズメガの仲間の幼虫だったようだ。
月影の中をさっそうととぶ、大きな飛行機のような印象のガだ。
ときには、巨大なガになったりハチになったりして驚くこともあるが、
そうしていくうちに本当の昆虫少年・昆虫少女になってゆく。
2009.5.1 推敲