雹雲と一般雷雲は、何がちがうのか?
これについても、
前話と同じように、定説はないようです。
しかし、調べるにつれていくつか違いがわかりました。
まず、
文句なしに立派な積乱雲(雷雲)がいるけれども、
めったに雹を伴うことがない、という場所。
1.台風の中心近く
2.末期の、異常興奮した梅雨前線
↑このようなところでは、
無数の活発な積乱雲がうごめいています。
豪雨や雷、突風が起こりますが、
雹害は聞いたことがありません。
(キーワード)無数の積乱雲がうごめく――
どうやら、
たくさんの積乱雲が群生すると、
雹を降らせることが少なくなるようなのです。
積乱雲の成長にとって、
もってこいの条件がそろったところでは、
”そこそこ”強い積乱雲がたくさん生まれますが、
他を凌いで、どか〜んと屹立する雲は少なくなります。
雹に必要不可欠なのは、
ものすごい上昇気流→こちら
積乱雲が集団化してしまう台風・梅雨前線上では、
上昇気流のエネルギーも
時間的・空間的に
分散してしまって、雹を降らせるレベルに達しないのでしょう。
雹を伴う積乱雲(巨大雷雨)は、
凄まじく大気が不安定な時よりも、
「あまり安定度がよくないなあ」
程度のときによく見られるのも、面白いところです。
非常に不安定なときに、
多数の積乱雲が次から次へ多発するのに対し、
ちょっと不安定なときは、
なかなか積乱雲は発生しないものの、
時期が来ると、まるで火山の大噴火のように
エネルギーが集中して、一気に一つの積乱雲の成長に使われるため
巨大雷雨に至るのではないかと考えています。
生物も、
よい環境で集団成長すると、
全員が健康に成長するとはいえ、
極端に大きい、極端に強いといった固体がいなくなる、
(←元気がなくなって、個性が弱まる?)
というのを聞きます。
こうしてみると、
積乱雲は、妙に生き物っぽく思えてきます。