続続:大気の状態が不安定、安定って?


大気の状態の安定・不安定というお話が続いてきました。
では、「どのくらい不安定か」を数字で現すのに
SSIという物理量を使います。
(具体的な定義は、ややこしいので別コーナーでm(__)m)

大雑把にはSSIの数字が小さいほど大気が不安定空気が上下運動しやすい過激な現象がおきやすい
といえます。
一般には下図のように言われています。

SSI現象の目安
3K以上安定。にわか雨の可能性低い
0〜3Kやや不安定。にわか雨
−3〜0K不安定。発雷の恐れもあり。
−6〜−3K非常に不安定。激しく発雷する。
−6K未満極度に不安定。トルネードの恐れあり。

なので、雹害の起こるような日はほとんどが−3未満であろう……

しかし、実際に雹害の起こった日のSSIを調べてみると(横軸)↓↓
下図のように案外高いSSIで起こっているのがほとんどです。
しかも、過半数が0以上というのには解析した本人がたまげています(笑)。
おそらく、前線などの他の力を借りて、
雷雲が発達することが多いためでしょう。

ついでに、縦軸に上空の気温も取りました。
上空の気温が低いほどSSIの値が大きくても
雹害の可能性が高いようです。

尚、赤で囲んであるように、
−5℃付近と−17℃付近で少し混みあっているような気がします。
これが2つのピークです。→こちら
5月と7月の2つのピークがありましたが、
上空5500メートルくらいの気温は
5月には−17℃くらい、7月には−5℃くらいであるため、
ここで混みあったと見られます。


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