重なって重なって……


もし、あのとき――

『歴史にIFはない!』、とはいえど、
冒頭みたいに考えて歯軋りしたり、胸をなでおろしたりすることは、
きっと誰にでもあるだろう。

自分の経験では――
中一のときに、
もし、あの一言を教えてくれる先生がいなかったら、
英語大嫌いコースまっしぐらだったに違いない。

This is a pen」という恒例の文章がある。

This――これ
is――です
a――ひとつの
pen――ペン

なぜ、「これは です ひとつのペン
と、『です』を真ん中にもってくるのか?
どうしても納得いかず、
気持ち悪くて仕方がなかった。

そこへ、ある先生、
「isとは=(イコール)の働きをする物である」
この一言であった!

これ = ひとつのペン

な・る・ほ・ど……これならわかる!
目からうろこが落ちまくり、
英文はパズルのように論理的に組み立てられている、
ということも、おぼろげに掴めたのだった。

他に、小学生のときの救いが
学研付録だった「九九の歌」のテープ。

これがもしなかったら、九九を覚えられていただろうか。
ひょっとしたら、今になっても覚えてない(笑)、
なんてことに、ならなかった証拠はどこにもない。

案外気づかないものだが、
そこそこ愉しくやってるということは、
ささいなことに
繰り返し、救われつづけているということなのだろう。

2005.8.7.Sun


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