小学校の実習をしていると
子どもの記憶力に驚くことが多い。
驚いたのが、
初日金兵衛が雑巾を絞っていた動作を見ていて、
後から、
「先生、左効きでしょう?」
と言ってきたことだ。
残念ながら、金兵衛は左利きでなかったが、
家族が左利きであるため、
そういう仕草をすることが多いのだった。
子どもに記憶力がすごいというと
年齢とともに記憶力は低下するという結論に行きがちであるが、
これは絶対ちがう!!
と思っている。
まず、記憶力が鈍った”ように感じる”カラクリから。
フィルムケースとプールに水が入っている。
ここに耳掻き一杯の赤い絵の具を入れると…。
フィルムケースの水は一気に真っ赤になる。
しかし、プールの水はほとんど変色がない。
お気づきの方もいると思うが、
フィルムケースが小学生の脳、プールが年長者の脳の例えである。
人間は見たり聞いたり食べたりした全ての記憶を蓄積してゆく。
そうすると、年齢とともに
記憶の量はどんどん増えてゆくことになる。
特別重大な事故でもないかぎり、
記憶がなくなってしまうことはないそうである。
だから、高齢になってから新たに覚えても
あまり覚えた感じがしないから、
記憶力が低下したように感じるのではと思う。
次に、回転が遅くなったように感じるカラクリ。
部屋(記憶量の少ない脳)で探し物をするのと、
街(記憶量の膨大な量)で探し物をするのはどっちが大変か…
という問題ではなかろうか。
しかも、どこかで聞いたのだが、
年齢によって脳の得意な作業が違ってくるらしい。
幼児では単純記憶、児童でエピソード記憶、
青年期で論理力、それ以降が洞察などど。
こうしてみると、物理・数学そして音楽の才能が若年で爆発、
文学や芸術の才能は高齢で爆発することが多い、
ということもなんとなくわかる…?
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