伊勢志摩の旅


  コメント:新潟市 しおりさん 2006年 4月
3月7日から10日まで、夫と伊賀、高野山、十津川、那智、熊野、伊勢志摩方面に行って来ました。
第1日目の巻 3月7日(火)
昨日とはうって変わって青空、気持ちの良い旅行日和。朝7時に家を出て、空港へ7時半前に着く。チェックインして8時発のANA機に乗る。セキュリティのために、持ち込みのペットボトルや飲料まで調べていた。私たちは何も持ってなかったのでどうということはなかったけど。74人乗りの小さな飛行機の大半の乗客がビジネスマンらしい。1時間の飛行で、9時には新しく愛知県に出来た中部国際空港、セントレアに着く。そこから名古屋や中心街に向かっても、10時ころから活動出来るのだから便利なものだ。初めて訪れたセントレアはとても大きかった。私たちの小さな飛行機は、すごくはずれに着いたようで、迎えのバスで空港ビルまで運んでもらった。中には歩く歩道があったり、空港の案内人が沢山いた。レンタカーの手続きをして一路三重県の伊賀上野へ。
まずだんじり会館を訪れたが、だんじりとは村上のおしゃぎりみたいな物だと思えばよい。お祭りの時には、これらが大活躍するのだろう。伊賀の名物は豆腐田楽と伊賀牛とのことだったが、残念ながら近くになかったので、上野公園にある食堂で私は山かけそば、夫は山菜そばを食べた。うどんもあったが、どちらのそばも結構おいしかった。忍者屋敷はいろいろな仕掛けがあって、わが家にもあったら面白いだろうなと思った。ドンデン返しや仕掛け戸など、動かしてみるとなるほど、なるほどと驚嘆。その裏に逃げ道があったり、棚のようにしてあるものが階段になったり、内側からはさとられずに部屋の中が見られる隠し部屋があったり、もの隠しなどなど、よくぞここまでと思えるすごい工夫。みんな触らせてもらいながら説明してもらえた。忍者の格好をしたくノ一、つまり女性の忍者の 案内人がいて、その方の衣裳もさわらせてもらった。今ならさしづめつなぎ、無駄なく、動きやすそうなデザインに感心した。公園内にある藤堂高虎のお城の天守閣にも登った。お城自体は新しい物だが「功名が辻」に出て来た藤堂氏のことだなと、あのくだりを思い出した。
公園もゆっくり散歩していたかったけど、ほどほどにして今夜泊まる奈良県の五條へ。宿泊先の近くに有名な賀名生(あのう)という梅林があるというのでその山へ、梅の木は山一面あったが、残念ながらまだちょっと時期が早かった。満開の時期は人混みもすごく、車も通さないというので、まあドライブ出来たので、それで想像するしかない。五條の宿では、2階の部屋で大丈夫かとご主人が心配して下さったが、私は足が悪いわけではないので、そんなことは全然問題にならない。館内無線ランでインターネットが出来るようにしてあるそうで、泊まり客も常連の人達らしい。10人くらいの宿泊客のうち、女性は私一人だった。家庭的で落ち着けた。池にたくさんカメを飼っていて、それがご主人たちの楽しみらしい。今は50匹くらいにまで増えたそうな。朝いつもより早く起きて動いてい たせいか、とにかく疲れた。夜8時の教育テレビ、福祉ネットワークという番組を見るつもりでいた。NHKハート展のことで、由紀さおりさんが出るというので、ふとんの中で聞いていたのだが、いつの間にか眠ってしまった。途中で1回トイレに起きたが、翌日6時前まで、またグッスリ寝ていた。
第2日目の巻 3月8日(水)
6時に起きて朝の散歩。今日も晴れそう。五條は奈良、熊野、和歌山、伊勢を結ぶ要所で、江戸時代の雰囲気を残した町。7時前からゴミ収集車が、通りに面している家家のゴミを1軒1軒集めていた。近くに吉野川が流れていて、これが和歌山に行くと紀ノ川に名前が変わる。有吉佐和子さんの小説を思い出す。
朝食後、高野山に向かう。標高800メートルと高いせいか、ちょっと肌寒い。奥の院駐車場に車を止めたが正面じゃなかったみたいで、脇道から入ったらしい。まだ観光客も多くなく奥の院も静か。あんなに沢山の墓石や会社の供養塔があるけど、一種のステータスシンボルになっているみたい。読経の声に、しばし神聖な気分にひたる。修行僧にも出会った。なにしろ、ここは一大仏教町、お寺も多いし、人口5000人くらいだとして、1000人は僧だとか。金剛峯寺、壇上伽藍など、細かく見てるとキリがない。町並みのおみやげ屋さんは、線香や数珠のお店が多い。閉まっている店もあり、あんまり派手派手しくない。それにしても、お大師様の威力はすごい!高野山というだけで、神秘的な響きがある。お昼は私がチャンポン、夫は木の葉どんぶりを食べた。私の物はあんかけラーメンみたいな感じだが、肉、シーフード、野菜がたっぷり入っていて、細い麺に熱々のあんがからみおいしかった。夫の木の葉どんぶりは一体なんだったのだろう。親子どんぶりと変わりない味だったけど、これもおいしかった。
その後は新宮市へ。その途中、十津川警察署と道の駅のある所に足湯があったので、しばし湯に浸かり休息。熊野本宮大社を散策。ここも歴史を感じさせる。やたガラスで有名だそうだが、どうもカラスは神聖なものとして祭られても好きになれない。熊野古道も歩く時間が足りず、この日はここだけでやめる。
今夜泊まる所は和歌山県の勝浦。海のすぐ近くだが、あんまり潮の香りはしない。少し前に、テレビで勝浦漁港からの放映があったので、なんだか親しみを抱いて訪れた。宿には波の音を聞きながら、半分は屋ねのついた貸し切りの露天風呂があって、それを使わせてもらった。私は海の近くで育ち、今の住まいも海に近い。山よりは海の方が好きだし、しっくりくる。夕食は海の幸がいっぱい。別に追加して注文しておいたマグロの甲焼きは大き過ぎて、二人では食べきれず残してしまった。ごめんなさい。まさか、あんなに沢山お料理が出るとは思ってなかったのでねえ。手作り豆腐と言えるのか、豆腐の素とにがり?を入れて、小さな鍋にかけて5分くらい煮て湯豆腐を作って食べた。だんだん固まって豆腐になる様は面白い。私は湯豆腐ももめん豆腐の方が好きなので、この柔らかい即席豆腐は別の物と思って食べた。おかずだけで十分で、ご飯は二人共パスだった。館内におひな様が飾ってあったりで、気分がなごむ。お腹がいっぱいで、なかなか寝つけなかった。
第3日目 3月9日(木)
朝の散歩は那智の滝を見に行く。ここは137メートルもある日本一の滝。私たちと同じように、朝早くから来ている人もいる。ここも見事!ついでに西国1番札所、青岸渡寺に行く。ここは階段につぐ階段で、ひたすら登る。登るには登れたが、膝が痛い。気をつけながらゆっくり下りた。珍しく梅の花が咲いていた木があり、そのそばで写真を撮ってもらった。
食後、熊野三山の残り、熊野那智大社、熊野速玉大社を見る。ここで夫の友人、梛枝(なぎえ)さんの名前の由来の木?梛(なぎ)の木を見つけた。これは国の天然記念物に指定されているとか。補陀洛山寺では渡海上人たちをまつってあり、彼らを乗せたと同じくらいの舟があった。観音浄土が南海のはてにあると信じられていたとはいえ、クギを打って、中の人を外に出られないようにして海に送り出すのだから惨い話だ。平安時代から1000年も続いたというのだから、これにもビックリ。熊野も、山々に神が住んでいると信じられている歴史と信仰の町、有名な熊野古道のルートもあちこちにある。有料の語り部つきというコースは予約が必要。全体が落ち着いた美しい町で、自然愛好家にはどこを歩いても楽しいだろう。
次はいよいよ伊勢へ。途中、宿で作ってもらったおにぎり弁当をいただく。おにぎり二つに、高菜でくるんだおにぎりがあった。中は普通のごはんだったけど、これもかの有名なめはり寿司?道の駅で、サンマのめはり寿司なども売られていたのだが、お弁当があったので買うのをひかえた。いろいろ食べ比べをしたかったなあ。お弁当と一緒に入っていたみかんがすごくおいしくて、これなら箱入りでも、ジュースでも買いたかったのだけれど、みかんの種類も分からず、そのまま次の目的地へ。
いよいよお目当ての伊勢神宮。伊勢神宮の内宮はものすごく広くて、参道の砂利を踏みしめながら進む。朝から歩き疲れて、足を引きずりながらひたすら歩く。奥の奥へは入れず、時間も時間だったので、他の館内にもは入れなかった。写真も制限があったりで、ちょっと驚く。いろいろなことをお願いして私の初めてのお伊勢参りが叶った。おかげ横町へ行ってみたが、まだ5時前だというのに、お店はシャッターを下ろし始めている。食べ物屋さんが多いのは、最近の観光地はどこも同じかな。これ以上無理はしたくないので、近くの宿へ向かう。だんだん曇ってきて、雨になりそう。
宿は民宿調の家庭的なところ。ここのお風呂は、トロン浴素から成るトロン温泉とのことなのでゆっくり浸かる。ここでは食堂ではなく、夕食を部屋に持って来てくれた。それもお膳で。夫婦向かい合って豪華に、ゆったりといただく。大きなカキの入ったお鍋、伊勢エビのグラタン、目を見張ったのは黒鯛の船盛りにしてあった刺身。新鮮でおいしい魚貝類に大満足。ここでもお腹いっぱいぜいたくにいただいた。お吸い物に太いシラタキみたいな物が入っていたのでおたずねしたら、特別製のかまぼこだそうな。名物というわけでもなさそうだった。私たちを含め3組の宿泊客だったようだが、別々に食事をしたので、全然顔を合わせることがなかった。
第4日目 3月10日(金)
天気予報どおり雨。でも朝の散歩に二見浦の夫婦岩を見に行く。海の中に浮かんだ二つの岩にしめ縄をかけるなんて、だれが考えたのだろう。晴れていれば、その岩の間から昇る朝日が拝めるらしいのだが、こればかりは悔しいけど残念。 朝食後、昨日行けなかった外宮をお参りに行く。今回は内宮と外宮とおかげ横町だけだったけど、その他、いくつも建物がある。全部ひっくるめた伊勢神宮の広大さにただただ驚くのみ。昔の人はすごいなあ。でも、本当に神様っているのかしら。いたら、きっときっとみんなの願いを聞きとどけてね。
その後、鳥羽のミキモト真珠島に行く。御木本幸吉の真珠閣で彼の苦労を知り、真珠博物館で真珠そのものについていろいろ知った。アコヤ貝の中にどうやって真珠のタネを入れるか、詳しく説明していた。本当に良い真珠は、全体の5%くらいしか取れないそうだ。私など、はね物でもいいと思ってるのに。あの優しく、ひそやかで、高貴な輝き。パールプラザの中にパールショップがあってのぞいて見たが、とても手が出ない。夫よ、貴金属、高級品にはあんまり興味がない妻で良かったね。気分的に豊かになれただけでいいわ。海女の実演もあったけど、今はショーになってる。決められた時間にちょっともぐるだけ。こんな時期だし、まあ仕方ないか。オルゴール館も見たし、他にもいろいろ見る所はあったんだろうけど、時間が足りない。
昼食をとる都合もあり、早目に飛行場に向かう。途中で食べたタンタンメン、おいしかった!夫のみそバターラーメンも、好きなだけ食べられたキムチも本格的でおいしかった。ところどころ晴れたこともあったけど、小雨程度ですんで良かった。4時半前にレンタカーも返し、セントレア内を探索。6時20分発なので、3階のレストラン&ショップ街を見て歩く。例の銭湯というのもあった。夕食にとスカイデッキというお店でお寿司を買って、休憩所でいただいた。生ゆばで巻いた太巻はあなごや漬物や具がいっぱい入っていて、値段も高かったけどおいしかった!五目のおいなりさんも、さすが「豆腐屋」というお店の物だけあって、これもおいしかった。
2階のANAのカウンターでチェックイン。あとは、ほぼ予定どおりの飛行で無事新潟へ。新潟は晴れていてホッとしたが、駐車場で夫が「うちの車はどこだ!」4日前に置いた場所を忘れたらしい。そんなに広くない駐車場で良かったね。われら夫婦、ローカル都市新潟くらいでちょうどいいんだね。8時前にようやく帰って来て、そこでいつもの私のセリフ「やっぱりわが家が一番だよねえ」
お し ま い。

これで、しおりさんの「伊勢志摩の旅」のページを終わります。

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