釣行記7月            戻る       ホームへ

2003年 7月 釣 行 日 記
7回目 7月日19(土) 天気:小雨&霧雨 河川名:久慈川(大子地区) go
        釣果:0
7月日20(日) 天気:曇り一時晴れ 河川名:久慈川(袋田地区) go
        釣果:7
6回目 7月日12(土) 天気:雨後晴れ 澄み水を求めて、ウロウロ走りまわる。
澄んだ流れは柿田川だけでした。go
5回目 7月5日(土) 天気:曇り後晴れ 河川名:大芦川(西大芦川)  go
        釣果:29

 第7回目 一日目7月19日(土) 久慈川(大子地区) 中内橋上流    Back
                                   午後;簗下流

久慈川中内橋上流中内橋上流
   天気;小雨&霧雨
   水温;19℃  水色;澄み

 
釣果:0

中内橋を下流に望む
右手の木の茂みあたりまで岩盤底のトロ場で、その先は橋の下流まで石がゴロゴロした良い瀬が続いている。
茂みの手前に牛小屋がある。

橋の上下には十数名の団体が入っていた。


久慈川中内橋上流トロ
上の写真の上流側。

地元釣師が、夏水量のあるときはこのトロ場が良いと云っていたが、半分以上砂で覆われていた。

大子の町から右岸沿いの道を上流に来て、水郡線の踏切を渡り6、70mの所に右岸川岸まで入れる道があるが、農家の生活道路なので車は護岸の縁ぎりぎりまで寄せて駐車しなければならない。


久慈川簗場下流

簗場より下流の久慈川橋を望む。

簗の向こうの中州がきれる辺りまでは瀬で、その下は小石底の浅いトロ場が橋の際まで続く。橋の下流は長い荒瀬になっている。

雨粒がレンズに付いて白い泡粒みたいに写っていました。



久慈川簗場上流


簗場より上流の湯の里大橋を望む。
簗場前の土手にオトリ販売所があり、オトリは下の簗の所にある。

橋と簗場の間は平瀬が続いている。
簗場のすぐ上に支流があり、合流点の前後は良さそうに見えたが、人が多くて入れなかった。
夕方になっても頑張って立ち込んでいる人が何人もいた。




 7月『海の日』の3連休には泊りで鮎釣りに行こうと6月からいわれていたのだが、最近は梅雨空の雨続きでどこが良いのか見当が付かない。なんとなく、北の方向が良いような気がして福島県の木戸川と高瀬川の漁協とオトリ屋に電話をして様子を聞いたところ、どちらも寒くてエサ釣では釣れるが友釣ではほとんど釣れないという返事だ。そういえば天気予報でも5月下旬の気温とか言っていた。
 岐阜方面もまだ良い話が聞かれないし、千曲はまあまあのようだがこの前に行ったばかりだし、さて何処へ行こうか迷う。
 特に良い情報があるわけではないが、久慈川へ行く事にし、昨年8月に泊った宿に予約を入れると、3人で鮎釣りの宿泊予約を入れた別の人がいてそのXXさんとは別ですねと2度も念を押された。
19日は日が変わって少ししてから家を出、途中でKYさんTJさんを拾い、首都高から東北自動車道を北上し那珂インターを出て大子(久慈川)へ向かった。標識を見て大子へ向かっていたはずが、いつのまにか「広域農道」の標識のある森の中の道に入ってしまい、変則4差路に出た。そこの標識を見ると水戸、常陸太田、瓜連の地名が出ている。どちらへ行けば良いか判らないないので、途中にあったコンビニまで戻り、弁当を買ってから大子への道を聞くと、その先の信号を左に行けば良いという。頭の中で感じていた方向とは全然違う方角だ。キツネに化かされて道に迷うという話があるが、何処で迷ったのか皆目分からない。教えてもらった道を行くと118号線に出て、後はすんなり大子方面へ一本道。
 KJさんの知り合いが6月に袋田の昭和橋の近くでいい釣をしたといので118号線から袋田駅の方へ入ろうとするが入り口を過ぎてしまいまた引き返して袋田駅のほうへ向かう。今日は朝から道を間違えてばかりいて、どうもおかしい。
 118号線から少し入って、南気田橋の際の広くなっている所に車を止めて、橋の上から川を眺めると良さそうな荒瀬がある。橋の数十m下手に川原まで出る道があり、川原に駐車できる。釣雑誌のコピーに出ていた地図がいいかげんで鉄道線路は書いてあるが駅が書いていないし、細い道が太く書いてある。昭和橋へはどう行くか良く判らないので、大子の様子を見に行く事にする。
久慈川入漁証 大子の街の上流側はずれの池田橋右岸のオトリ屋へ行き様子を聞くと、どうも来る時期が良くなかったようだ。雨もポツポツ落ちてきて肌寒い。
 今時分は「フジゴモリ(フヂゴモリ?)」といって鮎が淵に隠れて釣れなくなる時期だという。瀬ではほとんど釣れないという。
 クリの花が咲く時期は釣れるが、ユリの花が咲く時期は釣れないともいう。
 橋の下の深みに鮎が沢山見えるが釣れないなーというので、橋の上から覗き込むと、確かに良形の鮎が真ん中の深い岩盤にいるのが見えるが、水かさが高くなっているので竿が届かない場所だ。少し減水するまでは無理だ。
 中内橋の上手のトロ場が良いのではないかというので、地図を描いてもらい上の写真の場所へ行った。地元の人以外は案内図がなければ来られない場所だ。地元の人が2人来ていて、夏に水量が多い時に良い場所だと教えてくれた。TJさんはトロの上手へ、KYさんはトロ尻近くで釣り始めた。
 トロ場の下流は橋まで一抱え位の石が沢山入ったいい早瀬と荒瀬が続き、橋の下流も瀬が続いている。トロ尻から瀬頭にかけて石がきれになっているように見えたので瀬頭でやってみたが全く当りがない。橋の左岸に十数人の団体が入り、その内の半数位が橋の上手へ移ってきた。皆瀬を攻めているが誰の竿も立たない。そう云う自分も全くダメ。それに小雨や霧雨でカッパを着ていても寒く感じる。水温は19〜20度位で冷たいわけではないが気温が低い雨空なので追わないのか?腕が悪いのか?
 瀬もやってみたが、オトリをヘトヘトにさせただけ。同行の二人は5匹ほど掛けたようで、オトリ屋のベテランが云っていた様に、今時分は瀬はダメなのか?と思う。
 この場所は、ヒザより深い所に立ち込んだまま釣るしかなく、寒いので昼から他へ移ろうと言う事になった。昼食後、下野宮地区から大子やなの所まで見て歩いたが、3連休のせいか、他に良い川が無いせいか何処も人がいっぱいで3人入るスペースが見あたらない。大子やなの所で下手を見るとあまり人がいない様なので、夕方までここでやることにした。橋下流の瀬をやってみたがダメ。
 とにかく今日は午前も午後も悪循環にはまり込み20年振りくらいでボーズをくらってしまった。
地元のベテランの話を素直に聞いてやるべきだったと反省した一日だった。また、腕のことはさて置いて、人が大勢集まる川では人がいない所は釣れない所というのも確かな事だと実感した。
 久慈川へ遠征する方は、フジゴモリ(フヂゴモリ?)とユリの花の時期は避けて行かれるよう注意されたら良い釣が出来ると思います。
 夕方宿に着き、まずは温泉に浸かって冷えた体を温めると気分も体もユッタリと天国気分。釣の後の温泉は本当にいーですね。

 第7回目 二日目7月20日(土) 久慈川(袋田地区)         Back

久慈川久野瀬木橋下木橋下流
   天気;曇り一時晴れ
   水温;20〜22℃  水色;澄み

    釣果:7(15〜18cm)

久野瀬というバス停の先の細い道を入ると車幅ぎりぎりの狭い木橋に出る。
木橋より下流を望む。
左岸よりは石ゴロゴロのチャラと早瀬で、右岸よりは岩盤底で流れが速い。右岸は流れの際まで竹薮があり釣りにくい。
木橋を渡るとすぐ右(上流側)に行く道があり、奥まで行くと木石とい地名の荒瀬があり、良い釣り場だという。


久野瀬木橋下1久野瀬木橋下2久慈川鮎
 上流木橋を望む


 天気予報では曇り時々雨のようだったので、昨日のように寒いようでは朝早くからやるのは大変な気がしたので、朝食を取ってから8時頃に宿を出た。朝起きた時は昨日と同様に雲が低く山にかかっていたが、宿を出る頃には低い雲は切れてきた。すぐに右岸沿いの道に出るので、川を眺めると既に釣り人がずらりと並んでいる。
 河津川の時もそうだったが、鮎釣りに限っては宿で朝食を取っていては良い場所に入る事は不可能な事が再確認できた。川沿いに下るが大子は何処も人がずらりと入っている。上小川の方へ行ってみようと下流へ向かう途中で、木橋の所へ寄って見ると橋の下流には誰もいない。橋のたもとで地元の人に話を聞くと、袋田の昭和橋下流に良い瀬があるというので見に行く事にした。橋を渡りすぐ左へ行くとすぐに南気田橋へ出る。橋を渡って右に行くと道の左に菊池釣り具店(オトリ屋)がある。菊池釣り具店では久慈川特製の胴調子の中通しリール竿を販売している。
 ここで入漁証とオトリを買い、昭和橋への道と駐車場所を教えてもらう。実際に行ってみると、釣雑誌に出ていた地図がいかにいい加減なものか良く判った。
昭和橋の上下も良い瀬があるが、既に人でいっぱいで駐車場所もいっぱい。少し下手の瀬を見たがここも良い瀬である。人が多いのと荒瀬に近い早瀬なので同行の二人は好まないようなので、木橋の所へ戻ることにした。
 木橋の上流のトロ場には3、4人入っていたが、下流には一人もいないので、のんびり釣りを楽しめる方が良いと思い、橋の下流で釣る事にした。
 しばらくの間全く当りがない。10時を過ぎた頃から雲に切れ間が見え薄日が射し出して、昼前には暑く感じるほどになった。昨日から天気予報は外れっぱなし。これなら早く宿を出て良さそうな場所を確保するのだった。日が照りだしてきてから小振りのが掛かり出したが、思い出した頃に掛かる感じである。瀬尻ではポツリポツリと釣れるが瀬の中ほどは何故か釣れない。
 日が射し出した頃に来た若い二人連れは瀬尻の下のトロ瀬の腰以上の所に立ち込んで竿を出しているが釣れている様子はない。
 昼にカメラを取りに車に戻ると、橋の上手のトロをやっていた人たちが戻ってきていて昼食を摂りながら話しているのを聞くと釣れていないような感じである。
 木橋の辺りは見た目は結構良いし、ハミ跡もしっかり付いているのだが人が少ないということは友釣場としてはあまり良くないのだろう。他の場所はあんなに大勢の人がいたのに、ここには一人もいなかったはずだ。
 地元で秘密の穴場を知っているような人でなければ9時頃に川に来たのでは良い釣りは出来ないことを実感した。同じ失敗を三度もしたら話の種にされてしまうから、次回からは朝一から川に出るようにしよう。
 奥久慈の久慈川は川相も良いし鮎も沢山いるので、フジゴモリとユリの花の咲く時期をを避けて釣行される事をお勧めして、今回の日記を終わります。

 第6回目 7月12日(土) 静岡県東部、山梨県南部をウロウロ     Back

 興津川が10日ころから釣れているというので、夜明け頃に3人で出かけたのだが。
家を出る頃から雨が降り始め、箱根峠あたりでは断続的に強く降る。“のーへ節♪”に出てくる三島まで下ると、雨も小降りになって来た。天気予報は「曇り」なのだが今は雨が降っている。「これくらいの雨では興津は大丈夫でしょう」というと、KYさんがニヤリとしながら「今日はお日様が顔を出しますよ」と云う。そうだといいのだが、お日様を拝むのは無理だろうとこの時は思った。
 由比を過ぎるころには雨も止み、1号線から52号清水・身延線へ入る。ほどなくして道の右手に興津川が見え、水色は薄い笹濁り程度でこれなら大丈夫だねと3人顔を見合すが、数分後にまた川を見ると泥濁り。興津川上流の和田島と身延との分基点の但沼(ただぬま)橋で川を覗くと薄い笹濁り、下流を見ると左岸の沢から泥水が流れ込んでいるのが見えた。これがさっきの濁りの原因と一安心。上流の雨乞つり橋の所で川の様子を見ると、かなり水は多いが笹濁り程度だ。ささぶろオトリ店では関西弁の人の他にも何人かがオトリを買っているのを見て、昨年から友釣を始めたTJさんは気が逸る。
 52号線まで戻りコンビニで弁当を買って、また雨乞まで戻ると川は薄い泥濁りに変わっている。雨はとっくに上がっているし、KYさんが車中で言ったように薄日まで射して来ているのにどーした事だ。
 どーも様子が変なので、上流を見に行く事にした。上流へ行けば行くほど濁りが強くなり和田島から上は泥濁りだ。両河内中学校より上流の布沢川出合まで行くと、布沢川は笹濁りだが本流側はきつい泥濁りだ。夜明け前に奥のほうで大雨が降り濁流が朝になって流れ下って来たのだろう。
 なぜかKさんの予想が当たり、空は晴れてお日様が顔を出し天気だけは絶好の釣日和になってきた。しかし、この泥濁りでは今日は無理と思い中学校の所まで下って川を眺めると、川原に数台車が駐車していて、数人が濁流の中に竿を出している。釣り始めて間もなく濁ってきたのだろうが、意地でも釣るという感じがした。ささぶろでオトリを買っていた人たちも竿を濁った川に竿を出しているのだろうか。
 興津はダメでも山向こうの山梨県側は良いかも?と思い、52号線を北上し富士川と福士川の出合の所まで行くが、富士川も福士川も濁流で、とても釣が出来る状態ではない。静岡から山梨にかけて夜明け前によほど強く雨が降ったのだろう、天気は良くなったが、川はどこも泥濁り。仕方がないので、柿田川の清流でも見て帰ろうということにして富士川沿いに下る。
 柿田川はいつも通りの清流だが、狩野川との合流点では狩野川も真茶色の泥濁りだ。天城の方でもそうとう降ったようだ。
柿田川1柿田川2(左)橋の下流。湧水独特の水の青さです。100mほど下流で狩野川に合流する。

(右)橋の上から覗く。深さは胸位あります。
 ピンボケで判りませんが、岸側の石の所には良形のアユがウジャウジャいました。

(カメラのスイッチが近距離撮影の位置のままでピンボケです。雰囲気だけ感じて下さい。)

 合流点のすぐ上の橋から柿田川を覗き込むと、富士の湧き水の中に良形のアユが何十匹も群れているのがいくつも見える。岸近くの石のコケを群れで食んでいる。川辺に下りていくと、アユは藻の中にサッと隠れて見えなくなり、上の道まで上がるとまた出てきてコケを食む。こんなにアユがウジャウジャいる所で友釣をしてみたいものだと思う。
 昔のことだが、12月になると柿田川の落ち鮎釣りが解禁になるので何度か餌釣に来た事があり、朝の数時間で20cm位のを束釣したことを思い出した。
 http://www.kakitagawa.tv/shimizu-t/roman/roman.htm
 http://www.izu.co.jp/~kakida/ で100名水の一つ柿田川の様子を見てください。
そこだけポッカリと別天地になっている柿田川、富士の湧き水をみて心が洗われる気がしたが、今日は川を眺め歩くだけの一日となった。

 第5回目 7月5日(土) 大芦川(西大芦漁協管内) 塩沢橋  Back          

塩入橋下中州左岸塩沢橋下流の中州
   天気;曇りのち晴れ
   水温;18〜19℃  水色;澄み

 釣果:29匹
    Max.;19cm
    Min. ;12cm
    Ave. ;15cm前後

    もうチビしか残っていないようです

中州左岸より上流の赤い塩沢橋を望む
橋直下の2本の瀬が合わさりトロになり、この中州の所から早瀬になり中州の中ほどから荒瀬となる。
(塩沢橋上流にも良い瀬が続いている。)


塩入橋下中州右岸
上と同じ中州の右岸で中州の中ほどまではチャラ瀬で、その先で流れが右岸きわに絞り込まれ荒瀬になって流れ下る。荒瀬の上は木の枝が張り出していて、短竿でなければ釣れない。

めずらしく、うら若き女性鮎師が上手に来たので、釣友が撮ってくれた。

解禁日から毎日来ているという地元鮎師の話では、
7月1日解禁日には、中州の両岸は竿1本位の間隔で釣り人が並び、一ヶ所でジッと釣るしかなかったが、釣果はほとんどオトリサイズ以上で良い人は何十も釣り、悪い人でもツ抜けだったそうだ。
大きいのは釣り切られたのか5日は皆ほとんどがチビ。



大芦川、鹿ノ入橋上流大芦川、鹿ノ入橋下流上の写真の上流にある鹿ノ入橋の上流(左)と下流(右)。橋の下は深い大きな淵。

関東一の清流という人がいるくらいで、流れる水は澄明で透明度が高く気持ちが良い。

大芦川のアユ


 TJ氏の狂鮎病ウイルスは本人を発症させただけではなく、もうウイルスをあたりに撒き散らすほどに悪化してしまった。感染源の酔狂おやじとしても責任があるので、毎週末どこへ行くべきか頭を悩ますこのごろである。
 さて今度は、興津あたりへ行こうかと思っていたところへ、TJ氏より「大芦川を知っているか。渋谷“サンスイ”の店長が『大芦川解禁で皆爆釣した』と云っている。行かないか。」と電話が入った。行きたい所があれば何処でも行きますよー、と云っているので、行きましょうと即決。M氏KY氏に連絡すると二人とも二つ返事で行くという。
 4日の深夜から未明に、静岡市から伊豆天城にかけ時間100mmの集中豪雨が降り、狩野川本流は3mの増水だったというが、支流大見川は普段と変わりなかったそうだ。興津川も大増水だったろうから、栃木大芦川にいくことにしていてヤレヤレよかった、だ。
 東北自動車道を北上する車中は、静岡市から天城にかけて豪雨だったというから東京近辺の人は栃木、茨城方面に集中するのではないか?大芦川も解禁爆釣のニュースが流れているから大勢集まるのではないか?大きいのはまだのこっているか?など気の揉める推測が飛び交う。
 鹿沼インターを出て鹿沼市から14号鹿沼・日光線を通り大芦川沿いに出る。“サンスイ”情報やインターネット情報では大久保辺りから草久辺りで解禁日、翌日と爆釣が続いたらしい。
大芦川沿いに出てから、噂の神船神社前、塩沢橋、鹿ノ入橋、西大芦小前と順に見ながら上流へ走る。
大芦川入漁証 鹿ノ入橋前のオトリ屋へ引き返し、車を止めオトリをここで買おうかどうしようかと思案していると、TJ氏が“サンスイ”店長を見つけ挨拶をすると、店長が「下のオトリ屋ではオトリが品切れだから、ここ買っていったほうがよい。」という。“サンスイ”ご一行は地元釣り人の案内でオトリを仕入れて下流へ向かった。
 オトリが無ければ釣りにならないから、我々もここでオトリと入漁証を買う事にした。オトリ屋(若田屋という雑貨屋)のおかみさんに入漁証とオトリ2本ずつ4人というと、オトリが足りないという。ここもオトリが品切れになるほど大勢釣客が来ているのか。
 主人がオトリを取りに行っているので、それまでお茶でも飲んで休んでいて下さいといい、畑で無農薬で育てたキュウリの漬物とお茶を出してくれた。この漬物はお茶請けにとても合う、うまい。
 オトリが来るのを待っている間に釣り支度をして、橋の上から川を眺めると、橋下の深い淵は透き通って底まで見えるくらいだ。おかみさんが出てきて、橋の下手の流れの中の大石を指差して「あの石の前に一日座り込んで解禁から3日間毎日何十も釣った人がいた。」という。「少し動いたらどうですか。」と言ったら「俺はここでいい。」といって3日間座り込んだまま釣っていたという。なんとも羨ましい話だ。
 川にあまり慣れていない人がいるので、休んだり竿を置いたりするのに川原のある所が良いだろうと思い、逡巡したあげく塩沢橋100mほど下手の中州で釣る事にして、橋の向かいにある駐車場に車を止め、川へ降り中州へ渡った。先入者は地元の鮎師で解禁日から毎日来ているといい、「小さいのばかりでもう大きいのはあまりいないな。」という。大芦川へは初めて来たが、竿の届かないところは無いくらいの川なのでこの4日間で大きいのはほとんど釣りきられたということか?
 同行の3人は中州の左岸側に引き船を浸けた。4人は無理なので、自分は右岸側の地元の鮎師の上手に入れてもらうことにした。この中州で5人ならゆっくり鮎釣りが楽しめると思ったのだが、それは大間違いだったことが2時間も経たないうちに判ることになる。きれいな流れを見て、この時はオトリ屋でオトリが品切れになっていたのをコロッと忘れていたのだ。
 山間の川なので日が射すまでは釣れないだろうと思い、中州の上下を見て歩いた。中州は幅30m長さ200m位はある大きなもので、その下手には早瀬が続いている。中州の上手はトロでその上は橋下両側から荒瀬が流れ込んでいる。中州で地元鮎師の釣りをしばらく見学していたが、チャラ瀬での泳がせ釣りである。1匹目が掛かったのを見ると小さい感じだ。
 朝日がようやく山の上から顔を出して川面を照らし出したので、オトリを付けて数m先の流れの筋に入れてやるが、しばらく反応が無いので真ん中より向こうの流れに入れてやると大石の頭でピリピリっと来た。抵抗無く抜けたのは、オトリより一回り小さなチビ。幾つか掛けるがなんとかオトリになる程度のチビばかり。地元の鮎師もチビばかりだという。解禁からの様子などを聞いている間に上手から2人、3人と中州へ渡って来だしたが、上手のトロっぽいチャラの所に入ったので、まだ場所の余裕はあるなと思う。しばらくやってもオトリサイズは1,2匹で、あとはチビしか釣れないので引き船を浸けた岸に竿を寝かせ、左岸に行き釣友の写真など撮り、調子は良いか聞いたりしていた。こちらではオトリサイズが幾つか釣れているという。左岸側には良形が残っているようだ。さて、写真も撮ったし戻って釣ろうかと、竿を置いた辺りを振り返ると、地元の鮎師はチャラ瀬の最下流部に追いやられ、上手のトロ瀬の人との間に竿の間隔位で4,5人立っているではないか。この人たちはどこから来たのか?下手から上がって来たのか?
 自分の竿を置き引き船を浸けた所に腰掛ほどの石があったが、驚くことには、その石に熟年男が腰掛けて釣っているではないか。あまりの非常識さにあぜんとする。竿一本分ほど上手にいた人が根ガカリでざぶざぶ流れの中に入っていく。呆然と岸に立っていたら、石に腰掛けていた男が気まずそうに立ち上がり少し下手に移るが、間もなく根ガカリして立ち込む。こんな輩には川に来て欲しくないものだ。清澄な清流にマナーの汚い人は不似合いだ。あーあ、釣る気が萎えてくる。
 朝一番から来ていた地元の鮎師は早々に引き上げていったので、その後に釣友一人が入った。何時の間にこんなに人が増えたのか、酒匂川の週末よりも多い人出だ。
 仕方がないので左岸の釣友の下でやらせてもらうことにして移動した。左岸の釣友は良形を何本か掛けているのに、自分にはチビしか釣れない。
 昼食の後、上流の橋下の荒瀬と落ち込みの辺りの様子を見に行ったら、誰もいないので橋の下手へ移動した。うまくいけば良形が掛かるのではと瀬の落ち込みからトロにオトリを流すが、しばらくあれこれやっても全く反応がない。
落ち込みはあきらめて、橋下左岸の荒瀬に移る。チビだが2、3本立て続けにきた。4、5匹釣る間に何処からともなく4、5人が寄ってきて竿がぶつかる。あーいやだ、どうしてそんなに接近してくるの?よしてくれだ。また中州へ戻る。
 釣友二人がいる所は上手に大きな木が張り出していて、他の人が入れないし、下手は雛壇とまではいかないがそれに似た荒瀬で釣りにくいので人が来ない。二人ともポツポツではあるが退屈しない程度にコンスタントに釣れている。また二人の下手でやらせてもらう。
 中州右岸側は昼過ぎまではあんなに入れ替わり立ち代りで大勢いた人が3時頃には3、4人に減ったので再度右岸で釣るが相変わらずチビしか掛からない。夕方に、左岸の荒瀬の中に良形が残っているかもしれないと思い、絞られた流れの中と大石の際を探って、ようやく良形2本がきた。
 なぜか今日は気持ちも肉体もいつになく疲れたので、形の良い石に掛け先に休んで友が終わるのを待った。
6時頃に釣友達も今日はこれで終わる事にした。キープできた数は別にして、皆20以上は掛けたようで、形は小さかったが満足できる1日ではあった。
 大芦川は、水も空気も緑も清清しくきれいで、以前愛知や岐阜の奥の川へ出かけた頃を思い出した。傍若無人な人さえいなければ、また来てみたくなる川である。