東京湾の水質 T
東京湾は一般的には観音崎から富津岬を結ぶ線より北側を指す。しかし、ここで取り上げる水質は陸上からの水質汚濁の影響を最も受ける湾奥部、東京都の管轄する海域を中心にしたものである。資料、データ−は「平成12年度公共用水域及び地下水の水質測定結果(東京都環境局)」を主に使用した。
1、COD環境基準の達成状況及びCODの経年変化
表−2は平成12年度の達成状況である。全層の値は上、下層の平均値で、達成評価には全層の値を用い、水域の全ての環境基準点で75%水質値が環境基準値以下の場合を達成としている。
C類型の基準点では達成されたがB類型の4基準点全てについて環境基準をうわまわった。
(表−2 環境基準(COD)達成状況)
2、環境基準と環境基準点
この海域(内湾)の環境基準点は8地点設定されている。このうちSt5(船の科学館前)、St6(中央防波堤内側)、St11(大井水産埠頭前)、St23(大田区城南島南)の4地点はCOD環境基準C類型(8mg/L)であり、St8は荒川河口に位置しており、最も沿岸に近い基準点である。St22は浦安市南4Km沿岸部から離れているため、陸水の影響の少ない地点である。 St25は内湾中心部の東京灯標際の地点、沿岸部から離れているが降雨の後など荒川の影響を強く受けることが有る。St35は多摩川河口東南4Km、内湾の基準点中最も陸から遠く、水深も深いため、陸水の影響は少ない。この4地点のCOD環境基準はB類型(3mg/L)である。
図ー1内湾の環境基準点 | 表−1 海域の環境基準 COD環境基準
窒素リン環境基準
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8地点の環境基準点における水質測定は毎月1日、1日1回(上層、下層)の頻度で実施された。
続く