2008年7月14日
 
瀬戸市長 増岡 錦也 様
 
          瀬戸市環境基本計画見直しについての再要望書   
 
                             瀬戸市の問題を考える市民ネットワーク
                             「瀬戸市にこれ以上産廃はいらない」会
                             紺屋田・印所の森を歩く会
                             鉱山開発から里山を守る会


 本年5月15日付の要望書について、市長名にて6月10日付のご回答をいただきました。
 私たちは瀬戸市の環境問題に関心を持ち、豊かな自然環境に恵まれ、健康で安全、
快適なまちを次代に引き継ぐことができるよう強く望むことから、以下の点につき、
再要望を提出いたします。
 

【瀬戸市の回答】

                                      20瀬生第185号
                                      平成20年8月1日

 瀬戸市の問題を考える市民ネットワーク 様
 「瀬戸市にこれ以上産廃はいらない」会 様
 紺屋田・印所の森を歩く会       様
 鉱山開発から里山を守る会       様

                                     瀬戸市長 増岡錦也
                                           (公印省略)

       瀬戸市環境基本計画見直しについての再要望書について(回答)

 平成20年7月14日付けにて要望いただきましたことにつきまして、下記のとおり回答
いたします。

                          記

 今回の要望書は、瀬戸市長あてに提出されておりますが、瀬戸市環境審議会に関連
することも多いため、7月18日に開催した環境審議会の場で本要望書等の資料提供と概
要の説明を行い、審議会での協議も踏まえて回答を作成しておりますことをご承知お
きください。


1.5月15日付要望書は、瀬戸市と瀬戸市環境審議会に対し、それぞれ要望を申し上げ、
ご見解をうかがうものでしたが、市のご回答では、「市環境審議会に諮ることなく市
長名のみの回答とする」とされていますが、なぜ環境審議会に諮ることなくそのよう
な決定をされたのでしょうか。審議会が独自に論議を行い、回答するかしないかを含
めて審議会の対応を決定することが独立した審議機関としては当然のことではないで
しょうか。
 市のこのような回答は、環境審議会を市の御用機関と見なし、審議会の自主性、独
自性、公平性を全く無視したものではないでしょうか。広く意見を募り、市民の意識
を反映させ課題を明確にした審議会の論議や答申を市は望んでいないということなの
でしょうか。
 5月15日付要望書につき、環境審議会の場において取り扱い、論議を踏まえ審議会と
しての回答を望むものです。
 

【瀬戸市の回答】
 5月15日付要望書につきまして、環境審議会は市長からの諮問に応じて調査審議を行う
市の附属機関であり、当該要望書の対応のために審議会委員の招集を行うことや回答の
協議を行わないものとし、市からの回答を行ったものです。
 なお、当該要望書は、審議会開催の際に委員に対して資料として情報提供を行い、7月18日
の審議会の場において冒頭で協議を行い、今後も含めた要望書等への対応を「事務局は、
情報を速やかに審議会委員に提供する」、「審議会は、個々の要望書等に対して審議会とし
ての回答はしないこととし、委員が審議の過程において参考とする」ことになりました。


2.「5月15日付要望書については、環境審議会に対して要望の内容について情報提供し
たことをご承知おきください」とのご回答ですが、いつ、どのようにして環境審議会
に対して情報提供されたのでしょうか。
 
【瀬戸市の回答】
 5月15日付要望書につきましては、瀬戸市環境審議会委員に対して、7月18日開催の環境
審議会資料とともに、7月14日付けで郵送にて情報提供いたしました。

3.瀬戸市環境基本計画の見直しは、同計画作成時において5年後に行うことが約束され
ていたものです。瀬戸市環境基本条例においても見直しにあたっては「環境審議会に
市長が諮問すること」となっています。市は8年後になってやっと環境審議会を設置し
基本計画の見直しに取り組み始めています。
 ご回答では、「環境基本計画の見直しは環境問題、社会、経済状況の変化に応じ適
宜行うもの。第5次総合計画の策定を踏まえ見直しに着手した」「計画見直しは、公募
市民、事業者とワーキング会議を行い、市民意見の反映に努めてきた」としています。
 これではなぜ基本計画の当初において決められていた5年後での中間見直しの取り組
みができなかったのかの反省はされないままです。第5次総合計画策定よりずっと前か
ら瀬戸市環境基本条例も策定され、環境審議会設置が定められていたにもかかわらず、
環境審議会は設置されないままになっていました。
 瀬戸市環境基本条例に則った計画見直しは全く取り組まれないままでした。
 従って、「公募の市民や事業者の方とのワーキング会議を見直しに当たって行った」
という会議は、どのような位置付けの下に行われたのか市民にとって不明です。市の
ご回答でいう「ワーキング会議」とは、いつ、どのような目的で設置され、開催され
たものなのでしょうか。「環境基本計画の中間見直しのために設置し論議するための
もの」と明確にして市民が公募されたものだったのでしょうか。そして、いつからい
つまでの期間設置され、どのような名称でどのような内容の論議が行われ、どのよう
な内容で意見がまとめられているのでしょうか。また、環境審議会が設置されないま
まで行われたワーキング会議がなぜ市民意見の反映と見なされるのでしょうか。
 市として環境基本計画の中間見直しが全く立ち遅れてしまったことについて率直に
反省し、環境基本条例に定める通り、環境施策を総合的・計画的に推進するために、
市民・事業者の意見を反映した基本計画の見直し策定に全力を挙げて取り組むべきで
はないでしょうか。
 わずか2回の審議会で環境基本計画見直しをまとめるようなことのないよう強く求め
ます。
 
【瀬戸市の回答】
 瀬戸市環境基本計画は、環境問題、社会・経済状況の変化に応じて、適宜行うものと
しており、市の上位計画である第5次
総合計画の策定を踏まえて、見直しに着手いたしました。
 また、瀬戸市環境基本計画 見直し市民ワーキング会議は、計画の見直しにあたって、
案の検討段階から市民意見の聴取を
行うことを目的に、平成18年2月に公募により設置
した組織です。ワーキング会議は、平成18年3月から約1年間開催いたしました。
メンバー
並びに会議の内容は、添付資料のとおりです。 
 なお、まとめは次回の審議会で行い、答申いただく予定となっております。


4.環境基本計画が目指す環境像10項目実現に向けて、「基本方針」「基本的施策」を
総合的、長期的視点に立ち計画的に進めるとして市民が理解しやすいように、それぞ
れ数値目標が具体的に示されてきました。
 今回の見直しに当たり、70%以上であれば目標に近いといった評価が示されています
が、なぜ70%以上であれば目標に近いとされたのでしょうか。数値目標が基準値を上回っ
た場合は「目標達成」とされますが、「目標に近い」といわれる場合の「近い」とい
う程度が90%以上なのか、80%以上であるのかは各々受け止める人により違ってしまう
のではないでしょうか。「70%以上」というのは、一方的な評価基準を示したものにす
ぎないのではないでしょうか。まず、具体的な数値を公表し市民の評価を仰ぐことが
求められているのではないでしょうか。
 また、「地域別環境配慮指針については個別に検証は行わない」と回答されていま
すが、瀬戸市全体の計画を見直すときに各地域が相互に関連し影響を及ぼし合って全
体を構成しているわけですから、各地域別の検証は当然行わなければなりません。各
地域別の検証を踏まえて全体の見直しが行われる必要があるのではないでしょうか。
 
【瀬戸市の回答】
 数値目標の評価につきましては、環境審議会の中でもご意見をいただき、達成と未達成
という表現に変更し、目安として
達成度を示すこととしております。
 また、今回の現計画の見直しにつきましては、リーディングプロジェクト等に重点化した
見直しを行い、地域別環境配慮指針等につきましては、来年度から着手を予定している
2011年以降実施する新たな環境基本計画の作成過程において、検討していきたいと思います。



5.ご回答では、「環境に関する新たな制度、仕組みについて整備することは考えてお
りません」とのことですが、環境審議会において環境アセスメント条例、埋め立て規
制条例等の新たな制度の必要性が求められた場合にも市は整備しない立場をとるので
しょうか。
 
【瀬戸市の回答】
 現段階では、環境に関する新たな制度、仕組みを整備する予定はありませんが、環境に
関する仕組みや制度づくりは、環境
審議会においてもご意見を伺いながらその必要に応じて
検討を行い、整備を進めていくものと考えております。



6.本年6月の瀬戸市議会定例会でのご答弁によれば、「環境基本計画見直しの審議は2
回を予定。1回目は3月に開催した。2回目に答申をいただく」とのことでしたが、答申
の前に、市民意見の反映のために、アンケート調査、説明会、意見交換会等を実施し、
それらを受けて環境審議会で審議を行った上で答申がなされるべきと考えます。
 第1回の審議会の議事録は市のホームページに掲載されましたが、審議会の資料は未
だ掲載されていません。議事録によれば、審議会の資料は公開するとのことですので、
速やかに掲載してください。また、議事録によれば、環境基本計画「年次報告書」も
委員のご意見をうかがうまでには間に合わせるとのことですが、瀬戸市のホームペー
ジには平成18年度以降の年次報告書は未だ掲載されていません。また、環境基本計画
そのものの掲載も「準備中」のままです。ホームページにおいてさえ、環境基本計画
と見直しにかかわる情報がほとんど提供されていない状況です。わずか2回の審議会で
環境基本計画見直しをまとめるようなことのないよう重ねまして強く要請いたします。
 また、環境基本計画見直しにおける幅広い市民意見の反映を目指して、審議会の定
員上限18名まで、あと5名の委員を市民公募により開かれた形で選出し、課題ごとに分
担するなどして充実した検証を行った上で環境基本計画の見直しを取りまとめるよう
切に要望申し上げます。
 
【瀬戸市の回答】
 現行の瀬戸市環境基本計画の見直しにつきましては、現在見直し審議を進めている
ところであり、7月18日の環境審議会において、概ね全体を通した審議を行うことができた
ため、次回の審議会において答申いただく予定となっております。
 なお、環境審議会に関する資料等につきましては、必要な情報はできるだけ速やかに
提供できるよう努めさせていただきます。
 また、環境審議会委員につきましては、今後予定しております新環境基本計画の審議
を行うにあたって、審議会の効率的な運営と議論の活発化にも配慮し、委員の増員や
その際の選出方法等の検討を進めてまいりたいと考えております。


 
 以上、1〜6の点につきまして、環境審議会での情報提供と審議を踏まえたご回答を
お願いするものです。
 誠に恐れ入りますが、ご回答は、2008年7月28日までに文書にてお願いいたします。


*瀬戸市の回答に添付されたワーキング会議についての資料は掲載を略します。


--------------


                                      2008年7月14日
 
瀬戸市環境審議会 様
 
   「瀬戸市環境基本計画見直しについての要望書」についての申し入れ
 
                             瀬戸市の問題を考える市民ネットワーク
                             「瀬戸市にこれ以上産廃はいらない」会
                             紺屋田・印所の森を歩く会
                             鉱山開発から里山を守る会 

 
 私たちは、本年5月15日付で貴審議会あてに別紙の通り要望書を提出いたしました。
 瀬戸市長は、この要望書に対して、「審議会を開催して回答を作成させることは行
わない」として審議会としての論議すら行わないことを表明しました。
 環境基本計画見直しにあたり、広く市民の意見を聴取し、関心を高めることが計画
目標実現にとって重要な事であると考えるものですが、このような一方的な判断は審
議会の役割を無視するものではないかと危惧するものです。
 改めまして環境審議会に対して、前回と同様の要望書を提出しご見解をおうかがい
する次第です。
 (なお、瀬戸市長に対しては、「環境基本計画見直しについての再要望書」を7月14
日付にて提出しております。)
 地球温暖化防止対策と生物多様性保護が国際的にも大きな課題とされています。
「環境万博」といわれた愛知万博開催都市としてどのような環境基本計画の見直しが
行われるのか、多くの注目を引いているのではないでしょうか。また、石原産業(株)
によるフェロシルト不法投棄事件では全国最大規模の被害に遭うなど、「環境万博」
の一方で、瀬戸市に持ち込まれる産廃が一向に減らないどころか増大し、「産廃銀座」
と呼ばれる不名誉な状況が改善されていないことにも強い危機感を抱きます。
 環境問題、社会、経済状況の変化に応じて現計画の抜本的な見直しが行われること
が必要な場合もあるのではないでしょうか。
 環境審議会におかれましては、市民の意見が十分に反映されるよう環境基本計画の
見直しのご審議にお取り組みくださいますよう切にお願い申し上げます。
 なお、誠に恐れ入りますが、ご回答は、2008年7月28日までに文書にてお願いいたし
ます。



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