2008年5月15日
 
瀬戸市長      増岡 錦也 様
瀬戸市環境審議会         様
 
        瀬戸市環境基本計画見直しについての要望書   
 

                         瀬戸市の問題を考える市民ネットワーク
                         「瀬戸市にこれ以上産廃はいらない」会
                         紺屋田・印所の森を歩く会
 
 現在、瀬戸市では、今年3月に「瀬戸市環境審議会」が設置され、「瀬戸市環境基本
計画」の見直しが検討されています。
 2000(平成12)年3月、増岡市長名で公表、策定された「瀬戸市環境基本計画」は、瀬
戸市の環境に対する取り組みの基本的な方向を示したものです。その後制定された瀬
戸市環境基本条例では、基本計画について環境の保全および創造に関する施策を総合
的・計画的に推進するために策定すると定めています。
 環境基本計画の見直しも当然そのような市の環境に対する基本的な理念に則った総
合的・計画的な推進計画として取り組まれ作成されるべきものです。
 そこで、瀬戸市環境基本計画の見直しについて要望と質問を提出いたします。
 

【瀬戸市の回答】

                                       20瀬生第89号
                                       平成20年6月10日

瀬戸市の問題を考える市民ネットワーク 様
「瀬戸市にこれ以上産廃はいらない」会 様
紺屋田・印所の森を歩く会       様

                                      瀬戸市長 増岡錦也
                                             (公印省略)

        瀬戸市環境基本計画見直しについての要望書について(回答)

 平成20年5月15日付けにて要望いただきましたことにつきまして、下記のとおり回答
いたします。

                          記

 今回の要望書は、瀬戸市長及び瀬戸市環境審議会あてに提出されておりますが、環
境審議会は瀬戸市環境基本条例第25条にあるように、市長の諮問に応じて瀬戸市の環
境の保全及び創造に関する基本的事項及び重要事項、環境基本計画の策定及び変更等
について調査審議を行う機関です。本要望に関して審議会を招集、開催し、回答の作
成は行いません。
 このため、本要望に関しては、市から回答するとともに、審議会に対して要望の内
容について情報提供したことをご承知おきください。




1.今回の瀬戸市環境基本計画の見直しは、2000年3月に策定された環境基本計画におい
て、5年経過後に計画見直しが指摘されていただけでなく、瀬戸市環境基本条例に則り
行われるものと考えますが、市、審議会はそれぞれどのようにお考えでしょうか。
 

【瀬戸市の回答】
 環境基本計画の見直しは、現計画において環境問題、社会・経済状況の変化に応じ
て、適宜行うものとしております。このため、第5次総合計画の策定を踏まえ、見直し
に着手したところです。」



2.環境基本計画の見直しについては、環境基本条例第8条にありますように「市民の意
見が反映されるよう努める」ことが求められます。
 市民意見の反映のためには、アンケート調査、説明会、意見交換会等の実施が考え
られますが、市、審議会はそれぞれどのように取り組むおつもりでしょうか。
 

【瀬戸市の回答】
 計画の見直しに当たっては、公募の市民や事業者の方とワーキング会議を行って、
その意見の反映に努めてきたところです。


3.環境基本計画の見直しについての関心を高めていくためにも環境審議会の公開はか
かせません。審議会の開催日時、場所、議題については少なくとも4週間前には公表
し(記者発表、瀬戸市広報掲載、市ホームページ掲載等)、広く市民の傍聴を募集する
ことや、会議資料を公表し、議事録についても2週間以内には公表するよう要望いたし
ます。
 

【瀬戸市の回答】
 審議会の公開などについては、「瀬戸市附属機関等の設置及び運営に関する指針」
に沿った形で進めていくものと考えております。



4.2000年3月の瀬戸市環境基本計画では、「市が目指すべき環境像の実現に向け」「二
酸化炭素排出量の削減」など14項目についての数値目標が設定され、環境施策として
取り組むことになっていました。これらの項目についてはどのような達成数値となっ
ているのか、項目毎に具体的数値を公表するべきと考えますが、市、審議会はそれぞ
れどのようにお考えでしょうか。
 また、「目指すべき環境像実現に向けての先導的役割を果たす施策」としてリーディ
ングプロジェクトが定められていました。「良好な自然を守るプロジェクト」等とし
て16項目についての事業の推進が掲げられています。これらの事業についてどのよう
な結果となっているのか、現状についての評価を行う必要がありますが、市、審議会
はそれぞれどのようにお考えでしょうか。
 これらの2点については当初の環境基本計画と比較して現状はどのようになっている
のか、なぜこのような現状となっているのかを検証した上で、今後どのように取り組
むのかを検討しなければならないと考えますが、市、審議会はそれぞれどのようにお
考えでしょうか。
 さらに、第1回環境審議会に提出された「瀬戸市環境基本計画の見直しについて(重
点対策と推進体制)」のp.1、2においては「諸事業の開発等により緑地が一部減少」と
の表現で瀬戸市の環境の現状についての記述が済まされていますが、例えば、環境基
本計画において『都心部に残されてきたまとまりある樹林地としての保全に努め、陶
祖公園と一体となった活用や、緑地景観の保全に配慮する』と指定されていた印所・
紺屋田地域において、環境基本計画に反し、住民の反対にもかかわらず、大規模な鉱
山開発が新たに容認され、開発が進められてしまったのはなぜなのか具体的な検証が
なされることのないままで、環境基本計画の見直しはできません。この事例を含め、
この間の瀬戸市における環境問題の事例についてそれぞれ具体的に検証を行い、それ
を踏まえた上で環境基本計画の見直しを行うべきと考えますが、市、審議会はそれぞ
れどのようにお考えでしょうか。


【瀬戸市の回答】
 数値目標及びリーディングプロジェクトに関しましては、現状の把握と評価を行い、
これに基づいて見直しを進めてまいります。資料についても公表できるように努めて
まいります。
 なお、地域別の環境配慮指針については、個別に検証は行いません。



 
5.フェロシルトの違法リサイクル、埋め立て、産廃処分場の増加は市民生活に大きな
被害をもたらしました。このような被害を二度と繰り返さないための今後の取り組み
として、環境基本計画のリーディングプロジェクトとして法的な整備の取り組みは必
須です。その中では、特に、市民が土壌や大気、水質の汚染や悪臭等環境影響に気づ
いて市に通報した際、速やかに水、土、大気質等を検査し原因の究明を行うような制
度づくりといった環境汚染の初期における適切な対応が保障されるような仕組みの検
討も重要です。
 このようなことから、瀬戸市として環境アセスメント条例、埋め立て規制条例、自
然地形改変・造成を規制する景観条例等の制定、実効性のある環境影響の検査制度づ
くりをリーディングプロジェクトとして取り上げるよう強く要望申し上げるものです
が、市、審議会はどのようにお考えでしょうか。


【瀬戸市の回答】
 環境に関する仕組みや制度づくりは、その必要に応じて検討を行い、整備を進めて
いくものと考えております。現時点では、要望に示されるような新たな制度、仕組み
を整備することは考えておりません。


 
6.環境基本計画の中間見直し年であった2005(平成17)年より既に2年以上が過ぎていま
す。基本計画の見直しだけでなく、第二次環境基本計画作成に向けた取り組みが始め
られてもよい時期です。常設された環境審議会において、瀬戸市の良好な環境の継続
的な保護・保全に向けた取り組みが求められています。市民参加と情報公開の原則に
立ち、市民に広く開かれた形で第二次環境基本計画が作成されるべきと考えますが、
市、審議会はそれぞれどのようにお考えでしょうか。
 

【瀬戸市の回答】
 現行の環境基本計画の期間である2010年以降の環境基本計画については、そのあり
方も含めて、環境審議会等で意見をお聞きしながら取り組みを進めていきたいと考え
ています。また、計画作成に当たっては、環境基本条例等に則って情報の公開、市民
の参加を進めていくものと考えています。



 以上につきまして、2008年5月30日までにご回答くださいますようお願い申し上げます。
 

 
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