2007年3月27日
瀬戸市幡中町地区フェロシルト撤去方法等検討会 委員各位
愛知県知事 神田 真秋 様
瀬戸市長 増岡 錦也 様
石原産業株式会社 代表取締役社長 田村 藤夫
様
要 望 書
「瀬戸市にこれ以上産廃はいらない」会
瀬戸市の問題を考える市民ネットワーク
私達はこれまで、石原産業により、瀬戸市に不法投棄された放射性物質や六価クロ
ム、フッ素等の有害物質を含む産業廃棄物・フェロシルトの全量完全撤去及び、その
際市内・県内でフェロシルトを処分させないよう、愛知県知事及び瀬戸市長が厳正な
措置を実行することを求めて署名を添えて要請を続けてまいりました。署名は、総計
約7千筆に及びました。
それにもかかわらず、瀬戸市北丘及び余床地区の約13万トンは、既に同じ瀬戸市内
ですぐ近くにある余床町のクリーン開発処分場に搬入。下流域の住民からは、放射性
物質等による水質汚染等への不安の声が高まっています。更に今回、フェロシルト事
件で最大投棄量の幡中地区のフェロシルトも、結局、また、石原産業が提出したクリー
ン開発処分場への搬入計画を、県も市も了承、受理する方向で進められています。
なぜ、最大規模のフェロシルト不法投棄の被害に遭った瀬戸市だけが、同じ市内に
膨大な量のフェロシルトを受け入れなくてはいけないのでしょうか。全国各地の処分
場周辺の住民の反対が強く、処分場の確保が進まなかったフェロシルトを、瀬戸市民
が大量に受け入れたとなれば、今後、更にこのような放射性物質を含む廃棄物がどん
どんやってきてしまいます。
「瀬戸市幡中町地区フェロシルト撤去方法等検討会」の皆様、石原産業が提出した
今回の撤去計画は地元菱野自治会以外には全く周知されておりません。瀬戸市民、特
に幡中地区周辺住民はもちろんのこと、クリーン開発処分場への搬出経路周辺住民及
びクリーン開発処分場周辺とその下流域の住民は、皆、フェロシルトの飛散による体
内被爆や、水域への放射性物質(ウランやトリウム)の流出、そのほか有害物質による
環境汚染に大きな不安を感じております。実際に、搬出経路が地域住民に事前に相談
もなく設定されていたことに対し、瀬戸市の山口地域の自治会の代表者と近隣小中学
校のPTA会長らが、こどもたちの安全を守る為に、経路の変更を強く要請し、結果とし
て、現在の搬出経路案に変更されたという経緯もあります。瀬戸市では、昨年11月に、
フェロシルトを運搬するダンプに爆発物を仕掛けたと予告電話があり、県警の捜査で
ダンプにつけられたバッグの中身はコンクリ片と判明した爆破予告事件がありました
が、その際に、近隣の道路が封鎖され、迂回路に通行車両が集中して、そこで一人の
小学生が車にはねられて死亡するという痛ましい事故も起きています。
特に愛知県及び瀬戸市当局におかれましては、住民の健康、安全、安心を守ること
が第一義的な責務でありますから、住民が安心して日常生活を送り、健康や安全が脅
かされないよう予防原則に立った最大限厳正な措置をとるために、以下の点を実施す
るよう強く要請いたします。
要望事項
<1>不法投棄されたフェロシルトを選別せず全量完全撤去するよう厳正に対処してくだ
さい。
今回の撤去計画で、瀬戸市内たらい回し処分となる同市内処分場への搬入とされて
いることはもちろん納得できませんが、石原産業が裁判で主張していた150〜200万ト
ンとも言われる撤去量が、今回の撤去計画では、26万トンに急減していることも、お
よそ納得できるものではありません。
農薬廃液等も混入したフェロシルトは投棄されてから何年も経って、雨水の浸透に
より、有害物質が土砂に混ざり合っているおそれがあり、見た目や六価クロム、フッ
素等だけのチェックで安全な土砂と選り分けることは困難です。
愛知県が石原産業に対して行ったフェロシルトの撤去を求める措置命令にも、フェ
ロシルトはもちろんのこと、フェロシルトにより汚染された土砂等についても全て最
終処分場に処分することは当然と述べています。
他の自治体で行ったように、不法投棄フェロシルトは石原産業が持ち帰るなど当該
自治体外へ撤去するよう厳正に対処してください。
<2>撤去作業中、撤去後の環境影響に厳正に対処してください。
撤去期間が長期に渡るため、雨水対策、排水対策には万全の管理をさせるよう厳正
な措置を講じてください。
フェロシルトの形状を考慮し、撤去現場や搬出中及び搬出先での粉塵対策と飛散防
止対策に万全の管理をさせるよう厳正な措置を講じてください。
愛知県及び瀬戸市が、責任を持って、クリーン開発処分場の下流域の水、土壌の放
射性核種分析検査を実施し、速やかに公表してください。
<3>このまま、本検討会で今回の撤去計画を了承する前に、搬出経路周辺住民に対して
説明会を開き、充分周知してください。このことについて、愛知県及び瀬戸市は責任
を持って事業者に要請すると共に、事業者が実施しない場合は、自ら責任を持って周
知を実施してください。
<4>このまま、本検討会で今回の撤去計画を了承する前に、クリーン開発処分場の下流
域の住民(水野地区)に対して説明会を開き、充分周知してください。このことについ
て、愛知県及び瀬戸市は責任を持って事業者に要請すると共に、事業者が実施しない
場合は、自ら責任を持って周知を実施してください。
<5>フェロシルトの瀬戸市内でのたらい回し処分をしないでください。
以上、5点の要望につきまして、2007年4月10日までに責任ある回答をくださいます
ようよろしくお願い申し上げます。
以上
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