瀬戸の砂防施設保存で住民、県有林の保全求め県会に陳情 <毎日新聞 2004年9月29日>
 瀬戸市東印所町に残る明治期の砂防施設「ホフマン工事」を有形文化財に指定し、周辺の県有林を公園として整備するよう訴えている同市の住民グループが28日、開会中の県議会農林水産委員会で、県有林の保全を求める陳情を行った。
 砂防施設は、東京帝大教授だったイタリア人アメリゴ・ホフマン氏の指導で1905(明治38)年、木のさくや石組みなど自然の材料を使って建設された。現在もほぼ当時の姿を残し、砂防の役割も果たしているという。
 陳情書によると、施設は近年、学術遺産としての評価が高まり、県も愛・地球博(愛知万博)の記念イベントを現地で計画するなど、「有形文化財として指定する機が熟している」という。陳情した「鉱山開発から里山を守る会」の藤野純子さんは「県有林内でガラス原料の採掘計画があるなど、県の対応は矛盾している」と訴えている。県農林水産部は公園整備について「現状では白紙」と話している。【浜名晋一】

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