<プレス発表>

「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価)報告書(その2)」及び「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(モニタリング調査)報告書(平成14年度)」に対する経済産業大臣助言について

                                 平成15年11月14日

                               経済産業省

 本日、「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価)報告書(その2)」及び「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(モニタリング調査)報告書(平成14年度)」について、財団法人2005年日本国際博覧会協会に対して行った経済産業大臣の助言は別紙のとおり。

      【問い合わせ先】経済産業省博覧会推進室 中尾、加藤、田中、垣本

              TEL:直通03−3501−0289

別紙

「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査( 予測・評価) 報告書( その2 ) 」及び「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査( モニタリング調査) 報告書( 平成14年度) 」に対する経済産業大臣助言

 2005年日本国際博覧会については、2005年日本国際博覧会協会( 以下「博覧会協会」という。) により、追跡調査が実施されているところである。

 博覧会協会は、経済産業省が策定した2005年日本国際博覧会環境影響評価要領に基づき、「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査( 予測・評価) 報告書( その2 ) 」及び「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査( モニタリング調査) 報告書(平成14年度) 」を平成15年9月19日付けで経済産業大臣に提出した。当省は、同要領に基づき環境大臣に対して同報告書を送付し、これに対し、平成15年10月31日付けで環境大臣より環境保全の見地からの助言が提出された。

 経済産業大臣として、環境大臣助言を踏まえ、環境保全の見地から以下のとおり助言する。

1 . 報告書に対する助言

@ヘリコプターの利用に当たっては、ヘリコプター利用により緩和される環境影響等への効果を具体的に明らかにするとともに、騒音の低減に向けた措置を講ずること。

A会場間ゴンドラについて、乗客の安全対策等の観点から、新たに地形の改変が必要となり樹木を伐採する場合は、その場所の周辺環境への影響を最小限にするよう直接改変域を設定すること。

B直接改変域における会期終了後の植生復元については、森林の管理者の管理方針と整合を図るとともに、周辺植生への影響をできる限り低減するために、具体的な方法の検討を行うこと。

C猛禽類について学会等で営巣適地に関する知見が得られつつあり、また、追跡調査においても営巣環境に関するデータが集積されつつあるので、今後の追跡調査の中で、さらに営巣に関する科学的な解析を行うこと。

D会場間ゴンドラにおける景観への配慮については、管理用道路及び工事用道路設置のために必要な地形の改変や樹木の伐採を回避しているが、これはその地域に形成された自然景観(地域性)の保全に資するものであり、その方針を維持すること。

E会場整備工事の本格的な進捗を踏まえ、これまでの環境影響評価書・追跡調査報告書等の内容に照らして、地域の環境に対する総合的な影響のモニタリングについて、引き続き十分な取り組みを行うこと。

Fまた、平成15 年10 月31日付けの環境大臣助言(別添)において述べられた事項についても適切な対応を検討すること。

(別添)

「2005 年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価)報告書(その2)」及び「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(モニタリング調査)報告書(平成14年度)」に対する環境大臣の助言について

 2005 年日本国際博覧会に係る環境影響評価については、平成14 年5月に「2005 年日本国際博覧会に係る環境影響評価書(案)」に対する環境大臣意見(以下、「平成14 年環境大臣意見」)、平成15 年5 月に「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価)報告書(その1)」に対する環境大臣助言を述べたところであり、これについては引き続き適切に対処される必要がある。この意見に加え、今般、「2005 年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価)報告書(その2)」(以下、「追跡調査報告書」)、「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(モニタリング調査)報告書(平成14年度)」(以下、「モニタリング報告書」)が送付されたことから、環境保全上必要な助言を下記のとおり述べるものである。

                    記

1 「2005 年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価)報告書(その2)」

(1)ゴンドラの7号支柱の工事に伴うヘリコプター騒音に関しては、工法の変更等を通じた資材の減量等による運行回数の低減、より低騒音となる機種の採用等の対策を騒音が最大限低減されるよう総合的に検討すること。また、その結果に基づき対策を実施すること。

(2)ゴンドラの計画路線の周辺には、オオタカ等の貴重な動植物が生息することから、平成14 年環境大臣意見の中「4 具体的な環境モニタリング計画の策定及びそれに基づく対応」に基づき、工事中、供用時において適切な措置を実施すること。

2「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(モニタリング調査)報告書(平成14年度)」

(1)湧水について、追跡調査計画に定められているところにより適切にモニタリングを実施すること。

(2)今回のモニタリング報告書において、一部の沿道における二酸化窒素濃度が環境基準値を超過する等の高い水準にあることが判明したことから、今後、工事中及び供用時において、二酸化窒素に係る環境影響を可能な限り軽減するため、次のような措置を実施する必要がある。

@「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価書」あるいは追跡調査報告書に記載されている環境保全対策の実施にあたっては、工事の平準化や資材等の搬出入ルート・時期の分散化の徹底、鉄道等の公共交通機関へ来場者の積極的な誘導の徹底、シャトルバスへの低公害車の積極的な導入、より環境への負荷の小さい業務用車両の利用の要請の強化等について、最大限の効果が得られるよう具体的な内容を十分検討し、その結果に基づき強力に推進すること。

A@の対策に加え、工事中及び供用時、円滑な交通の確保や自動車交通の抑制のための対策について、関係機関と連携して検討し、実施されるよう措置すること。

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