「富山港線探訪と路面電車を考えるつどい」に参加
 
富山共同作業所ラッコハウス機関紙「宇宙(そら)」2003年8月1日号より転載
 
 昨年の6月に開催された「公共交通をよくする会」のシンポジュームで話をさせていただいて以来、魚津からJRを利用して、電動車イスにてラッコハウスに通っている広田君は、自分では、ただ普通にやっていることが地域社会の人々の意識を変え、また社会設備も変えていっている事を実感するようになりました。そして、このように自分の体を使って、自分にできることを一生懸命すること、これこそが自分が社会に貢献することであり、今以上にもっと社会の人たちのお役にたてることはないだろうかと思うようになりました。
 この度、「公共交通をよくする会」では、7月21日「富山港線探訪と路面電車を考えるつどい」を企画し、その内容は、みんなで富山港線に乗り、岩瀬の街を歩いて歴史を学び、カナル会館でシンポジュームの開催でした。
 思いもかけず、たいへん多くの方々の参加者にまじって、広田君はもちろんのこと、今回は同じく車椅子を使用している南保君や、以前から社会や政治に興味があり、独自の意見を持っている竹内信之君も参加し、初めて富山港線に乗り、岩瀬の街も初めて行った場所で、何もかもが初めての体験だったとのこと。
 富山駅の富山港線乗り場の8番ホームと、シンポジュームが行われたカナル会館の2階には、エレベータやエスカレーターの設備がなく、JRの駅員さん及び参加者の皆さんに車椅子の上げ下ろしをお願いして皆様方に助けられての行程でした。手伝っていただいた皆さん!本当にありがとうございました。また、車椅子の人といっしょでなければ気が付かない社会設備の不備をあちこちではっけんなさった事と思います。これからの社会設備の改善に何卒ご協力の程よろしくお願いします。
 今回、ちょっと気になることを小耳にはさんだのですが、以前ある障害者団体が、JRとか地鉄に対して、わざと突然押しかけて、設備不備や対応が行き届いていない等を理由に抗議の対象にされたことがあり、今まで正直言ってあまりよい印象を持っていなかったとのこと。しかし、ラッコハウスの皆さんと関わるようになってから、少しづつイメージが変わって来たとおっしゃっていました。まだまだ障害者が普通に生活するには、不十分な点は多々ありますが、「公共交通をよくする会」方々といっしょに社会活動をさせていただく中で、すこしづつご理解いただき、社会設備や人々の意識が変わっていくことを願っています。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。