2004年1月19日付で富山市の富山市都市整備部・新線・富山駅周辺整備課から、昨年12月18日の「富山港線路面電車化検討委員会中間とりまとめについて、さらに、ご検討をすすめて頂きたい件に関する申し入れ」に対する「回答」が届けられました。その「回答」を掲載します。
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                       2003年12月18日の申し入れ全文は ここから
 
富山港線「中間とりまとめ」に関する「申し入れ」への
富山市の「回答」
 
 富山市の「回答」前文
 少子・高齢化、環境問題が深刻となる中で、持続可能な社会の実現にはコンパクトなまちづくりと共に公共交通と自動車の役割分担を図り、社会全体として効率的なまちづくりを進めることが必要であります。本市には、地方都市としては有数の鉄軌道があることから、公共交通を活用したまちづくりにあたっては、輸送効率や定時性に優れ、エネルギー効率が高く、環境負荷の小さい鉄軌道を軸として公共交通体系を整備することが重要でありますので、新幹線富山駅整備などのこの時期を捉え、富山港線の路面電車化を図るものであります。
申し入れ内容 回  答
、「中間とりまとめ」は、最もふさわしい経営形態として第3セクター化の方向を打ち出されました。しかし、貴職が議会などで明らかにされてきた「JRの責任」については、「現富山港線の事業者として大きな役割を果たすことが期待される」にとどまっています。
 当「会」のアンケート結果をみても77.9%(参加すべき、何らかのかたちで参加)がJR西日本の経営参加を求めています。この市民の願いをいかして頂きたいこと。
 現在の事業者であるJR西日本には、路面電車化の実現とその後の健全な経営を行っていくために、果たすべき役割・責任には大変重大なものがあり、十分な貢献をして頂きたいと考えております。市といたしましては、この様な考え方をもとにJR西日本と協議を重ねており、早期に具体的な協力内容を詰めていきたいと考えています。


 
、初期投資額は約45億円で、内訳は新車両導入に約16億円、綾田北代線の拡幅などに9億円、ホームや変電所の施設設備に約20億円(「富山新聞」11月28日)となっています。
 この施設設備投資額約20億円は、JR資産の買い取りを含むのかどうかは不明確ですが、仮に、JR西日本が第三セクターに参加しないとなれば鉄道資産の無償譲渡を求めること。
1、の回答と同じ。






 
、富山市の具体的な支援については明確になっていません。万葉線やえちぜん鉄道のように「上下分離方式」を採用し富山港線の経営安定をはかること。

 
 富山港線の路面電車化に必用な初期投資をすべて事業者に負担させることは、事業経営そのものが困難なものになると考えられます。こうしたことから、健全経営を維持していくてためには、路面電車化に必要な施設設備については行政の支援が不可欠と考えております。
、富山駅内に停留場(新設駅)を設置すること。



 
 現状では富山駅北口の広場内に必要であると考えております。高架化完成後は、公共交通利用者の利便性を図り、交通結節点として、高架下での新駅の設置を検討して参りたいと考えております。
、需要予測について、競輪送迎バス廃止、将来の市電との接続、利便性の向上などの施策をすすめることで約5000人/日程度まで増加すると予想し、平成32年で約4800人/日の需要を見込み、開業時は約4200人/日としています。この需要予測を現実なものとしていくためにも
@ 富山駅高架化工事完成までは仮設線路等による市電との連絡運行を検討すること。
 
 仮説線路等による市電との連携運行につきましては、北陸本線の横断が前提となることから、都市計画道路堀川線や大泉線などでは、路面電車が通るための空間確保など困難であり、現状では市電との接続は不可能であります。しかしながら、市民の皆様から期待されている路面電車の南北の接続につきましては、富山駅周辺整備を含め、出来る限り早期に実現できるよう、努力して参りたいと考えております。
のA 富山港線沿線のバス路線と富山港線の連携強化によるバス&ライドやサイクル&ライドを沿線住民や富山港線利用者の声をいかして急いで推進すること。  バス&ライドやサイクル&ライド等の乗り継ぎの利便性の向上、沿線地域の都市開発の促進等、市としても総合的な方策を考えていくことが必要と考えております。
のB 昨年、今年と福井県勝山市では、市・鉄道事業者・市民団体・学者研究者による「鉄道まちづくりシンポジウム」が行われています。これも参考に市民、利用者、商店街、交通労働者、交通事業者の代表などによる「市民委員会」(仮称)を早急に立ち上げること。






 
 富山港線の路面電車化については、沿線校区への説明会、アンケート調査の実施、シンポジウムの開催、沿線住民への説明会、ホームページの開設、出前講座など、いろんな場を通じて、ご意見を頂いているところであり、今後とも、十分な説明会等を行い、路面電車化を進めて参りたいと考えております。
 さらに、「富山港線を育てる会」が創設され、市民レベルの活動がスタートしたところであり、市としても積極的に支援していきたいと考えております。
 従いまして、新たな「市民委員会」の立ち上げは考えていないところであります。
のC 新設ルートについては、沿線市民の意見を汲み上げ合意形成を図るとともに、富山港線の路面電車化にかかわる全工事期間を通じて適時「市民公聴会」を開催すること。合わせて、地元新聞紙上での意見交換の場を設け、市民とのコミュニケーションをはかること。
 
 富山港線の路面電車化については、沿線校区への説明会、アンケート調査の実施、シンポジウムの開催、沿線住民への説明会、ホームページの開設、出前講座など、いろんな場を通じて、ご意見を頂いているところであり、今後とも、十分な説明等を行い、路面電車化を進めて参りたいと考えております。
路面電車の運行にあたっては、安全運行のための基準を確保し、労働者には労働基準法の厳守で、利用者が快適に安心して利用できるようにすること。  路面電車の運行にあたっては、安全運行のための基準を確保し、労働基準法を尊守し、利用者が安全で安心して利用できるよう考えております。
 
、各駅と現行のJR用地の活用について、各町内会など住民の総意をいかした施設などに活用すること。街の名所・観光などを考慮した案内板の設置をおこなうこと。
 また、富山港線と富岩運河を活用した回遊性のあるまちづくりをすすめること。
 
 富山港線の路面電車化に伴い、駅周辺地区は、利便性が高まり、地域の拠点として、北部地域のまちづくりや観光振興等に大きな役割を果たすことが期待されます。また、新たに設立される第三セクターにおいて、駅周辺の活用を検討する際には、各地域でのご意見・ご要望に配慮するよう調整して参りたいと考えております。
、JR線から路面電車するにあたっては、2週間程度の運休期間を設け代替えバス運行をすると承っています。運休せずに路面電車への切り替えができるよう検討されたいこと。
 
 路面電車化にあたっては、行違い設備、新駅等の設置や運転士の習熟運転などによりバス代替の期間が必要でありますが、市といたしましても、極力その期間を短くできるよう関係機関と調整して参りたいと考えております。