「孫 ひ孫の時代にも維持可能な並行在来線を実現するための申し入れ」に対する富山県の回答
 
 2011年3月28日付で、富山県知事政策局総合交通室より、北陸新幹線・並行在来線問題連絡会の「申し入れ」(全文)に対する「回答」がありましたのでご紹介します。(「回答」は原文のまま)
 
■「申し入れ」1項、2項、3項について一括で「回答」
(答)
 並行在来線のJRかにの経営分離については、平成2年の政府与党申し合わせに基づき、本県も、北陸新幹線の実現のためやむを得ず同意してきたものであるが、並行在来線については、先行県では大幅な運賃値上げが行われるなど、厳しい経営状況にあり、本県区間についても厳しい収支が見込まれることから、並行在来線の経営安定のために、まずは国における将来の枠組みの再検証、見直しが必要であることについて訴えている。具体的には、昨年1月の「8者会議」や2月の整備新幹線問題調整会議、またそれ以降もあらゆる機会を通じて、関係方面に対し、@鉄道・運輸機構の特別業務勘定の利益剰余金やJRからの貸付料等により、並行在来線の経営支援を行うべきこと、A当面、例えば敦賀開業まで、現行のままJRが運行するという考えもあること等についても言及し、検討、見直しを働きかけてきている。
 その結果、鉄道・運輸機構の利益剰余金の一部を財源として活用することにより、貨物調整金を拡充して並行在来線の支援に充てる方針が国から示されたことは一歩前進であるが、今後とも引き続き、貸付料の並行在来線への活用等について、県議会、関係県、経済界等とも連携を図りながら、政府等の関係方面に働きかけてまいりたい。
 他方、県民の通勤・通学の足を守るため、平成26年度末の開業に向けた準備が遅れることのないよう、並行在来線に関する検討をさらに着実に進める必要があり、平成2年の政府与党申し合わせの見直しについて国やJRが合意に至っていない以上、本県としては、平成24年度中の会社設立に向け、会社形態などの基本的事項を決めていく時期に来ている。先般、並行在来線対策協議会幹事会において、経営の基本方針の素案がとりまとめられたところであり、今後、県議会をはじめ、県内市町村、経済界等のご意見を踏まえ、また県民の皆様のご理解も得ながら、関係県とも連携・調整を図りつつ、協議会において基本方針を決定してまいりたい。
 
■「申し入れ」4項、7項について一括「回答」
(答)
 本県においては、これまで他県に先駆けて並行在来線の将来需要予測を踏まえた収支予測を行うなど、開業に向けた準備が遅れることのないよう県並行在来線対策協議会において着実に検討を進めてきている。これらの調査を踏まえ、先般の幹事会において、経営の基本方針の素案が取りまとめられたところである。
 この素案では、運営会社の経営形態について、@経営に関する意思決定が迅速にできること、A地域密着型のダイヤ編成により利便性の確保が容易であること、B運営支援に対する県民の理解が得られやすいことから単独会社とする方向としつつ、列車の運行については、県境を跨ぐ旅客の利便性や貨物等の円滑な運行を確保するため、県境を越える列車の相互乗り入れ等について、隣接県やJRとの協議を進め、連携して取り組んでいくこととしている。また、初期投資等に係る公的支援を想定しつつ、上下一体方式とする方向としながらも、他の方式とも比較しつつ総合的に検討を進めることとしている。同時に、なるべく並行在来線の経営を上下含めて総合的に捉えることで、並行在来線の更なる経営支援策を国に求めていきたいと考えている。
 今後、この素案をもとに、県並行在来線対策協議会において十分議論をいただき、基本方針を定め、来年度には、これまでの調査の精度を上げるため、収支予測等を改めて精査したうえで、初期投資や出資の規模、運賃水準などの経営計画概要をとりまとめ、幅広く県民のご意見をいただきながら、24年度の会社設立につなげていきたい。
 
■「申し入れ」5項の「回答」
(答)
 国の「整備新幹線の基本方針」に並行在来線へのJRの協力や支援等が盛り込まれたところであり、国交相で開催された整備新幹線問題調整会議においても、貸付料の並行在来線への活用とともに、JRによるこれまで以上の人的支援や運営への協力、関与が必要であることについて、強く訴えたところである。
 今後とも、国等の動向を注視しながら、並行在来線運営へのJRの関与や十分な協力について求めていくとともに、沿線他県との連携協力も務めてまいりたい。
 
■「申し入れ」6項の「回答」
(答)
 北陸新幹線に関する諸課題を議論する場として、昨年1月に本県の働きかけにより、新潟・石川・長野各県や国土交通省、鉄道・運輸機構、JR東日本、JR西日本のトップからなる「8者会議」が設置され、実務者による専門部会を2回開催するとともに、昨年12月には2回目の8者会議を開催するなど、関係県が連携していけるよう、できる限りの努力と配慮をしている。
 
■「申し入れ」8項の「回答」
(答)
 これまでも、沿線県が連携して、部長級や課長級の協議をすすめており、今後とも開業に向けた準備が遅れることのないように着実に協議を進めてまいりたい。
 
■「申し入れ」9項の「回答」
(答)
 これまでも並行在来線対策協議会の調査・検討等を県のホームページに掲載しているほか、幹事会において、市町村や各経済団体のほか県婦人会や県高等学校PTA連合会、さらに県自治会連合会などからご意見を伺いながら進めてきている。
 今後、幹事会でとりまとめられた経営の基本方針素案をもとに、協議会で十分ご議論をいただいて基本方針を決定し、さらに並行在来線の収支予測の精査をしっかり行ったうえで、出資規模や運賃水準など経営面の課題と併せ、経営計画概要をとりまとめることとしており、県議会をはじめ、県内市町村、経済界等のご意見を踏まえ、またパブリックコメントなど県民の皆様から幅広くご意見を伺いながら、関係県とも連携・調整を図りつつ、検討を進めてまいりたい。
 
■「申し入れ」10項、11項、12項について一括「回答」
 いわゆる枝線について、JRは、北陸新幹線開業に伴って経営分離する並行在来線に該当せず、経営分離する考えは持っていないとしており、他の一般の鉄道路線同様、今後ともこれまでどおり運営されてくべきものと考えている。
 ただ、その一方で、氷見線、城端線の利用客数が年々減少傾向にあること、また、これらの線は、北陸新幹線高岡駅(仮称)の二次公共交通としての役割が期待され、沿線地域は、越中・飛騨広域観光圏の指定も受けていることから、その利用活性化を図っていくことが、今後ますます重要になっていくものと考えている。
 また、並行在来線は、沿線地域の通勤・通学等の足であるとともに、城端・氷見線等の支線が接続し、県内全域の地域ネットワークが結節する中心的存在となっており、並行在来線を含めた本県地域交通全体の利用促進を図ることが必要と考えている。