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ファクトリー活動記録、ワークショップグループC
活動形態:演劇ワークショップ
会場:新宿村スタジオ
(*FはFメソッドの基本用語。自在性と自由性を指す。)
○本日のメニュー
1、ストレッチ
2、Fメソッド基礎T
●2人1組になり、その場で交流。
●2人1組になり、交流しながら動く。
●2人1組になり、その場で交流。
●鏡に向かって確認。
●左右の体重移動。
Fメソッド基礎U
●4人1組になり声だけで「すばらしいわ・・・」発語。
●4人1組になりその場で「すばらしいわ・・・」発語。
●4人1組になり空間をつかって「すばらしいわ・・・」発語。
3、お話…声について
4、休憩
5、Fメソッドコア
●また割りの姿勢で8割の力で発語。
●両手を前に出して、爪先立ちでお尻を10cmあげてしゃがんだ体勢で
発語。
●膝をつき、手は上に、顔を上げ天井を見上げた体勢で発語。
●F基本運動→チェンジ→基本テクスト発語。
●2組に分かれて、基本運動→チェンジ→指定テキスト発語。
6、お話…日本語の独自性、Fメソッドについて
○詳しい内容
2、Fメソッド基礎T
2人1組になり、腰の回転を使った動きを中心に、相手との気の交流を
して、相手を受けたり自分から仕掛けたりしながら、動きの強弱を変え
て行う。場所は移動しない。
次に、以前からFメソッドをやっている人で2人1組になり、最初のも
のに場所移動を含めた動きを行った。何回かその場でお互いの動きを合
わせていき、動ける間ができたら、片足をゆっくり前に出し、そして腰
を中心にした回転運動でお互いの位置を入れ替わる。そしてまたその場
で気の交流を行うのが基本的な動き方になっていた。動きのスピードは
その時によって違う。スペースを広く使って動く。
今度は4月以降にワークショップに参加した人たちで2人1組になり、
最初のものにその場の足の移動を加えた動きを行った。
Fメソッドは腰をいれて動かないと、回転での移動や、スローの動きに
急に変わったときなど即座に対応ができない。2人1組で行うときは、
始めのうちは相手の見た目のスピードにあわせ動きの強さを変化させて
いく。そして徐々になれてきたら、お互いの内面の動きを感じて動いて
いく。1人の世界に入ってしまうのではなく、相手を感じていくことが
大切なのだと思った。
Fメソッド基本運動(ファリファリ)
次は個人で鏡に向かって立ち、Fメソッドの動きで腰を中心にした回転
運動の動きを、それぞれが確認した。たまに鏡を見て自分がどのように
動いているのか、腕に力が入りすぎていたり、その逆でふにゃふにゃに
なりすぎてしていたりしないか、きちんと腰が入っているかなどを確か
めた。動きのスピードにも強弱をつけ、動きにブレーキをかけて惰性で
うごいたり、速いスピードで動いたり、それぞれが様々に動いた。
そして、左右の体重移動の動きを鏡に向かって行いそれぞれで確認し
た。この動きは、左右へ体重移動をしながら、背骨を波のようにゆっく
り柔らかく動かし、徐々にねじりを加えていく。いつもこの動きをやっ
ていると、どんどんと体がほぐれていき、水の中にいるような気になっ
ていく。
Fメソッド基礎U
4人の組を作り円になって、テクスト「すばらしいわ」「こわいわ」
「どうしたのさ」「壊れちまいそう」の4フレーズを使い、それぞれ1
人1つの言葉を言っていく。前の人の言葉を受けて自分の言葉を言わな
ければならないので、ただ言うのではなく、4人で流れを作り、感じな
くてはいけない。流れを感じ、いろいろなバリエーションで組み立てを
していく。
次にその場での動きを加えて行った。体を声にあわせて早く動かした
り、ゆっくり動かしたりした。力の入り方によっても、声や動きか違っ
てくる。頭で考えるのではなく、体で反応して動かなければいけないと
思った。
今度は選抜された4人が空間を使っての動きを加えて行った。声の組み
立ても大切だが、空間の組み立ても大切だと思った。その時の自分の入
れるポジションをうまく見つけないと、変に間が抜けてしまうと思っ
た。単調にならずに色々な変化を加え、全員で流れを感じ、どんなこと
にも柔軟に対応できるようにしなくては、と思った。
3、お話…今回は「声」についてだった。
声はみんなが同じではなく、個人個人の声がある。そのため、同じ台詞
を言っても様々なバリエーションが生まれてくる。伝統演劇の能や歌舞
伎(肉体演劇と言われている)にはそれぞれの型がある。しかし、個人
の持つ声の違いによって同じ演目を行っても、まったく同じにはならな
い。伝統演劇の中でも浄瑠璃と義太夫の声の表現力はすごいものがあ
る。しかし、その芸を習得するには長い年月と努力を必要とするので、
「やっとスタートラインに立った」と思ったときにはかなりの高齢にな
ってしまう、という。
5、F基本発語・・基本テクストを使っての稽古…
また割りの姿勢になり、全員が8割の力でセリフを言う。息の使い方、
姿勢に気をつける。腰を落として、腹から声を出す。
次に両手を前に出して、爪先立ちでお尻を10cmあげてしゃがんだ体勢
でセリフを言った。次第に足が震え、お尻を下げたくなりながら必死に
セリフを言った。そのせいか、声に迫力があった気がした。言い終わっ
たときには前へ崩れるほどに足が疲労していた。
今度は膝をつき、手は上に、顔を上げ天井を見上げた体勢でセリフを言
った。声の出しにくい体制なので、体の状態を探りながらセリフを言っ
た。
まずは5回、体勢を鋭くチェンジして基本テクスト発語。テンションが
次第に高くなっていくのに気がつく。内側から変化を加えていく。そし
て、F基本運動から3回チェンジで基本テクスト発語。体の一部に負荷
をかけ、声を変化させたりしながら。
2組に分かれ、片方が行い片方がそれを見る。まずは基本動作からチェ
ンジ3回で基本テクスト発語。セリフをただ言うのではなく、組み立て
ながら行う。次に基本運動からスローな動きになり、チェンジ3回から
基本テクスト第一声に踏み込んだ。そして、基本運動からチェンジ1回
で基本テクスト発語。途中で姿勢を変えながら、声の力を強くすること
を心がけながら行った。組を交代して、基本運動からチェンジ三回で基
本テクスト。とにかく強く、強く声を出す。再びF基本運動からチェン
ジ3回で基本テクスト発語。さっきよりももっと強く声を出す。そし
て、F基本運動からチェンジ1回で基本テクスト発語。強さだけでな
く、組み立てにも注意して。
選ばれた6人で、まずは基本運動からチェンジ3回で基本テクスト発
語。体に負荷をかけ、声を強く出す。再びF基本運動からチェンジ3回
で基本テクスト発語。バリエーションを加えていく。F基本運動からチ
ェンジ一回で基本テクスト発語。のどが限界というところまで追い詰め
ながら、声をとにかく強くだす。次に一人がセリフを言い、ほかの人が
それを受ける。声の力が弱いと、その場が成り立たない。声の影響力が
重要だと思った。ラストに6人全員で基本テクストの発語をして、終
了。
8、お話…日本語はとてもすごい力がある。
「息」というひとつの言葉に「いのち」「いきおい」などの言葉も含ま
れている。漢字が日本に入ってくる前からあった言葉。それに漢字をあ
てはめて、今現在使っている。
Fメソッドは基本となるもの。相手との[間]を意識する、相手の呼吸を
読むこと、空間を感じることなど、様々なことの基本になることが含ま
れている。Fメソッドができるようになれば、どんなことにも応用がで
きる。
今日のワークショップでは、感じることの大切さを再確認しました。流
れを、相手を、呼吸を、空間を、様々なものを感じる力を鍛えていきた
いと思いました。そして、自分の声はひとつしかないので、大切にして
いきたいと思いました。Fメソッドには本当に色々なことが含まれてい
て、毎回違ったことに気づきます。すごいな・・・とつくづく思いまし
た。
2003年6月11日(水)
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