第3回(2004年 2月14日)
  さて、前回までに曲線半径、カント量が決定し、設計が確定しましたが、今回は敷設にあたっての課題となっている、両端の端数レールとの接続の問題と、道床付きレールとフレキシブルレールとの高さ調整を中心に試行錯誤しながら、作業を進めていきます。
 
 今回製作する新幹線用曲線は、既存の複線高架橋と接続して使用することを前提としているため、曲線の両端部分には、道床付の端数レールを使用する方針である事は既に述べました。ところが、フレキシブルレールを敷設した両端に、端数レールを隙間なく正確に接続するのは、非常に困難であることが分かりました。
 そこで、端数レールのレールを道床部分から抜き取り、そこにフレキシブルレールのレール部分をそのまま差し込むことにしました。これなら、端数レールとの接続もありませんし、事前にフレキシブルレールの寸法を正確に計って切断する必要もなく、単純に両端に出っ張った部分を切断すれば済みます。
 更に、端数レールの節約(?)のため、半分に切断し、1本の端数レールを両端に使用することにしました。


 次にフレキシブルレールと道床付レールの高さ調整の問題です。フレキシブルレールは枕木部分の下に、板厚3mmと0.5mmのプラ板を貼り合せたものを敷くことで道床付レールのレール面と合わせることができます。更にカントを付けるため、枕木下に敷くプラ板の幅を道床付レールの道床部分と同じ幅の25mmとした上で、片側に更に3.5mm厚のプラ板を貼り付けます。また、このプラ板道床は、フレキシブルレールを固定する釘穴部のみに使用することにしました。


切り出す前のプラ板道床


カントを付けたプラ板道床

 さて、いよいよ敷設に取り掛かりますが、両端部分は他のレールとの接続を考慮して、軌道中心間距離を正確に敷設する必要があるので、まず路盤となる板に敷設位置を正確に鉛筆で下書きしておきます。
 下書きした位置を基準に、端数レールの道床を板に釘で固定します。今回の道床は全長が短い上に、カントをつけるため、ある程度の強度を確保したいので、道床側面と上部の3箇所を釘で固定しました。
 そこに、フレキシブルレールのレールを差し込み、
中間部分の6箇所をプラ板道床で支えながら、一定の曲率となるよう、調節しながら釘で固定していきます。


中間のプラ板道床

 中間部のフレキシブルレールの敷設が完了したら、もう一方にも端数レールの道床部分を取り付けます。その際、端数レールの道床と干渉する部分の枕木は切断して、レールから撤去します。
 今回採用した半径では、円弧の長さよりもフレキシブルレールの方が長く、余るので、一方のレール端を端数レールの道床の端と合わせておき、もう一方に余ったレールのみを切断して長さを調整するようにします。余った側のレールを端数レールの道床端部に合わせて切断し、切断面をヤスリで丁寧に仕上げます。
 とうとう、45度分の曲線が姿を現しました。まだ枕木だけのスカスカの線路ですが、こうして見ると既製品のものと比べて、実に雄大なカーブです。

 早速、車両を並べてみて「試運転」ならぬ「試入線」。300系はさすがに車高も低いため、重心も低く安定していて、少しつっついたくらいではカーブの内側に倒れたりはしませんが、100系2階建て車両を少々つっついたところ、割と簡単に倒れてしまいました。重心の低い動力車などであれば心配ないでしょうが、2階建て車両の付随車など重心の高い車両には、床下にウェイトの補充などをしておいた方が良さそうです。今回は新幹線用ですが、仮にKATO製のE351系「スーパーあずさ」などの振り子機能付き車両を入線させたら、まず間違いなく倒れてしまいそうです。
 今回はここまで。この45度分を8つ作らなければならないかと思うと目まいが…
 次回からはバラスト散布など、線路に表情を付けてみたいと思っていますが、その前に量産に少々時間がかかりそうです。

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