Last modified: Sun, 02/26/2006 12:19

FreeBSDでEximを使ってみる

始めに

 前々から興味を持っていたので,MTA (Mail Transfer Agent)のソフトウェアであるEximをいじってみた.ある程度把握したんで,自分のメモ代わりに徒然書いてみる.

 ということで書いた文書がこれ.当然Eximについて書かれている.Eximを使ってみたいという人は参考にしてくれるといいかも.ただ,普通にメールを出して受け取れて読める,というようになるには,MTAの他にDNSの設定とPOP/IMAP serverの準備が必要だ.その辺については基本的にはこの文書では触れない.つうかある程度メールサーバをいじったことがある人向けかも.
 でもってさらに,この文書の内容は,FreeBSD4.6.1-RELEASE-p6という環境で試したことを書いている.ので他環境の人にはフレンドリーでないかもしれないけど,まあそれはそれということで.あと,試してないことを書くかもしれないんで適当にフィルタリングしてね.

Eximとは

 Eximというソフトウェアは,一言で言えばsendmaiの置き換え.いわゆるMail Transfer Agent (MTA)やらMail Delivery Agent (MDA),つまり電子メールをネットワークを介して配送する仕事,そして自分とこに配送されてきたメールを受け取りサーバ内のメールスプールへと配送する仕事のをしてくれるってわけ.このMTA関係の業界は,これまではこのsendmailが一人勝ち(と言うかそれしかなかったんだけど)の状態だったんだけども,最近djb氏のqmail,あるいはPostfixなんてものが出てきて,選択の幅が広がって来ている.このEximも,その選択肢の一つだ.

 で,このEximの特徴はなにかっていうと,(俺はsendmailとqmailしか使ったことがないので,そいつらとの比較しかできないんだけど,)設定が(qmailに比べて)柔軟で(sendmailより)楽,ってところだろう.
  sendmailと比べると,様々な配送ルールの作成やヘッダの書き換えと言った辺りは機能的にさほど差はない.少なくとも現実的な場面での要求には十分応えられる.さらに,sendmailだとその辺のルールの設定は独自言語?で書かなきゃならなくて,面倒.ほとんどの人はそのまま書けないんで,支援ツールを使っているような状態だったわけだが,Eximは,そう言ったルールは正規表現を使って書ける.少なくとも現在のUnices userにとっては,sendmail.cfの独自仕様なんかよりも256倍楽に書けるってことだ.
 それから qmailと比べると,一つの設定ファイルに全部まとめられる辺りが違いだろう.あのqmail独特の1項目1設定ファイルというやりかたが馴染まない人も大丈夫(もちろんeximも,.部分的に別ファイルに分けてincludeする形で分割することもできる).それから,時に「djb教」と揶揄されるような,宗教的熱狂に近い(作者・仕様およびユーザの)独善ぶりがないのもいいと思う人がいるかもね.後はsendmailとの互換性も高いんで(.forwardが使えるなど),移行も楽かな.バックエンドに色々なRDBとかを使えるのもいいかも.qmailは支援ツールやパッチで出来るようになるけどね.

 あと適当にeximのページのintorductionとかから主な特徴をまとめてみると,こんなところ.

 もちろん現代的なMTAに必須なSPAM/UCE/UBE防止のための柔軟なrelay制限や,virtual domain機能もある.特にホームディレクトリのNFSを確認してくれる機能は,そう言う環境のとこで転送使っているユーザには良い話じゃないかな(というか俺は昔そう言う環境だったんだよ).

 さて,ここまで読んで興味が出たらインストールしてみよう.

目次

  1. FreeBSDでEximを使ってみる(この文書)
  2. Eximのインストール
  3. Eximのとりあえずの設定
  4. 設定のチェック
  5. Exim設定ファイル詳細
  6. To be written

改訂履歴

2/26/2005
言葉遣いを少々変更。他にも色々現状変わってるけど、FreeBSD 6にしてから色々うまく動いてなくて、ちょっと反映させる時間が取れてないなあ。
9/16/2002
FreeBSD portsでmail/exim-develがなくなってmail/eximがver.4系になったことを受けてその部分の記述を修正.そのほか誤字脱字言い回しなど修正.

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