実際に遺伝カウンセリングを受けた方のお話です。2004年6月)

18トリソミーのお友達・春生君のお母さん・京都府在住のOさんが、掲示板に
書き込んで下さったものを、ご本人の了承を得て、ご紹介させていただきます。

私は今回の入院中(出産後)遺伝子カウンセリングを受けました。
そこの病院には(循環器専門という性質上)定期的に遺伝子カウンセラーの方が
こられていて、少しでも私たちが前向きになれるように主治医の方から
「会われたらどうですか?」とすすめてくださったのです。

そこで男性1人と女性2人の方がこられて、お話をうかがったのですが、
結論から言うと(私たちの子供は標準型トリソミーでした)
「遺伝とかいうレベルの話ではない」ということでした。
とても優しく、また漫画までかいてわかりやすいお話をしてくださって
(とても偉い先生だったらしいですが)感激しました。

春生の染色体の写真(←配列の)を見て
「だって典型的な18トリソミーですよ」と言って笑っておられました。
先生方にしてみれば標準型トリソミーで自分達の血筋を心配するなんて、
という感じでした。

先生は「しかし、18トリソミーの子供って<<多いね>>」とおっしゃったので
びっくりして「えっ多いんですか?年間5人くらいは診ておられるのですか?
(←これはたつきママさんの行っておられた病院が2000年で5人位と書いてあった
のでとっさにそう思ったのです)」と聞き返したら「いやぁ、5人なんてものじゃないよ〜。
赤ちゃんに心臓の異常が見つかって集まってくるのだから、もっともっと多いよ」

この先生は本当に優しい方で、「どうして、こんな悲しいことが起こるんだろうね」
  というニュアンスでおっしゃっていました。
循環器病専門の病院でして、無事に出産され、症状によっては徹底的に
  心臓の手術など治療を受ける赤ちゃんもいらっしゃるようです。
  その先生は「6歳まで頑張った子供もいるんですよ!」とおっしゃっていました。

そして夫婦の染色体検査も、したければしてもいいけれど、必要ないとのことでした。
先生自身も自分の染色体検査をしたことがないし、これ以上悩みを増やしたくない
と言っておられました。色々考えて私たちは結局、血液検査はしましたが、
二人とも染色体異常はありませんでした。

羊水検査も(自分たちの精神面で、したくなるかもしれないし、
してもいいとは思うけれど) 「医学的には無意味である」とおっしゃっていました。
「だって、貴方達は染色体異常がない子供じゃなく、健康な子供が欲しいのでしょう、
染色体異常がない障害の方が多いんですよ」
とのことでした。(←これはよく言われることですね)

あとカウンセリングで聞いて、なるほど、と思ったのは
「不妊治療も染色体異常とは関係ない」とのことでした。
私は子供が出来にくかった(←原因不明ですが)ので着床を助ける注射なども打っていた
ので本来、着床できないような受精卵を着床させてしまったのではないかと思ったのです。

でも生命とはそういうものではない、薬をつかおうが何をしようが着床できない受精卵を、
着床させたりはできないし、この子供さんは、お母さんと相性がよかったから、
そして育つ運命にあったから大きく育ったのです。
ここまでくると神様のなさることとしかこたえられません、とのことでした。
(私はしていませんが体外受精とか、とても高度な不妊治療をしても
着床しない運命のものは着床しないし、するものはするということです。)

カウンセリングの先生は、「病気や障害のあるお子さんって多いですよ。
20人に1人くらいでしょうか」とおっしゃいました。(どのような範囲の病気をおっしゃって
いるのかわかりませんが、5%ですし、多いなぁと思いました。)

「染色体異常はそのうちの1%だから、もし羊水検査をして異常なしでも、
のこり4%が消えない。だから<医学的にはあまり意味がない>検査だ」
とおっしゃっていました。(羊水検査をしてはいけないとか、間違っているというような
ことは一言もおっしゃっていません)


【参考】遺伝カウンセリングの基礎知識←長崎大学遺伝カウンセリング室の
HP内にあります。出生前診断等とても参考になります。

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