Shall we ダンス?
(後編)
誰かが連絡したのであろう、それから程なく広永邸に警察がやって来た。
大神たち出席者は大広間に集められ、事情聴取を受ける羽目になってしまった。
そして事情聴取を終えたものは少しずつ住所と氏名を聞かされて帰っていった。
「もしかしてあなたは…、すみれお嬢様、ですよね?」
丁度すみれに事情聴取をしようとした一人の刑事がすみれに聞いた。
「え? ええ、そうですけど」
「やはりそうでしたか。…忠義様にはいつもお世話になっております」
「お爺さまをご存知なんですの?」
「はい。…ところで、すみれさんがここに居られる、ということは?」
「ええ。神崎財閥とも古くからの付き合いで、今日もダンスパアティに呼ばれたんですの
よ。…あ、ご紹介が遅れましたわね。こちらは大神一郎少尉ですわ」
と大神を紹介する。
「あ、大神です」
「軍人さん…、ですか。陸、海どちらですか?」
「ええ、海軍です」
そして軽い自己紹介が終わると、
「…ところで刑事さん」
「なんでしょうか?」
「その…、メイドさんから聞いただけなのでよくわからないんですが、その、伯爵夫人が
殺害された状況というのは…?」
「ああ、それですか。いや、どうやら婦人が一人でいるところを何者かが侵入して婦人を
撃った、ということになりますな。婦人の部屋の中が荒らされて宝石が盗まれていますか
ら、物取りか何かの仕業でしょう」
「…物取りですか…」
「とりあえず今、周辺の聞き込みをしておりますから、何か手懸りがつかめると思います
よ」
「…それで、その犯行時刻、というのは?」
「いや、死後2〜3時間は経っていると思われるのですが、どうやら色々な証言からいっ
て今から2時間前だと思われますね」
「2時間前?」
「ほら少尉、丁度その頃停電がありましたでしょう? 刑事さんはおそらくその頃だと睨
んでおられるのですわ」
「う〜ん、確かに停電はあったけど…」
そういう言うと大神は黙り込んでしまった
「どうかなされましたの?」
大神はしばらく考え込んでいたが不意に、
「…刑事さん、一寸いいですか?」
大神が刑事に話しかけた。
「…なんでしょうか? 大神少尉」
「…もし、犯人が外部のものだとしたら、何故犯人はわざわざ部屋の電気を消したんでし
ょうか?」
「それは…、部屋の電気を消すことで屋敷の中を混乱させるためではなかったんじゃない
でしょうか?」
「そうでしょうか? 自分が犯人だったらそんなことしないでさっさと逃げますが。刑事
さんだってご存知でしょう? 人間の目というのは明るい所が暗くなったり、それとは逆
に暗い場所がいきなり明るくなったとしても、目が慣れるまでに少々時間がかかるんです
よ。ましてやいきなり暗くしたとしたら犯人だって目が慣れていないから逃げ惑うのに時
間がかかると思うのですが…」
「…まあ、そうかもしれませんけど…、とにかくそれはこれから我々が調べる所ですよ」
*
「…ちょっとよろしいかしら?」
すみれが一人のメイドに話しかけた。
「…なんでしょうか? すみれ様」
「…わたくしのことをご存知なんですの?」
メイドの言葉に驚くすみれ。
「え、ええ。旦那様からお伺いしておりますし、お休みの時に花組のお芝居を拝見したこ
とがあって…」
「そうでしたの…。ところで、確かあなたでしたわね? その…、広永伯爵の奥様の死体
の第一発見者、というのは」
「え…、ええ。その事に関しては警察の方に…」
「わたくし達にもその件に関して詳しく教えてくださいませんこと?」
「いえ、その…」
そうやら彼女が受けたショックは相当のもののようだ。
「大丈夫ですわ。私も少尉もこのことに関しては口外しませんわよ」
すみれがそう話しかける。
「…すみれお嬢様がそう仰るのなら…」
「よろしいですわ。それで、奥様の死体を発見した状況というのは?」
「ええ、私はお客様のお世話などで色々なお仕事を任されたいたのですが、奥様の死体を
見つける1時間ほど前でしょうか…、旦那様が『家内が疲れた、といって部屋で休んでい
るから静かにしておいてくれ』と言いまして…」
「つまりあなたも奥様が一人で部屋で休んでおられる、というのは知っていたわけですわ
ね?」
「ええ。それから私達は旦那様の言いつけどおりに自分のお仕事をしていたのですが、不
意に停電が起こって、突然銃声がして…」
「確かあの後、また部屋が明るくなりましたわね?」
「ええ。それで旦那様に言われたこともあって奥様のことが気になって…」
「…そして奥様の部屋に駆けつけたところ、奥様が死体となっていた…。こういうわけで
すわね?」
「…はい」
「…どうですの? 少尉」
すみれが大神の方を向いて聞いた。
「うーん…。君が駆けつけたとき、何か怪しい人影を見た、とかそういうことはないのか
い?」
「いえ、何も…」
「…わかりましたわ。それじゃ、もう持ち場に戻って結構ですわ」
その声を聞いてメイドは二人に一礼をすると立ち去って行った。
*
メイドから話を聞いた二人は現場である広永伯爵夫人の部屋の前に来ていた。
伯爵夫人の部屋は階段を上がった2階の一番奥の部屋だった。
勿論室内は立ち入り禁止だから、外から見るだけだったが。
もう既に死体は運び出されていたが、部屋の中はそのままの状態で残されていた。
「…あの、一寸よろしいかしら?」
すみれがそばにいた刑事を呼び止めた。
「なんでしょうか?」
相手がすみれだと知ったか、刑事の態度も何処となくうやうやしかった。
「…奥様は何処で殺害されていましたの?」
「ええ、あそこの机の椅子に座った状態で殺害されていました」
そう言った刑事の先にはおそらく夫人が座っていたのだろう、血痕の付いた椅子が置い
てあった。
「それで、盗まれた宝石、と言うのは…?」
「ああ、それですか。それが一寸不思議なんですよねえ…」
「不思議、って?」
「これを見てください」
そう言うと刑事は手袋をはめた手で宝石箱を持ってきた。
中には何個かの宝石が転がっていた。
「…犯人はこれだけ目立つにもかかわらず、持って行かなかったのが不思議で…」
「…?」
すみれが何かに気づいたか、ハンドカチイフを取り出すと、その宝石を何個か手に取る。
「…これは…」
「どうしたんだい?」
「…よく出来ておりますけど、この宝石は全部偽物ですわ」
「偽物?」
「…ええ。おそらく伯爵夫人が用心のために用意した偽物かもしれませんわね」
「…だとしたら、それを見破るなんて、犯人はよっぽどの目利きですな」
「…そのようですわね」
「…確かにそう考えるのが普通だよな…」
大神がそう呟くとすみれが、
「…少尉、どうかなさいまして?」
「…いや、なんでもないよ」
そして二人はその場を離れた。と、大神が周りを見渡し、
「…確かにここはそう人目には付かない場所だね」
確かに夫人の部屋は奥のほうにあるから目に付かないだろう。+
「…でも少尉、ちょっと見ていただけませんこと?」
すみれが指を指す。
「…どうしたんだい?」
「この部屋から外に出るとしたら伯爵夫人の部屋の窓を破るか、階段から降りていくしか
ないはずですわ」
「…確かにそうだね。でも夫人の部屋の窓ガラスは敗れていない、そう言いたいんだろ
う?」
「ええ。そうなると犯人は伯爵夫人を射殺した後に階段を降りて外へと逃げた、と思われ
るのですが…、もし犯人が外へ逃げたとなると…」
そして二人は階段のほうに歩く。
「わたくし達がいたあの部屋を通らなければ外に出ることは無理なはずですわ」
そう言いながらすみれはある部屋のドアを指差した。
「…確かにそうだな。それにあの暗闇に乗じて逃げ出す、何てことが本当に出来るんだろ
うか? それに…」
「それに?」
「刑事さんの話だと、広永伯爵夫人の部屋にあった宝石が盗まれていた、って言うよね?」
「確かにそう仰ってましたわね」
「もしそれが正しいとすると、だよ。あの暗闇の中でどうやって犯人は伯爵夫人の宝石を
盗んだ、って言うんだ?」
「…こうは考えられませんこと? 例えば伯爵夫人が何か用があって部屋から出ていた所
に泥棒が侵入して部屋を物色していた所、夫人が入ってきて、犯人は婦人を射殺して逃げ
ていった、と言うのは?」
「確かにそうとも考えられるんだけど…。だとしたら何でわざわざ部屋の電気を消してか
ら夫人を殺したのかが解らないんだよな…」
「…確かにそうですわね。暗闇になった瞬間、狙い違わず射殺する、何て芸当、マリアさ
んのような射撃に精通した方でも出来ない相談ですわ」
*
そして大神とすみれは大広間に戻った。
その途中、廊下で一人の青年を見かけた大神は、
「…すみません、何だか喉が渇いちゃって…」
と、その青年に言う。
「あ、水をお持ちしますので少々お待ちくださいませ」
そして青年がその場を去った。
その青年を待つ間、壁にかかっている絵でも見ようと思ったのだろうか、大神が部屋の
中に入り、奥に歩いていった時だった。
「…これは…?」
大神が蓄音機の前で立ち止まった。
よく見るとその蓄音機は箱の脇からハンドルが出ており、それを廻して蓄電をしてター
ンテーブルを回す仕様になっているようだ。
大神は何気なくハンドルに手を掛けたその時、
「…あれ?」
「少尉、どうかなさいまして?」
いつまでも蓄音機にへばりついているのを見てか、すみれが大神に近付いてきた。
「…蓄音盤(アナログレコードのこと)はどうしたんだろう?」
「蓄音盤?」
確かにその蓄音機のターンテーブルには蓄音盤がなかったのだ。
「ほら、大広間に集められた時、警察の人も一緒に中に入っただろ? そしてオレ達は事
情聴取を受けたけど、その際はみんな一箇所に集められた…」
「…そういえばそうですわね。それにこの蓄音機は部屋の隅にありますから誰かが近付け
ば気づくものですわ」
「…でも誰も近付いたようすはなかったよな…」
その時だった。
「…お待たせいたしました」
大神にさっきの青年がコップに入った水を持って近付いてきた。
「あ、有難う」
そして大神は水を一口飲んだ。と、何かを思い出したように
「…ところで、ちょっといいかい?」
と、青年を呼び止めた。
「なんでしょうか?」
「確か今日のダンスパアティは蓄音盤をかけたよね?」
「ええ、それがどうかしましたか?」
「ここにあった蓄音盤を片付けたのは君かい?」
「いえ、この蓄音機は主にお使いになさるのは旦那様と奥様だけですので、私は一寸…」
「そうか…。ところで、君はその停電が起きた前後に怪しい人影を見た、とか何者かが走
り去っていく、とかそう言った様な物音は聞いてないかい?」
「…いえ、そのような物音は聞いてませんが…」
「そうか、わかったよ」
大神はコップの水を飲み干すと、その青年に渡し、
「水、有難う」
そしてその青年が去った後も大神はその蓄音機を眺めていた。
「…少尉、そんなに蓄音機が珍しいんですの?」
そう言いながらすみれが近付く。
「いや、そういうわけじゃないんだけどさ…。ねえ、すみれくん」
「なんでしょうか?」
「確か停電が起きた時、って君と広永伯爵が一緒に踊っていたよね?」
「それがどうかなさいまして?」
「いや、それならいいんだけど…」
そう言うと大神は何か考え込んでしまったようだ。
*
それからどの位経っただろうか、大広間に刑事たちが入ってきた。
それを見た大神は
「…刑事さん、一寸よろしいですか?」
と、刑事を呼んだ。
「…何か御用でしょうか、大神少尉?」
「実は…」
大神はそっと刑事に耳打ちをした。
「…しかしそれは…」
「…こういうことできるのは刑事さんしかいないんです。何とかお願いできますか?」
「…わかりました。やってみます」
*
「…広永伯爵、一寸よろしいかしら?」
すみれが広永伯爵に話しかけた。
「…これはすみれさん、何か御用ですか?」
「少尉がお話があるそうです」
「私に?」
「ええ、大広間で待っている、と仰ってましたわ」
そして大広間に広永伯爵がやってきた。
「…お待ちしておりました」
広永伯爵がやってくると大神はそう言って迎え入れた。
「…それで、私に何の用があるんですか?」
「…今回の事件の真相についてお聞きいただきたいんです」
「事件の真相ですか?」
「はい。…まずいって置かなければならないのは今回の事件は物取りの犯行ではない、と
言うことです」
「物取りの犯行ではない?」
「はい。今回の事件を物取りの犯行と考えると色々と矛盾する点が出てくるからです:
「矛盾する点ですか?」
「はい。思い出してみて下さい。銃声があった後、室内が明るくなりメイドが死体を発見
するまでそれほど時間はなかった。そしてその間、なんの物音も聞こえなかった…」
「それがどうかしましたか?」
「考えてみてください。もし犯人が外部から侵入したものであったとするならば、いつま
でも現場に残っているのは大変危険だからさっさと逃げるはずです。とは言え、現場であ
る夫人の部屋から表に出るのは夫人の部屋の窓硝子を割るか、玄関から出なければいけな
い。しかし、皆さんに聞いて見た所、そのような様子は全くなかった…。となると、内部
の者の犯行、と考えるのが適当なわけです」
「内部の者の犯行ですと?」
「はい。そして、自分にはもう、その犯人がわかってます」
「その犯人とは誰なんですか?」
「…今回の犯人は、広永伯爵、あなたですよ」
それを聞いた広永伯爵はいきなり笑い出した。
「ははは…。海軍少尉と言う人はよほどご冗談がお好きなようですね」
「冗談ではありませんよ。あなたが犯人だと言う証拠は二つあります」
「証拠? なんですか、それは?」
「まずひとつ。夫人が殺害された際犯人は夫人の宝石箱から宝石が何個かなくなっていて、
残されていた宝石は全部偽物だった…」
「それがどうかしましたか?」
「宝石の真贋があの場でわかるなんて犯人と言うのはものすごい目利きですよね。もし自
分が犯人だったら夫人を殺害した後宝石箱ごと持って逃げますよ。もし自分が宝石の真贋
を見分けるくらいの目利きだったとしても、です。誰かが来るかもしれないのにそんな悠
長な事をするくらいなら、さっさと逃げてあとで真贋を見分けますよ」
「…」
「それともうひとつ。部屋が突然暗くなると人間の目はその暗さに慣れるまで少し時間が
かかります。ですから暗くなってすぐに狙い違わず夫人を射殺して、そこから逃げ出す、
なんてことはよほどのことがない限りできないと思います」
「…それが君が内部の者の犯行、と言う根拠か?」
「その通りです」
「でも、何で私が家内を殺さなければならないんですか? …大体、犯行が起きた時、私
はすみれお嬢様とダンスをしていた…」
「その謎ももう解けてますよ。…全く、自分もあなたの現場不在証明工作に見事に騙され
ましたよ」
「…どういうことですか?」
「…あの銃声は本物の銃声ではない、と言うことですよ」
「本物の銃声ではない?」
「はい。刑事さんが『死体は死後2〜3時間ほど経っていたようだが、色々な証言からす
ると殺害時刻は2時間ほど前のようだ』と言ってましたが…。それは何故かというと銃声
がした時刻からそう判断した、ということです。でも、それが間違いの元だったんでよ」
「間違いの元?」
「はい。我々はあの銃声がしたとき、我々はそのときが犯行時刻だと思っていた。…しか
し落ち着いて考えて見ると、先ほども言いましたが部屋が暗くなってすぐに狙い違わず標
的に向かって発砲するなんて無理だと思います。人間の目が慣れないことだってあるし、
夫人が暗闇に乗じて逃げ出す可能性もありますしね。…だから、犯人は死亡推定時刻があ
る程度の時間の幅を持たせているのを利用してあらかじめ夫人を射殺して、その後で我々
に銃声を聞かせて夫人があの時刻に殺された、と思わせるようにしたんですよ」
「…一寸待ってくださいよ、少尉。そんな殺した後に銃声を聞かせる、なんて奇術みたい
なことが出来るんですか?」
「それが出来るんですよ。あれを使えばね!」
そう言うと大神は部屋の隅においてある蓄音機の方に向いた。
「あの蓄音機を?」
「ええ。あらかじめ蓄音盤に音楽と一緒に最後の方に銃声を録音しておいて、然るべき時
間が来たら蓄音盤をかける。そして最後の方になったら電気を切って録音してあった銃声
を聞かせる。勿論我々は蓄音盤にあらかじめ銃声が録音してあった、何て考えないからそ
の時刻を殺害時刻だと思ってしまうわけです」
「…だからって何でそれで私が家内を殺害した、ということになるんですか?」
「あの蓄音機はいつもあなたと婦人しか使っていないそうですね。そしてその一方の夫人
が殺された、となったら消去法であなたしかいなくなるわけです。…そういえばあの蓄音
機に蓄音盤がありませんよね? …もしかして部屋が暗くしたのは、暗闇に乗じて蓄音盤
を回収するためだったのではないですか? 例え暗闇になったとしてもあなたなら何処に
蓄音盤があるかわかるはずですからね」
…その時だった。
「…大神少尉、あなたの言ったとおりでしたよ!」
大神に一人の刑事が近付いてきた。
「…これが裏庭にある倉庫の中で見つかりましたよ」
そう言って刑事が袋を見せた。
中を見るといくつかの宝石と、一枚の蓄音盤が見つかった。
「…この蓄音盤に銃声が入っていたら自分の考えが正しい、ということになりますね。…
どうします、聞いて見ましょうか?」
その場にしばらくの間沈黙が流れた。
やがて、
「…そうですよ。家内を殺したのは私ですよ」
広永伯爵が観念したかそう告白した。
*
神崎家からの迎えが来て大帝国劇場に帰る途中の蒸気自動車の中。
「でも、よくあの銃声入りの蓄音盤、何て作れましたわね」
すみれが大神に聞いた。
「なんでも、そういったものを作る会社に知り合いがいて本当のことを言わずに『余興で
使う』みたいなことを言ったらしいんだ。それなら疑いもなく作ることが出来るし。電気
を切らせたのも第一発見者とは別のメイドを上手く言いくるめてさせたらしいね」
「そうでしたの…。そう言えば警察の方にメイドさんが一人連れて行かれたのを見かけま
したけど、そういうことだったんですわね」
そしてすみれはひとつため息をつくと、
「…それにしても、あのお二人の夫婦仲があそこまで冷え切っていたなんて…」
「まあ、ちょっとした所から行き違いが起こったんだろうね。それで修復できないままあ
んな風になったんだよ」
大神が言う。
「…もしわたくしが結婚したとしてもあんな風にはなりたくありませんわね」
「…どうしたんだい、すみれくん?」
「え? な、なんでもありませんわ」
(終わり)
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