ゴジハム感想文・改訂版
〜2004年版〜


(はじめに)
昨年に続き、2003年12月13日、茨城県某市の劇場で鑑賞した「ゴジラ×モスラ×
メカゴジラ 東京SOS」「劇場版とっとこハム太郎 ハムハムグランプリン オーロラ谷の
奇跡*リボンちゃん危機一髪!*」の感想文を発表したいと思います。
なお、以下に挙げる文は当日のBBSにおいて発表したもので、一部手直しをしています。
また、コレを発表した後に感じたものを「追記」として発表させていただきます。

勇気はときどき奇跡になるのだ。
劇場版とっとこハム太郎 ハムハムグランプリン
 
オーロラ谷の奇跡*リボンちゃん危機一髪!*

(スタッフ)原作/河合リツ子、監督/出崎 統、脚本/金春智子、
      キャラクターデザイン・総作画監督/須藤昌朋・山中純子、音楽/岩崎元是


相変わらずの強引な展開、何の脈絡もないキャラの登場、そして目立たんロコちゃん(笑)
なんですが、過去2作に比べれば遥かに辻褄はあってたと思います。
去年の作品(「ハムハムハムージャ」)のサバクーニャと違い今回の敵役であるハムクック
は本当は「イイ奴」だったようで、ハムクックが「おまえの勝ちだ〜!」と叫んでハム太
郎をゴールに投げ飛ばした(オイ!)あたりからはっきり言って感動のあまり震えが来て
しまいました(笑)。
ただ、やっぱり1時間弱で収めなきゃいけないからか、ハム太郎VSハムクックの話し合
いの部分から「ハムハムグランプリンで決着をつけよう」という所までが急だったような
…。レースの部分をもう少し短くして、その辺のリボンちゃんを巡っての争いがあればよ
かったかも。
それとリボンちゃん、コトの重大さが全然わかってない! 「アンタどっちの味方なの?」
と言いたくなってくる部分が少々あったのも…。
それと「ゲッツハム」(声・ダンディ坂野)は出過ぎだと思います。どこか1ヶ所で効果的
な出方をさせたほうがよかったのでは?

最後に軽いツッコミをひとつ。「…ロコちゃん、あんた何秒で着替えたの?」(笑)

(追記・2004年1月)
実は2003年の夏に「にじハムくん」というハムスターが出てくるOVA「ハムちゃん
ずと虹の国の王子さま」というのを私の2人の姪と共に見たんですが、そのときの第一印
象が「なんでこっち(OVA)の方が映画より面白いんだ?」だったんです(笑)。
この感想から判るとおり、過去2作はどうも出来自体イマイチだったんですが、3作目と
なって出崎監督も慣れたのか、今回は今までで一番よくできた作品だと思います。
まあ、疑問点もいくつかあって、ハムクックたちがやって来たのと3年間もオーロラ村に
雪が降らないのに何か関係があったのか、とかプリンちゃん(声・安倍なつみ)が時々人間
型(というか妖精型)に変身するのに何か意味はあったのか、とかミニハムずがメンバー
チェンジ(矢口真里演じる「ぐっちゃん」が抜け、高橋愛演じる「たかはし」が加入。別に
「ハムハムハムージャ」のときに出てきた「タカハム」でもよかったのでは…?)したのに
ハム太郎たちは何も感じなかったのか(笑)とか…。とはいえ3作の中では今回の作品
が一番面白かったのは事実です。
それと、上でも書いてますが「ゲッツハム」は出過ぎ。それから今回実況役だったDJハム
はとにかく「すっしーず」や「にじハムくん」が出てくる意味は何処にあるんでしょうか…?
それともう一つ、エンディングですが…。塗り絵コンテストだかなんかをやってその入賞作
品をバックにスタッフロールが流れてましたが、真ん中にスタッフのクレジットを挟んで左側
に入賞者名、右側に作品タイトルが出てましたが…。見づらいったらありゃしない。
もう少し工夫できなかったんですかね?


なぜ、戦うのか? 2004年 東京 怪獣バトル終結点。
ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」

(スタッフ)監督/手塚昌明、脚本/横谷昌宏・手塚昌明、特殊技術/浅田英一、
     音楽/大島ミチル

ま、去年の続編ということなんですが、去年の作品と比べると息抜きのシーンがなくて
最初から最後までハードな展開が続く作品でした。
とはいえ、ゴジラもあっという間に上陸してしまったような気がしたし(それでも浮上す
るまでの「タメ」はなかなかだと思う)、バトルも結局1回だけだったせいか、延々と見せ
られたような気がして、肝心の本編のドラマ部分が少々内容が薄かったような…。とはい
え、今までのメカゴジラものと違って整備員、といういわば裏方の人物を主人公にしたの
は新しい視点だと思いました。

特撮に関して言うと雪の中のモスラは何だかカッコよかったし、国会議事堂の後ろにゴジ
ラと機龍が立っているシーンはよかったと思います。作りこみもしっかりしていたとは思
いますが…、何だか今までと比べてモスラが弱い気がしたのは気のせいでしょうか? そ
れにカメーバのシーンも昔のフィルムを使って欲しかった気もしますし…。
そしてラスト。機龍がゴジラを抱きかかえて飛んでいくシーンをどう解釈したらいいんで
しょうか? 「こうでもしなければ戦いを終わらせられない」と思ったのか、それとも「い
いんだ、もう戦わなくていいんだ」とでも思ったのか…。
それとスタッフロールが流れた後のラストシーンですが…。あーゆー事を特自が続ける限
り、おそらく3頭目、4頭目のゴジラは現れるんじゃないでしょうか? …まだまだ人類
とゴジラの戦いは終わってないのかもしれませんね。

これにも軽いツッコミを一つ。瞬が学校の机や椅子を引っ張り出してモスラの紋章を作っ
てましたが、そんなことやるより地面に直接書いたほうが手っ取り早かったのでは?(笑)

(追記・2004年1月)
今回の作品は小泉博氏が42年前の’61年版「モスラ」と同じ中條信一博士役で出てきた
事からでも判るとおり、随所に「モスラ」「モスラ対ゴジラ」を髣髴とさせる部分が見られまし
た(そういえば1ヶ所「ゴジラVSモスラ」を思わせる場面が出てきた)。ストーリー展開も最
後なんかモロ「モスゴジ」ですし(笑)。
ただ、その割にはモスラがイマイチ目立たなかったような…。せいぜい機龍の出撃までの
間にゴジラと戦った程度で、最後なんか無理やりゴジラVS機龍の戦いに捻じ込んだよう
で…。どうせなら途中でモスラが善戦むなしく倒されてしまい、ラストはゴジラVS機龍1本
に絞ってもよかったのではないでしょうか? それと、本当にモスラ幼虫が2匹で出てくる
必要があったのでしょうか?
それから小美人の「ゴジラの骨を海に返して欲しい。そうでなければモスラが人類の敵と
なる」という台詞を最初に聞いた時、ストーリーの最初はモスラが出現して特生自衛隊と
戦うのかな、と想像してたんですが見事なまでにハズレ。…でも、「人類の敵」として出て
くる「悪役のモスラ」というのも一度見てみたいですね。
それとあのラストは解釈が分かれるところでしょうね。やはりここは戦いにケリをつける
ために機龍が自ら落とし前を付けた…、と解釈するのが正しいんでしょうか?
それと今回も91分という時間のせいか、前作の「茜と葉山の対立」同様「義人と秋葉の
対立」が上手く書ききれなかったような…。後10分あればその辺も上手く書けたのでは
ないでしょうか? それと1年間で葉山の性格があれだけ変わったのはどうしてでしょう
か(笑)?
さて、2004年はゴジラ生誕50周年。既に「THE GODZILLA(仮)」というタイトルで
第28作目の製作が決定しています。今度の作品は「怪獣もオールスター、役者もオー
ルスター」と富山プロデューサーが言ってることから平成版「怪獣総進撃」になるので
しょうか?


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