「ゴジラ・バラゴン・ダガーラ 怪獣大決戦」ストーリー試案

(はじめに)
私ことともゆきが茨城営業所所長を務めている(笑)もりりんさん運営のHP「四国ゴジラ組合
に「文藝呉爾羅」というコーナーがあるのですが、もともと「ゴジラ・バラゴン・ダガーラ 
怪獣大決戦(以下「GBD」)」という話はそちらで「ストーリー試案」として発表したものを
ベースにして書いたものです。
今回無事に完結したのを記念してそのストーリー試案を特別に公開したいと思います。
尚、「四国ゴジラ組合」の方には私が発表した「GBD」のストーリー及びコメントと共に
管理人であるもりりんさんのコメントも掲載されているのであわせてご覧になっていただ
ければ幸いです。

(「文藝呉爾羅」へ行くには下のバナーをクリックしてください)


(「GBD」ストーリー試案)  ※3回に分けて発表したのを1回分にまとめてあります。
西暦1868年8月23日、会津藩の飯盛山で白虎隊が自決したその日、薩長連合軍は一
気に鶴ヶ城を落とすべく、総攻撃を開始した。
しかしそのとき、どこからとも無く赤い身体の身の丈百尺はあろうかと思われる怪物が出
現し薩長連合軍の一部隊を全滅させてしまった。これ以上の犠牲は無意味と考えた薩長連
合軍は作戦を鶴ヶ城砲撃に変更。1ヶ月に及ぶ砲撃の末、ようやく会津藩は降伏をし、明
治時代が始まろうとしていた。
時の新政府はこの事実を抹消し、一切公式の歴史には残ってはいない。しかし、会津の人
たちは「会津が危機に陥ると会津を救うといわれている婆羅護吽様が現れたのだ」と親か
ら子、子から孫へとその話を伝えていった。

西暦1954年。大戸島に一匹の怪獣が出現した。大戸島から東京に出現し、戦後間もな
い東京を廃墟と化したその怪獣は「眠りを妨げられた時に出現して暴れる」といわれてい
る大戸島の伝説「呉爾羅伝説」にちなみ、ゴジラと名づけられた。

西暦2003年。東京のある高校に通う高校生、冬彦は会津出身の祖父から「婆羅護吽様
の伝説」を聞き興味を覚え、その土地の伝説を調べていた。もちろん「呉爾羅伝説」も。
そんな中、彼は瀬戸内海から九州に伝わるもうひとつの怪獣伝説「陀河亜羅伝説」という
のを知った。

陀河亜羅…婆羅護吽が会津の守護神として伝えられ、呉爾羅(ゴジラ)が善悪を超越した
存在として語られているのに対し、陀河亜羅は「世を混乱に陥れる存在」として伝えられ
ていた。
夏休みを利用してクラスメイト(兼一応恋人)の千秋と共に祖父の故郷である会津を訪れ
る冬彦。婆羅護吽伝説について調べていくうち、陀河亜羅伝説と婆羅護吽伝説にかなり共
通点が見出された。そして、奇妙なことに呉爾羅伝説とも…。冬彦はかつて陀河亜羅・婆
羅護吽・呉爾羅が日本で闘ったことがあるのではないか、そう考えた。伝承として伝わっ
ている1868年の薩長連合軍を壊滅させた婆羅護吽、正式に資料として残っている1954年
のゴジラ東京上陸と共に陀河亜羅も実在するのではないか。そして、それが時を経て会津・
東京・瀬戸内と各地に話が伝わり、三怪獣の伝説へと繋がったのではないかと…。

そんな折、瀬戸内海に一匹の怪獣が出現する。体色が茶色のその怪獣は、赤い怪獣として
伝えられている婆羅護吽とは違うし、ゴジラとも全く違うその姿をしている。まさか? …
数日後、瀬戸内から九州に伝わる伝説からその怪獣はダガーラと名づけられた。

ダガーラは東へと向かっていた。そんな時、伊豆諸島でゴジラと遭遇。伊豆諸島の無人島
で2匹の怪獣の戦いが始まった。しかし、ゴジラ、ダガーラとも手の内を見せないまま、
2匹の怪獣は海に転落。行方をくらましてしまった。

数日後、福島県いわき市の小名浜にダガーラが出現。福島県を磐越東線沿いに進み会津方
面へと向かっていった。同じ頃、磐梯山の麓にある洞窟から赤い身体の怪獣が出現する。
そう、今から130年以上前に会津を守ろうと薩長連合軍を壊滅させたバラゴンが会津の危
機をその本能で察知したか、眠りから覚めたのだ。
冬彦は気付いた。かつて日本で闘ったバラゴンとダガーラが今再び闘い、決着を付けよう
としている、ということを…。

それから間もなく、ゴジラが東京湾に出現。関東地方を北へ、福島方面へと向かっていっ
た。一体ゴジラの目的はなんなのだろうか?

猪苗代湖の湖畔で激突するバラゴンとダガーラ。しかし、バラゴンよりふた回りは大きい
ダガーラにバラゴンは次第に押されていく。
そのときゴジラが猪苗代湖に出現した。一体ゴジラは何をしに着たのか? すると、ゴジ
ラはダガーラに襲い掛かった。バラゴンの闘いを見て手を貸したのか、それともあまりの
ふがいなさに腹を立てたのかわからないがとにかく、ゴジラはバラゴンと共同戦線を張り、
当面の敵であるダガーラを倒そうと決めたようだった。
地底に潜る、という特技と身のこなしのすばやさを生かしてダガーラを翻弄するバラゴン
と己の持っているパワーを最大限に生かしダガーラを攻めるゴジラ。2匹の攻めにはさす
がのダガーラもなす術が無い。
やがて、ゴジラの熱線がダガーラに襲いかかる。断末魔の悲鳴をあげて猪苗代湖に沈んで
いくダガーラ。それを見て去っていくゴジラと洞窟に消えていくバラゴン。
こうして、ひとつの事件は終わった。しかし会津に危機が訪れる時、バラゴンはまた、そ
の眠りから覚める日が来るに違いない。

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