体験談 レポート
豊橋 KM さん
A
   レポートA                 豊橋 KM さん     2003・7・17

「シーン」 木曜日 午後七時半・・・ 生活家庭館の二階の和室・・・「シーン」・・・何か感じる空気・・・・
これが気功の雰囲気なのかな・・・と感じ始めたこの頃です。  
中村先生の指導を受け始めて二年半ほどが過ぎました。  どんなことも人より倍かかる 私だと
分かっていても ひとつ ひとつのゆったり、と美しい動きの先生には容易に真似すら出来ません。

でも、週一回のレッスンに参加している内に なかなか美しい型はとれないけれど 要は早くよりも
繰り返し と云う事ではないかと 思うようになりました。  そういえば気功の「功」の字には
繰り返しと言う意味があった様な気がします。

毎日練功することによって少しずつ上達していき その為に長い時間が必要なのかと思っています。
十二法の 一つ一つにも奥深い動作があると教えられ 本当にそうだと思います。

年齢は 否応なしに とって行くけれど、 それに平行して気功も太極拳も育ってくれたらと思います。
それに又 まだまだ 遠い先に「気」を感じられる事も 出来たらと思うと 毎週のレッスンが励みです。
老年の生活にぴったりのハードでなく 静の中に気を感じる健康法こそ 気功太極拳だと思っています。
これからも よろしく ご指導を お願い致します。

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B
気功とウオーキング
   レポート  H Kさん 二段
私は長年、 一日40KM〜50KMを 2〜4日続けて歩く長距離 ウオーキングに親しんできましたが
かつて一緒に歩いていた健脚のウオ−カー達が、50〜60歳代になると長続きせず、 意外に短命な
人が多い事に疑問を持っていました。  

反面、年輩で 長く歩き続けている人たちを観察していると、 歩く事以外に、 太極拳、ヨガ、合気道
居合 など、色々な事をやってる人が多い事を知り ただ歩いてるだけではダメだと 考えるように
なりました。  

そのようなことから、私が少年時代に中国で見ていた、太極拳の事を思い出し、60歳になったのを
機会に、 日本気功協会で 無極静功を学ぶ事になりました。

始めてみると、最初は膝が痛く、 脚が 思うように動かない事に 驚きました。
歩く事で 脚は大丈夫だと 自信を持っていただけに ショックでした。
無理な歩き方で膝に柔軟性が 失われていた何よりの証拠です。 でも、一年もする内に体は慣れ
養生十二法と 太極24式の 一応の形を覚える事が出来、 ウオーキングも以前より体が軽くなった
ように思えました。

続いて 2年目に入り、仕事の関係で 火曜日の夜の教室に移り推手を やることになりましたが
腰が思うように動かない、 活歩推手では 脚がもつれる、 すぐ息切れがして続けられなくなる。
これは 大変な処に入ってしまったと思いました。

しかし、柔道部で毎日猛稽古に励んでいた中学1〜2年の頃 同年輩の中国の中学生が太極拳を
練習していた姿が懐かしく思い出され 、 とにかく1〜2年 続けてみよう、 この歳でも体が
慣れてくるだろうと思い直し、 毎週欠かさず、 自宅で約一時間の練功を続けました。

結果として、 月日が経過するうちに体は柔軟性を取り戻し、 無駄な力を使わないようになり
腰の動きも、脚の動きも、スムーズになると同時に、 丹田を中心に気の感覚も加わって、
リラックスした気分と安定感が 身についてきました。

      ーーー歩き方が変るーーー 
その間も、相変わらず、 長距離ウオーキングに挑戦を続けていましたが 気功を始めて何年か後
 自分の歩き方が変った事に 気づきました。
いつも30〜40キロの地点で感じた、 足首と膝の痛みが いつの間にか消え、 時速6〜7キロ
で歩いた ハイペースのウオーキングが 、 時速5キロ 程度のゆっくりした自分なりの歩き方に
なってきました。
自分のペースをつかみ、 リラックスした気持ちで歩いていると、 体が安定し、脚にも無理がなく
自然に腹式呼吸になり、 いくら歩いても疲れません。

このような時の歩く姿は、背筋を延し 顎を引き まさに 「尾閭中正神貫頂」の境地です。
気功 太極拳もウオーキングも 自分なりのリズム  ペースを把握していくことが大事であり
そして、両者共に自分なりに相乗効果をもたらしてきていることを、次第に自覚するようになりました

      ーーーこれからーーー
当初 10年続けられれば一応習得できるだろうと 考えていた気功と太極拳ですが
9年目になって 逆に実技・理論共に未熟だということが 判るようになり、10年では、
ようやく基礎が身に付く程度で 、むしろ これからが本当の勉強なんだという気持ちになって
います。  そうした意味で、これから更に10年 20年と 気功と太極拳を練功しながら
ウオーキングもまた 自然体で続けていこうと思います。

但し、 70すぎたら、長距離ウオーキングは 10〜20キロに止め、徐々に気功 太極拳に
重点を移していきたいと 考えています。

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東京  HKさん 二段

C
     レポート  DTさん 三段      

「柔らかさ」は太極拳の技術の中心にありながら最も理解されにくい概念なのでは
ないでしょうか  24式の練習では 柔らかくても、実際の組み手となると つい力まかせの
「推手」になりがちです。 最初は「柔らかく」推していても、強く推されれば自然と対抗します
推し返し、またそれを推し返す  流され、流す 流された方は流されまいと頑張る

流す方もそれに負けまいと力を込める。 次第に力が入ってしまいます。
このような推手では常に、 力の強い人が有利です 年配者より若者が、 女性より男性が
有利なのです   推手では柔らかい方が優勢だと言われます。 
ほんとうに 「柔らかい」が優位にたてるのでしょうか。

ーーー範囲を意識するーーー

定歩推手の場合には、 力の強弱に大きな差があっても、 お互いの攻撃範囲に それほどの
差はないことが分かります。 一杯に伸ばした相手のリーチは、限度以上には伸びません。
恐れずに、相手の攻撃の届く範囲を見極める事が大切です。

手首を攻められると、多くは腕を使って守ります。 肩が痛くなるのは この部分に力が集中
するからです。 この場合は腕にこだわらず、 肩をおろし、背筋を伸ばして、身体をゆるめます
身体を柔らかくすれば 手首への力が肘に通じますから 肘で力の方向を変えてやることが
できます。  注意深く細かく動き、 攻撃の力が自分の範囲から 逸れていけば成功です。

肘まで攻め込んでくれば 肩も使います。 手首・肘・肩と使う事で攻撃がからだに届くまでの
距離が伸び、 その分変化の余地ができて、自分の範囲が広くなる。「ふところが深く」
なるわけです。

ーーー中心を考えるーーー

距離から見れば 相手の攻撃が届くか届かないか  また 角度から考えると中心から
外す事ができるかどうかが守りのポイントとなります。
力づくで攻めてくる相手なら、 かえって明確です。 膝をゆるめ腰を落とし、身体を正しく合わせ
手首を柔らかくして相手に攻めさせる。 肘を使い、肩を使って攻撃を受けます。

相手も限度一杯まで伸びてきます。 しかし、伸びれば伸びるほど 力の方向は小さく限定され
ます。距離が伸びれば、 角度の変化は小さな動作で充分なのです。

逆の立場から見ると 柔らかく反応してくる相手との推手では、なかなか、目標を絞る事が
できません。  まっすぐ伸ばしてもなかなか相手に届かない ほんの数ミリ、あるいは
もっと微妙な動きで攻撃が無力化させられてしまいます。

中心線とは変化の軸のことですが、 小さく自分の中心をそらすことができれば力を用いずに
相手の攻撃をコントロールすることができるのです。
もう 力だけでは攻めることが出来ません。

細かな変化に対しては それを凌駕する攻める柔らかさが必要です。
推す力より まさに 推す技術が必要になるのです。

ーーー推手と気功ーーー

太極拳の柔らかさには 気功の練習が必要です。
私は推手の内容の多くは気功の練習の中にあると考えています 武術の功を急いでは
もっとも大切な内容を欠くことにもなりかねません。  姿勢を調えると呼吸は安定し、
気感を導きます。  そのまま続けると身体は暖かくなり 内部に様々な動きが生じます
動きを感じながら身体の隅々まで協調させれば呼吸はより細かくなり
身体の安定と統一が得られます。

身体の統一感は形の基礎です。
内気は変化に欠かせない 内部の繋がりの感覚です。
呼吸の細かさは、推手の緻密な変化を実現するものなのです。

楽しく交流できる推手も静かに形を練って養う気功も「柔のきわみ」に至る
同じ道であると私は確信しています。
そして、「気功を楽しみ、太極拳を極めれば、 嬰児のように屈託がない」のです。

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東京  DTさん 三段

D
ーー処処是中心ーー
   レポート  EK さん  初段
子供の頃 熱心に観ていた TV番組(ジャガーの眼) により中国拳法の魅力に取り付かれ
武術への強い憧れが生じたようです。  中学・高校時代は「柔道少年」 としてすごし 大学では是非とも
入りたかった少林寺拳法クラブがなく  ギターとビートルズに狂いっぱなしで  結局の所 武術的には
空白の四年間を過ごしてしまいました。 

憧れの少林寺拳法を始めたのは 大学卒業後 、 二十代半ばになってからでしたが、 生傷が絶えず
仕事にも差し支えるようになり、 数年で断念せざる得ませんでした。 しかし、 同じ頃始めたヨガや 
野口体操 を通して東洋医学に興味を持つようになり、 本格的に学ぼうと専門学校に通いだしました。
仕事をしながらの夜間の勉強でしたが、 指圧師の資格を正式に取得し 自宅で開業 以来二十年に
なります。武術から健康法への方向転換でした。

太極拳との初めての出会いは 1977年 楊名時太極拳二十四式でした。 現在に至るまで二十年にわたり
稽古しつづけております。 そして その間 多くの先生から教えを受けてまいりました。
楊進先生からは 推手と形意拳の基礎を  中野晴美先生からは 伝統楊式太極拳と陳式太極拳
老架一路  二路 剣等を 教えて頂きました。

1984年以来 千葉県能忍寺の山口博永老師 からは陳式太極拳の新架一路と座禅の指導を受け続けて
おります。 このような修行と求道の途上において  出合ったのが 無極静功 薛永斌老師でした。
 直接的には 太極拳の仲間であった 龍野和子さんの強いすすめと導きにより 1993年に無極静功に
入門させていただきました。

初めてお会いした 薛先生は中肉中背、 穏やかな人柄で  どうしてこの人が中国武術の達人なのだろう
かと 不思議に思えました。

       −−−静けさと強さとーーー

「日本人の太極拳には中身がない」 「太極拳をやる人は、気功もやらなければいけない」 「無極静功を
練功することによって、自分の武術(太極拳)が大変強くなった」
これらの薛先生の言葉が私の胸にズッシリと 重くひびいていたのです。

養生気功法を 指導されている時の 穏やかな静けさと  推手や武術を指導してくださるときの しなやかで
確かな強さ、 時に ハッとするほどの 武術家 としての鋭い眼の光。
この 両面が薛先生の魅力であり、 無極静功の魅力でもあるのです。  入門以来、丸四年たった今でも
益々その魅力にひかれています。

薛先生は 武術家としての実力と それを裏付ける理論、 深い学識をそなえた稀有な存在の老師です。
私の二十年にわたる太極拳練功の総仕上げを、今、していただいているという 思いで胸がいっぱいです。
私自身 数箇所で 太極拳の指導をしており 薛先生からの教えが非常に勉強になり 役立っております

50歳を迎えるに当たり 思う事は 指圧の治療と太極拳の指導が 私の天職であり、さらに将来には
無極静功の指導にも たずさわりたいということです。

      −−−処処是中心ーーー

「処処是中心」 ーー 宇宙(大宇宙及び小宇宙たる人体)には中心がないので どこでも中心になりうるーー
この 無極静功の根本命題を いつの日か身を以って悟り、 調和統一された自然で美しい心身が得られる
よう 努力しつづけていきたい 、と願いつつ。

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神奈川  EKさん  初段

E
---基本からしっかり学ぶーーー
     レポート  KHさん  
無極静功を始めて 一年七ヶ月になります。 その三年ほど前に 整体を受けたことから 「気」という
ものに 関心を持ち 気功に関する本を読み 気功を学びたいと思うようになりました。 無極静功の本
を読み 形と気について、深く、実践と研鑽を積んでいることに 心ひかれました。

教室の初日「さあ始めましょうか」という先生の声とともに、廻りの空気が急に変ったように感じながら
先生の正面で、 先生の声に従い、動作を追い 何か凝縮したような時間を感じ 終了した時には
全身がマッサージを受けたような虚脱感がありました。  そして長いこと苦しんできた左腋と左胯関節
の 違和感が、薄らいでいる事に気づきました。

その日から 毎日一時間ほど 先生が説明された事を思い出しながら練習を始めました。
 教室に何度か通ううちに「言葉」「イメージ」が 重要な物だと思いました。
運気法 回転式で 腰からといって 手を回転されました。外からではわかりませんが、触れば、腰
腰椎の一点が、 グリッと動くのがわかります。 腰から動く、 これが基本ですと言われました。

今できないこと 今分からない事でも  腰からということをイメージして動作する。それは 自分でも
出来るように思いましたが  実際には忘れていて 時々思い出し腰を意識し、 そしてまた忘れ
イメージがおろそかになる、 その繰り返しでした。

           −−−時間をかけてーーー

行歩法でも イメージを持って動作することが 、 いかに大切かを説明されました。
毎日30分やって 足首が水の中を歩くような感じになる迄に3年 膝で5年 最後は胸ですが
7〜8年 といわれたように記憶してます。  この習得できるまでの長い年月に、 私は無極静功の
奥深さを感じました。
そして、正しい形を習得するには 正しいイメージをしっかりと持って、地道にやっていく以外ないと
思いました。

しかし、実際にはなかなか思うようにいきませんでした。 運気法の練習をしていた時、両掌に激しい
熱感があり  教室での練功中には、耐えがたい感じに変ってきました。
先生にお話しすると、 それはよくあることです。 あまりそれを意識せずに、左右 上下 身体全体を
みるようにすれば いいでしょうと言われました。  そのようにして 激しい感じは次第になくなり
ましたが  半年ほど経った頃 今度は 三円式を30分位 続けていると 両手が少しずつ開いて
いってしまうようになりました。

先生にお話すると 皆さんの前でどうぞ と言われ 私は毎日やっている通りに立ちましたが
即座に 直されました。  胸の前で 大きくボールを包むようにし、 中指を向かい合わせるように
直されると  何かがパッと膨らみ 、 気持ちまで急に明るくなり、 アッという間に 深い心地よさ
と充実感に 包まれました。 不思議でした。 それまで、 20〜30分やってやっと得られた物
それよりずっと 深い感覚が 瞬時に得られる。

            −−−内部の感覚が変化するーーー

私は 不思議さと、 眼の前が急に明るくなったような喜びを感じていました。
それからは、 三円式では 比較的短時間で 一定の感覚が得られるようになり、徐々に拝仏式に
時間をかけるようにしました。 すると、 今度は骨盤のあたりが ピシッとなるようになり それは内気が
強くなり  身体の歪を内部から調整しているので、 大丈夫ですと言われました。

私は 無理せず 拝仏式の時間を延ばしていき、 できるだけ楽に立つようにし、 三度目の説明を
受けた時には 、 かなり楽に立てるようになっていました。
三度目の順気法の説明を受け 左手は鼻先 右手はお腹の前にした形の調整を受けた時
私は 身体の空間が変るような非常に強い感覚を持ちました。  僅かな位置の調整だったと思いますが

内部感覚の変化は大変に大きいものでした。 そして、上下に回転していくと、 背中あたりが、解き
ほぐされていくようでした。  私は 形とその形のうみだす気の関係を、 少し理解できたように思い
ました
今 三度目の 静座養神法の話を聞き  見せていただいた気功と 座禅との僅かな違い それによる
内面の大きな違い  それらについて思い浮かべては、 形の差異を注視しています。

正しい形 余裕があり 身体全体の充実感と満足感、 この事は絶えず忘れることなく日々、
練功を続け  いつに日か武術も学びたいと思っています。


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東京  KHさん

太極拳系譜