昭和SPレコード歌謡(昭和流行歌)名曲アルバム


昭和流行歌史・昭和SPレコード歌謡代表曲一覧菊池清麿


なつかしの歌声・掲示板



戦前・戦中日本流行歌史 昭和SPレコード歌謡書誌(戦前編) 
 戦前の代表曲を中心に編纂(監修・
菊池清麿

近代日本の流行歌の流れがわかる。貴重な一覧表。昭和という時代を反映した名曲の数々。なつかしの歌声と思い出のメロディーが満載。昭和のモダン空間と風景に流れたこれらの楽曲は、昭和流行歌史、昭和歌謡史にとどまらず、近代以降の日本音楽史、日本ポピュラー史に燦然と輝く音楽文化である。

『日本流行歌変遷史』(菊池清麿・著/論創社)
昭和初期、アメリカから電気吹込みを完備した外国レコード産業の到来によって、日本の歌謡曲は誕生した。そして、日本流行歌の変遷の歴史がはじまるのだ。外資系レコード会社も誕生し、近代詩壇で鍛えた作詞家、クラシック・ジャズ系作曲家、音楽学校出身の洋楽演奏家によって作られた歌謡曲の世界が戦後、ビートルズの来日によって、大きく変貌し消滅しJ・ポップが誕生した。日本流行歌の波乱に満ちた変遷史の決定版。近代日本音楽史の一断面でもある。

《SPレコード歌謡史概説・昭和三年》大正時代の流行歌は、街頭で演歌師が歌い流行らして歌をレコード会社がレコードにした。ところが、電気吹込みシステムを完備した外資系レコード会社が日本に製造会社を作ようになると事情が変わった。昭和二年五月、日本ポリドール蓄音器商会、昭和二年九月、日本ビクター蓄音器株式会社、翌三年一月には日本コロンビア蓄音器株式会社が設立し、レコード会社が企画・製作して宣伝をして大衆に選択させるという時代になった。作詞も詩壇で鍛えた詩人たちが歌謡作家として登場した。殊にフランス象徴派詩人の西條八十が流行歌の作詞をすることは驚きであった。昭和SPレコード歌謡は、民衆歌曲の大御所中山晋平を擁するビクター独走で幕を開けた。晋平節の第一人者佐藤千夜子が歌う《波浮の港》は10万枚のヒットとなった。また、我らのテナー藤原義江の赤盤レコードも好評だった。欧米の舞台で活躍した藤原義江のテノールは愁いがあり日本情緒にも溢れ、洋楽愛好家に喜ばれた。藤原は、独特のフレージングと歌唱表現で《出船》《出船の港》などをヒットさせた。昭和モダンはジャズブームを迎えるが、二村定一のジャズ・ソングは、時代の尖端だった。二村は、浅草オペラ出身の歌手で大正十四,五年ころからジャズソングをニッポノホンに吹込んでいた。昭和三年、二村が歌った《青空》《アラビアの唄》はヒットし一躍人気歌手に押し上げた。二村定一は、藤原義江のようにオペラの発声法ではなく日本語を明瞭に発音した。これに影響受けた東京音楽学校の秀才増永丈夫が正統な声楽技術を解釈したクルーン唱法で後にヴォーカル革命をもたらす。
  年 新譜月  歌 曲 名  作 詞 者  作 曲 者  歌 手  レコード番号 レコード会社  備 考
昭和3年   2月 出船
勝田香月
杉山長谷夫
藤原義江
1230B
ビクタ
昭和3年   2月 出船の港 時雨音羽
中山晋平 藤原義江 1230A ビクタ
昭和3年   4月 道頓堀行進曲 日比繁次郎
塩尻清八 筑波久仁子
2905A ニットー
昭和3年   5月 鶯の夢 野口雨情 中山晋平 佐藤千夜子 50313B ビクター
昭和3年   5月 波浮の港 野口雨情 中山晋平 佐藤千夜子 4042A ビクター
昭和3年   5月 マノン・レスコオの唄 西条八十 中山晋平 佐藤千夜子 50321A ビクター
昭和3年   5月 あほ空 堀内敬三・訳 ドナルドソン 二村定一 16855A ニッポノホン
昭和3年   5月 アラビアの唄 堀内敬三・訳 フィッシャー 二村定一 16855B ニッポノホン
昭和3年   7月 波浮の港 野口雨情 中山晋平 藤原義江 50313B ビクター
昭和3年   7月 当世銀座節 西条八十 佐々紅華 佐藤千夜子 50371A・B ビクター
昭和3年   7月 鉾をおさめて 時雨音羽 中山晋平 藤原義江 4043A ビクター
昭和3年   8月 須坂小唄 野口雨情 中山晋平 佐藤千夜子 50385A・B ビクター
昭和3年   9月 浅草行進曲 多蛾谷素一 塩尻清八 二村定一
天野喜久代
3140A ニットー
昭和3年  10月 青空 堀内敬三・訳 ドナルドソン 二村定一
50460A ビクター
昭和3年  10月 アラビアの唄 堀内敬三・訳 フィッシャー 二村定一 50460B ビクター
昭和3年  10月 椿姫 永井花水 中山晋平 佐藤千夜子 50359A ビクター
昭和3年  10月 恋愛行進曲 正岡蓉 鳥取春陽 南地金龍 4440A オリエント
昭和3年  11月 この道 北原白秋 山田耕筰 藤原義江 35005A コロムビア
昭和3年  11月 あほ空 堀内敬三・訳 ドナルドソン 二村定一 25303A コロムビア
昭和3年  11月 アラビアの唄 堀内敬三・訳 フィッシャー 二村定一 25303B コロムビア
昭和3年  11月 ラモーナ 作間博司・訳 メーベル・ウェイン 作間毅 50465A ビクター
昭和3年  11月 御大典行進曲 正岡蓉 鳥取春陽 奈良貫一
井上起久子
4466A
オリエント
昭和3年  11月 ダンスの唄 鳥取春陽 鳥取春陽 奈良貫一
井上起久子
4466B オリエント
昭和3年  12月 バルセローナ 作間博司・訳 エヴァンス 作間毅 50438A ビクター
昭和3年  12月 ハワイの唄 堀内敬三 コーベル 二村定一 50491A ビクター
昭和3年  12月 出船の港 時雨音羽 中山晋平 佐藤千夜子 50502B ビクター
昭和3年  12月 笑い薬 佐々紅華 佐々紅華 二村定一 50494A ビクター
昭和3年  12月 旅人の唄 野口雨情 中山晋平 佐藤千夜子 50502A ビクター
昭和3年  12月 銀座行進曲 正岡蓉 塩尻清八 内海一郎 3440A ニットー
昭和3年  12月 道頓堀行進曲
日比繁次郎 塩尻清八 内海一郎 3440B ニットー
《昭和SPレコード歌謡史概説・昭和四年》昭和四年一月新譜でビクターから発売された《君恋し》が二村定一の歌唱でヒットした。これは、レコード会社が企画して歌謡作家、作曲家に依頼して製作し初めてヒットしたレコードだった。作曲者の佐々紅華は、ジャズのリズムと日本情緒を融合させた流行歌を作り、二村定一とのコンビでヒットを放った。つづいて、ビクターから六月新譜で発売された《東京行進曲》が大ヒット。昭和モダン風景が流行歌になった。歌唱者の佐藤千夜子は、女王の座に上りつめた。ジャズ、リキュール、シネマ、などのもモダニズムの記号がちりばめられ、まさにモダン都市東京のカリカチャーだった。当時は、マルクス主義の全盛の頃で、〈シネマみましょうか、お茶のみましょか、いっそ、、小田急で逃げましょか〉は最初、〈長い髪してマルクスボーイ、今日も抱える赤い恋〉だった。西條八十は、当時、ビクターの文芸部長だった岡庄五の「官憲がうるさい」という言葉に折れて瞬時に言葉を組み替えた。《東京行進曲》は、レコード会社と映画会社の提携企画による映画主題歌第一号である。レコードと映画が同時に企画制作されヒットしたのはこれが最初である。佐藤千夜子は、山形の天童出身、女子音楽学校で声楽を学び東京音楽学校に進んだが中山晋平の新民謡運動に共鳴し退学して演奏活動に入った。この年の暮れ、プレクトラム音楽に新風を巻き起こした古賀正男(後の古賀政男)の作品が佐藤千夜子によってビクターのスタジオで吹込まれた。
昭和4年   1月 君恋し 時雨音羽 佐々紅華 二村定一 50559A ビクター
昭和4年   1月 ヴォルガの船唄 門馬直衛 ロシア民謡 二村定一 50559B ビクター
昭和4年   1月 東京行進曲 正岡蓉 塩尻精八 井上起久子 3231A ニットー
昭和4年   2月 竜峡小唄(上) 白鳥省吾 中山晋平 葭町二三吉 50618A ビクター
昭和4年   2月 竜峡小唄(下) 白鳥省吾 中山晋平 竜峡小唄会員 50618B ビクター
昭和4年   3月 鞠と殿様 西条八十 中山晋平 佐藤千夜子 50624B ビクター
昭和4年   4月 神田小唄 時雨音羽 佐々紅華 二村定一 50677A ビクター
昭和4年   5月 上州小唄 野口雨情 中山晋平 佐藤千夜子 50745A ビクター
昭和4年   5月 上州小唄 野口雨情 中山晋平 藤本ふみ
藤本はな
50745B ビクター
昭和4年   5月 お菓子と娘 西條八十 橋本国彦 奥田良三 50716A ビクター
昭和4年   6月 黒い眸 堀内敬三 堀内敬三 二村定一 50746A ビクター
昭和4年   6月 東京行進曲 西条八十 中山晋平 佐藤千夜子 50755A ビクター
昭和4年   6月 紅屋の娘 野口雨情 中山晋平 佐藤千夜子 50755B ビクター
昭和4年   6月 黒い眸よ今いずこ 堀内敬三 堀内敬三 天野喜久代 25537A コロムビア
昭和4年   7月 モダン東京 時雨音羽 井田一郎 鈴野雪夫 50805B ビクター
昭和4年   7月 浪花小唄 時雨音羽 佐々紅華 二村定一 50793A ビクター
昭和4年   7月 沓掛小唄 長谷川伸 奥山貞吉 川崎豊
曽我直子
25584B コロムビア
昭和4年   8月 愛して頂戴 西條八十 蒲田音楽倶楽部 佐藤千夜子
50901A ビクター
昭和4年   9月 緊縮小唄 西條八十 中山晋平 葭町二三吉 50937A ビクター
昭和4年   9月 摩天楼 時雨音羽 佐々紅華 佐藤千夜子 50936A ビクター
昭和4年   9月 大阪行進曲 松本英一 近藤十九二 植森たかを 25619B コロムビア
昭和4年  10月 黒ゆりの花 時雨音羽 佐々紅華 佐藤千夜子 50881A ビクター
昭和4年  10月 都会交響楽 西條八十 佐々紅華 二村定一
青木晴子
50942A ビクター
昭和4年  10月 蒼白き薔薇 西條八十 堀内敬三 青木晴子 25641A コロムビア
昭和4年  10月 蒲田行進曲 堀内敬三 ロンバーク 川崎豊
曽我直子
25640A コロムビア
昭和4年  10月 ストリートガール 加藤源水 鳥取春陽 鳥取春陽 60062A オリエント
昭和4年  10月 エレベーターガール 小国比沙志 伊野冷晃 鴨川京子 3757A ニットー
昭和4年  10月 円タクガール 小国比沙志 伊野冷晃 鴨川京子 3757B ニットー
昭和4年  11月 舞鶴小唄 時雨音羽 中山晋平 葭町二三吉 50933A・B ビクター
昭和4年  11月 河原柳 野口雨情 中山晋平 四家文子 50929A ビクター
昭和4年  11月 モダン節 時雨音羽 佐々紅華 二村定一 50930A ビクター
昭和4年  11月 浜辺の唄 鳥取春陽 鳥取春陽 石田一松 70078B ヒコーキ
昭和4年  12月 不壊の白珠 西條八十 中山晋平 四家文子 50986A ビクター
《昭和SPレコード歌謡史概説・昭和五年》昭和五年は、エログロナンセンスの世相がSPレコード歌謡にも表れた。昭和モダン、モダニズムの狂騒のようだった。昭和五年一月に断行された金解禁は前年のウォール街の株の暴落のあおりを受け失敗。昭和恐慌によって、日本経済は破綻した。都市には失業者が溢れ、農村は悲惨な状況を迎えた.モダニズムの担い手である中間層は、戦争と恐慌の不安に脅え逃避の場を頽廃する娯楽に求めた。「カジノ・フォーリー」に代表されるエロ・グロ・ナンセンスの頽廃文化の状況が現れた。この年は、「十年に一人のソプラノ」といわれた淡谷のり子がポリドールでレコードを吹込みSPレコード歌謡レコード界に登場した。東洋音楽学校を首席で卒業し、新人演奏会で山田耕筰から絶賛された資質は、経済的事情から流行歌の世界で開花することになる。ポリドールは、流行歌においてコロムビア、ビクターに遅れをとったが、昭和五年一月新譜から流行歌も発売した。淡谷のり子のデビュー盤もそれに含まれていた。また、昭和五年、十月二十日、佐藤千夜子の歌唱で《影を慕いて》がビクターのスタジオで吹込まれた。ギター創作歌曲がついに民衆歌謡としてレコードになったのである。だが、レコードは売れず、藤山一郎の登場を待たなければならなかった。
昭和5年   1月 洒落男 坂井透?・訳 クラメット 二村定一 51013A ビクター
昭和5年   1月 祇園小唄(上)(下) 長田幹彦 佐々j紅華 二三吉 51037A B ビクター
昭和5年   1月 ウェートレスの唄 藤田まさと 福田蘭童 四家文子 105A ポリドール
昭和5年   1月 燃ゆる唇 内山惣十郎 センチス 奥田良三 107A ポリドール
昭和5年   2月 唐人お吉(黒船編)
唐人お吉(明烏編)
西條八十
西條八十
中山晋平
佐々紅華
佐藤千夜子
二三吉
51093A
51093B
ビクター
ビクター
昭和5年   2月 ブロードウェイ・メロディー 紙恭輔・訳 ブラウン 沢智子
徳山l
25745A コロムビア
昭和5年   2月 恋の思ひ出 鳥取春陽 鳥取春陽 鳥取春陽 5411A ツル
昭和5年   2月 アラその瞬間よ 松竹蒲田音楽部 竹下庄三郎 藤野豊子 51124A ビクター
昭和5年   4月 夜の東京 加奈木隆司 井田一郎 淡谷のり子 272A ポリドール
昭和5年   5月 銀座セレナーデ 西條八十 佐々紅華 二村定一 51208B ビクター
昭和5年   5月 上野小唄 鳥取春陽 鳥取春陽 黒田進 2535B ツル
昭和5年   5月 この太陽 西條八十 中山晋平 佐藤千夜子 51240A ビクター
昭和5年   6月 椿姫の唄 マキノ・プロダクション文芸部 鳥取春陽 黒田進 2540B ツル
昭和5年   6月 雨なかに歌う 堀内敬三・訳 ブラウン 二村定一 51256A ビクター
昭和5年   7月 乾杯の歌 村瀬好夫・訳 フェンスタッド 二村定一 51282A ビクター
昭和5年   7月 ザッツ・オーケー 多蛾谷素一 奥山貞吉 河原喜久恵 25933B コロムビア
昭和5年   8月 マダム神戸 西條八十 中山晋平 佐藤千夜子 51389A ビクター
昭和5年   8月 スピード小唄 英草花 近藤十九二 黒田進 25912B コロムビア
昭和5年   8月 新東京行進曲 西條八十 中山晋平 四家文子 51406A ビクター
昭和5年   9月 ラブ・パレード サトウ・八チロー 井田一郎・編 淡谷のり子 451A ポリドール
昭和5年   9月 尖端ガール 畑喜代司 麦島記麿 羽衣歌子
三島一声
479A ポリドール
昭和5年   9月 二八娘 平井潮湖 鳥取春陽 黒田進 黒田進 ツル
昭和5年  10月 京都行進曲 西條八十 中山晋平 四家文子 51486A ビクター
昭和5年  12月 恋人 中村彼路子 井田一郎・編 二村定一
淡谷のり子
547A ポリドール
昭和5年  12月 思い直して頂戴な 塚本篤夫 鳥取春陽 川田定子 60348A オリエント
《昭和SPレコード歌謡史概説・昭和六年》昭和六年四月重要産業統制法が公布された。政府は、一般大衆を切り捨てる政策をとりカルテルを促進させ財閥の擁護を図った。この年は、昭和モダンの翳で泣く女給の涙を歌った《女給の唄》、東京音楽学校(現芸大)出身のバリトン歌手徳山lが堂々と歌った《侍ニッポン》などが流行した。いづれも作詞は西條八十。昭和六年、九月十八日、奉天郊外の柳条湖で南満州鉄道を爆破し、これを中国軍の行為とみせかけて関東軍は軍事行動を開始した。これが満州事変に発展した。このような暗い世相を背景に古賀メロディーが一世を風靡した。これまで劣勢だった日本コロムビアは,いっきに巻き返すことになる。歌唱者の藤山一郎は、当時、東京音楽学校(現芸大)の学生で将来をバリトン歌手として嘱望されていた。昭和恐慌で傾いた生家の借財返済のためのアルバイトだった。豊かな声量をメッツァヴォーチェの響きにしてマイクロフォンに効果的な録音をした。クルーン唱法によって古賀政男の感傷に溢れたギターの魅力を表現した功績がある。また、その一方で、スピントの効いた張りのある美声で《丘越えて》に代表されるように古賀メロディーの青春を高らかに歌った。だが、あまりにもレコードが売れたため、学校当局が知ることになり、藤山一郎(増永丈夫)は、一ヶ月の停学処分となった。
昭和6年   1月 日本橋から 浜田広介 古賀正男 佐藤千夜子 51519A ビクター
昭和6年   1月 影を慕いて 古賀正男 古賀正男 佐藤千夜子 51519B ビクター
昭和6年   1月 女給の唄 西條八十 塩尻精八 羽衣歌子 51533A ビクター
昭和6年   1月 マドロス小唄 横沢千秋 小松平五郎 淡谷のり子 K7A キング
昭和6年   2月 水平線よ 幸坂佳都夫 小松平五郎 淡谷のり子 K11B キング
昭和6年   3月 かんかん虫は歌う 長田幹彦 松平信博 徳山l 51673A ビクター
昭和6年   4月 侍ニッポン 西條八十 松平信博 徳山l 51645A ビクタ
昭和6年   4月 酒が飲みたい 森岩雄 バートン・クレーン クレーン 26177A コロムビア
昭和6年   4月 有憂華の唄 サトウ・八チロー 堀内敬三 平井美奈子 S6A ポリドール
昭和6年   6月 パリの屋根の下 西條八十 モレッティ 田谷力三 51774A ビクター
昭和6年   6月 乙女心 鹿山鶯村 古賀政男 関種子 26275A コロムビア
昭和6年   7月 弁天小町奴の唄 畑喜代司 麦島紀麿 黒田進 26320A コロムビア
昭和6年   7月 キャンプ小唄 島田芳文 古賀政男 藤山一郎 26325A コロムビア
昭和6年   7月 月の浜辺 島田芳文 古賀政男 河原喜久恵 26325B コロムビア
昭和6年   7月 思い直して頂戴な 塚本篤夫 鳥取春陽 梅村早苗 3050A タイヘイ
昭和6年   8月 広島行進曲 畑喜代司 麦島紀麿 黒田進 26413A コロムビア
昭和6年   8月 麦笛 川路柳虹 小松清 吉田満喜子 K83B キング
昭和6年   8月 木流し 白鳥省吾 福田蘭童 平井奈美子 K76A キング
昭和6年   8月 楽しき団欒 西岡水朗 ビショップ 黒沢貞子 K77A キング
昭和6年   9月 心の日月 菊池寛 ポリドール文芸部 小杉鶴子 909A ポリドール
昭和6年   9月 やるせなや 米村耳火二 井田一郎・編 藤山一郎
淡谷のり子
26424B コロムビア
昭和6年   9月 ルンペン節 柳水巴 松平信博 徳山l 51995A ビクター
昭和6年  10月 酒は涙か溜息か 高橋掬太郎 古賀政男 藤山一郎 26486A コロムビア
昭和6年  10月 私此頃憂鬱よ 高橋掬太郎 古賀政男 淡谷のり子 26486B コロムビア
昭和6年  11月 愛人よ我に帰れ 服部竜太郎・訳 井田一郎・編 藤山一郎 26535A コロムビア
昭和6年  12月 丘を越えて 島田芳文 古賀政男 藤山一郎 26624A コロムビア
昭和6年  12月 窓に凭れて 島田芳文 古賀政男 関種子 26624B コロムビア
昭和6年  12月 恋の巴里っ子 如月敏 豊田義一・編 佐久間武 1016B ポリドール
昭和6年  12月 生活戦線ABCの歌 サトウ・ハチロー 杉山長谷夫 矢追婦美子 S24A ポリドール
《昭和SPレコード歌謡史概説・昭和七年》昭和七年の世相は、血盟団事件、五・一五事件、坂田山心中、など暗い陰影を露にしていた。そのような時代相を反映した藤山一郎歌唱による《影を慕いて》が一世を風靡した。続いて徳山l・四家文子歌唱の《天国に結ぶ恋》が流行した。徳山lは、すでに前年の《侍ニッポン》もヒットさせ流行歌手の地位を得ていた。共演者の四家文子も東京音楽学校の出身の声楽家(アルト)で《銀座の柳》をヒットさせた。また、ビクターでは、《涙の渡り鳥》で新鋭佐々木俊一が登場。彼は、東洋音楽学校を中退しビクターのオーケストラの一員でドラムを叩いていた。これを歌った小林千代子は東洋音楽学校出身で、当初は金色仮面という覆面歌手で話題をまいた。《涙の渡り鳥》のときは覆面は脱いでいた。ポリドールからは、海軍軍楽隊出身の江口夜詩が《忘られぬ花》をヒットさせ古賀政男に対抗した。江口メロディーのスタートである。これを歌った池上利夫は、福田恒治といって東京音楽学校師範科の生徒だった。すでに、ニットから、大川静夫の名前で《夏は朗らか》を歌いデビューしていた。
昭和7年   1月 スキーの唄 島田芳文 古賀政男 藤山一郎 26671A コロムビア
昭和7年   1月 美わしの宵 島田芳文 古賀政男 関種子 26671B コロムビア
昭和7年   1月 満州行進曲 大江素天 堀内敬三 徳山l 52134A ビクター
昭和7年   1月 エンコの六 サトウ・八チロー クロヘイ 藤山一郎 1073A ポリドール
昭和7年   1月 仇討選手の歌 室田新 ゼームス・ダン 藤山一郎 1081A ポリドール
昭和7年   2月 嘆きの夜曲 西岡水朗 古賀政男 関種子 26698A コロムビア
昭和7年   2月 御次郎吉格子 吉川英治 近藤政二郎 藤山一郎 1109A ポリドール
昭和7年   2月 夜の酒場に 西條八十 松平信博 徳山l 52166B ビクター
昭和7年   3月 影を慕いて 古賀政男 古賀政男 藤山一郎 26748A コロムビア
昭和7年   4月 夜の酒場に 西條八十 松平信博 徳山l 52166B ビクター
昭和7年   4月 銀座の柳 西條八十 中山晋平 四家文子 52172A ビクター
昭和7年   4月 鳩笛を吹く女の唄 犬童信蔵 古賀政男 井上静雄 26819A コロムビア
昭和7年   4月 風も吹きよで 西岡水朗 古賀政男 丸山和歌子 26819B コロムビア
昭和7年   4月 肉弾三勇士 長田幹彦 中山晋平 オリオン・コール 52207B ビクター
昭和7年   5月 爆弾三勇士の歌 与謝野寛 辻順治 戸山学校軍楽
3601A
ポリドール
昭和7年   5月 あけみの唄 原阿佐緒 古賀政男 関種子 26828A コロムビア
昭和7年   5月 軍事密偵の唄 浦路耕之助 江口夜詩 藤井竜男 5623A ニットー
昭和7年   6月 さらば上海 時雨音羽 古賀政男 関種子 26875B コロムビア
昭和7年   6月 カチューシャの唄 島村/相馬・共作 中山晋平 佐藤千夜子 52393B
ビクター
昭和7年   7月 走れ大地を 斉藤竜 山田耕筰 中野忠晴 26963A コロムビア
昭和7年   7月 高原の唄 島田芳文 古賀政男 中野忠晴 26930A コロムビア
昭和7年   7月 朝顔の唄 佐藤惣之助 古賀政男 関種子 26967A コロムビア
昭和7年   7月 タンゴを踊ろうよ 佐伯孝夫 神戸道夫 四家文子 52333A ビクター
昭和7年   7月 天国に結ぶ恋 柳水巴 林純平 徳山l
四家文子
52352A ビクター
昭和7年   8月 夏は朗らか 松村又一 江口夜詩 大川静夫 5744A ニットー
昭和7年  10月 涙の渡り鳥 西條八十 佐々木俊一 小林千代子 52462A ビクター
昭和7年  10月 山は招く 島田芳文 佐藤吉五郎 佐藤行洋 27070A コロムビア
昭和7年  10月 幌馬車の唄 山田としお 原野為二 和田春子 E1929A パルロフォン
昭和7年  11月 忘れられぬ花 西岡水朗 江口夜詩 池上利夫 1262A ポリドール
昭和7年  11月 時雨ひととき 飛鳥井帆二 江口夜詩 渡瀬春枝 1262A ポリドール
昭和7年  11月 口笛吹いて 西岡水朗 江口夜詩 松平不二男 K186A キング
昭和7年  12月 別れの花束 時雨音羽 江口夜詩 春山一夫 K192A キング
《昭和SPレコード歌謡史概説・昭和八年》昭和八年三月、日本は満州国をめぐり英米と対立し国際連盟を正式に脱退した。これによって、日本は国際社会から孤立することになる。国内では、自由主義的刑法学説を提唱していた滝川幸l辰(京都帝国大学教授)が免職となるという滝川事件、日本共産党の最高指導者たちの獄中からの転向表明など、思想、学問への圧力が目立ちはじめた。昭和八年のSPレコード歌謡は、小唄勝太郎のハー小唄が一世を風靡。勝太郎神話が生まれる。昭和八年春、藤山一郎が東京音楽学校を卒業しビクターと専属契約を結ぶ。声楽家増永丈夫とテナー藤山一郎の二刀流。《僕の青春》は、晴れて卒業を祝福されるかのような青春讃歌だった。世の人々にも歓迎されて見事にヒットした。また、増永丈夫では、《第九》のバリトン独唱をこなし、「上野最大の傑作」を認識させた。コロムビアは、すでにポリドールから《忘れられぬ花》で売り出していた池上利夫を松平晃として入社させ対抗馬として期待した。古賀メロディーの《サーカスの唄》を吹込む。当時、松平は、東京音楽学校の師範科に在学中だったが、このヒットで秋には学校を退学した。また、コロムビアには江口夜詩が入社し《十九の春》をヒット。歌唱者は、東京音楽学校出身のミス・コロムビア(松原操)。松原は、同校の研究科に在籍中で修了するまでは本名を隠して吹込むという約束をコロムビアとかわしている。夏に入ると「ええじゃないか」の昭和版といわれた《東京音頭》が大流行した。この狂乱ともいうべき熱狂はファシズムの前夜を思わせた。
昭和8年   1月 恋ごころ 西條八十 古賀政男 長谷川一郎 27221A コロムビア
昭和8年   1月 港離れて 島田磬也 江口夜詩 大川静夫 5922B ニットー
昭和8年   1月 島の娘 長田幹彦 佐々木俊一 小唄勝太郎 52533A ビクター
昭和8年   3月 子守唄 西條八十 ホーランド 淡谷のり子 27279B コロムビア
昭和8年   3月 椿姫の唄 西條八十 江口夜詩 淡谷のり子 27280A コロムビア
昭和8年   3月 浮草の唄 久保田宵二 江口夜詩 ミス・コロムビア 27293A コロムビア
昭和8年   3月 港の雨 佐藤惣之助 江口夜詩 松平晃 27293B コロムビア
昭和8年   3月 濡れつばめ 湯浅みか 松平信博 市丸 52650A ビクター
昭和8年   3月 古きパイプ サトウ・八チロー 賀川貞 池上利夫 1313A ポリドール
昭和8年   3月 海のセレナーデ 時雨音羽 竹岡信幸 春山一夫 K216A キング
昭和8年   4月 僕の青春 佐伯孝夫 佐々木俊一 藤山一郎 52662A ビクター
昭和8年   4月 浅草の唄 西條八十 中山晋平 藤山一郎 52691A ビクター
昭和8年   4月 片瀬波 高橋掬太郎 池上敏夫 松山時夫 E2047B パルロフォン
昭和8年   5月 赤い花 佐伯孝夫 松平信博 藤山一郎 52656A ビクター
昭和8年   5月 サーカスの唄 西條八十 古賀政男 松平晃 27353A コロムビア
昭和8年   5月 来る来るサーカス 西條八十 古賀政男 淡谷のり子 27353B コロムビア
昭和8年   5月 マダム・バタフライの唄 西條八十 佐々紅華 淡谷のり子 27359B コロムビア
昭和8年   6月 ほんとにそうなら 久保田宵二 古賀政男 赤坂小梅 27404A コロムビア
昭和8年   6月 旅がらす 久保田宵二 古賀政男 中野忠晴 27404B コロムビア
昭和8年   6月 十九の春 西條八十 江口夜詩 ミス・コロムビア 27409A コロムビア
昭和8年   6月 大島おけさ 西條八十 中山晋平 小唄勝太郎 52768A ビクター
昭和8年   6月 燃える御神火 西條八十 中山晋平 藤山一郎 52768B ビクター
昭和8年   6月 島の御神火 島田芳文 近藤政二郎 松平晃 27435B コロムビア
昭和8年   6月 河原月夜 小沼宏 田村しげる 東海林太郎 K240A キング
昭和8年   7月 東京音頭 西條八十 中山晋平 勝太郎・三島 52793A ビクター
昭和8年   7月 天竜下れば 長田幹彦 中山晋平 市丸 52795A ビクター
昭和8年   7月 キューバの豆売り 森岩雄 シモンズ 川畑文子 27411B コロムビア
昭和8年   8月 波路を越えて 西條八十 江口夜詩 松平晃 27473A コロムビア
昭和8年   8月 故小妹 惟一倶楽部 スペイン古曲 藤山一郎 52756B ビクター
昭和8年   9月 東京祭 門田ゆたか 古賀政男 藤本二三吉 27509A コロムビア
昭和8年   9月 富山娘 長田幹彦 橋本国彦 藤山一郎 52859A ビクター
昭和8年  10月 野球おけさ サトウ・八チロー 大村能章 浅草吉奴 K275B キング
昭和8年  10月 蒙古の唄 川島芳子 杉山長谷雄 川島芳子 27544A コロムビア
昭和8年  10月 命かけて只一度 葉巻逸雄 ハイマン 奥田良三 10512A ポリドール
昭和8年  10月 モンテカルロの一夜 葉巻逸雄 ハイマン 奥田良三 10512B ポリドール
昭和8年  11月 秋の銀座 久保田宵二 江口夜詩 ミス・コロムビア 27580A コロムビア
昭和8年  11月 京都祭 久我荘多郎 片岡志行 藤村一郎 5590B テイチク
昭和8年  12月 キャラバンの鈴 川島芳子 杉山長谷夫 東海林太郎 K294A キング
昭和8年  12月 ハムレットの歌 西條八十 橋本国彦 藤山一郎 52943A ビクター
昭和8年  12月 大大阪祭 岡田千秋 江口夜詩 ミス・コロムビア 27630A コロムビア
昭和8年  12月 大阪音頭 佐藤惣之助 佐々紅華 藤本二三吉 27630B コロムビア
昭和8年  12月 佐渡を想えば 西條八十 佐々木俊一 小唄勝太郎 52963A ビクター
昭和8年  12月 娘ごころ 西條八十 佐々木俊一 小唄勝太郎 52963B ビクター
《昭和SPレコード歌謡史概説・昭和九年》昭和九年のSPレコード歌謡は、《さくら音頭》合戦、古賀政男を迎え東京進出をはたした新興勢力テイチク、ポリドールの東海林太郎旋風が話題であった。《赤城の子守唄》が空前の大ヒットとなった。当時の流行歌手は、徳山l、四家文子、関種子、藤山一郎、淡谷のり子などの音楽学校出身者が主流を占めていたが、東海林太郎は、音楽コンクールに入賞したとはいえ、その出身ではなかった。早稲田を終え満鉄に就職したがそこを辞して下八川圭祐に師事し歌手になったのである。放送オペラにも出演していたが、直立不動の姿勢を保ち澄んだバリトンでSPレコード歌謡において東海林太郎時代を築いた。昭和九年のSPレコード歌謡は、東海林太郎のポリドール、古賀政男を迎えたテイチクの新興勢力に名門もロムビアの江口ー松平コンビが対抗するという図式で展開する。江口夜詩は、古賀メロディーに無かった分野を開拓した。「曠野もの」といわれたジャンルである。松平晃が歌う《急げ幌馬車》がヒットした。古賀は、《国境を越えて》を作曲するが、ポリドールの東海林太郎が万感の思いを込めて歌った《国境の町》に完敗した。コロムビアを追いやられる形になった古賀政男の江口夜詩に対する対抗意識は凄まじいものであった。だが、藤山一郎無しでの古賀メロディーは苦戦をすることになるこの昭和九年のSPレコード歌謡には、外国のポピュラー曲に傑作が多い。楽壇の雄テノール歌手の奥田良三が歌唱するドイツ映画『会議は踊る』の主題歌《命かけて只一度》、中野忠晴がヒットさせた《山の人気者》 唄川幸子の歌でニットから発売された《上海リル》、東海林太郎の澄んだ響きで《谷間の灯》、藤山一郎の美しいテナーの音色をいかしたハイバリトンで歌唱する《蒼い月》、淡谷のり子の妖艶なソプラノによるジャズ・タンゴ・シャンソンなどの洋楽文化をポピュラーなものにしていた。
昭和9年   1月 タンゴローザ 安東英夫 紙恭輔 江戸川蘭子 27636A コロムビア
昭和9年   1月 希望の首途 久保田宵二 江口夜詩 松平晃 27670A コロムビア
昭和9年   1月 玄冶店 堀内敬三・構成 漫謡 徳山・藤山・小林 52923B コロムビア
昭和9年   1月 山の人気者 本牧二郎 サロニイ 中野忠晴 27650A コロムビア
昭和9年   1月 赤城の子守唄 佐藤惣之助 竹岡信幸 東海林太郎 S65A ポリドール
昭和9年   1月 月形半平太の唄 佐藤惣之助 近藤政二郎 東海林太郎 567A ポリドール
昭和9年   2月 急げ幌馬車 島田芳文 江口夜詩 松平晃 27686A コロムビア
昭和9年   2月 さすらいの唄 北原白秋 中山晋平 佐藤千夜子 52972A ビクター
昭和9年   2月 ゴンドラの唄 吉井勇 中山晋平 佐藤千夜子 52972B ビクター
昭和9年   2月 さくら音頭 佐伯孝夫 中山晋平 徳山l他共演 50003A ビクター
昭和9年   3月 いとしの今宵 佐伯孝夫 バートン 藤山一郎 52983A ビクター
昭和9年   3月 命かけて只一度 葉巻逸雄 ハイマン 奥田良三 2024A ポリドール
昭和9年   3月 モンテカルロの一夜 葉巻逸雄 ハイマン 奥田良三 2031A ポリドール
昭和9年   3月 これぞマドロスの恋 葉巻逸雄 ハイマン 奥田良三 2031B ポリドール
昭和9年   4月 南国の夕映 明本京静 レイモンド服部 中野忠晴 27770A コロムビア
昭和9年   4月 上海リル 服部竜太郎 ウオーレン 唄川幸子 6382A ニットー
昭和9年   4月 春の鴨緑江 松坂直美 田村しげる 真澄晴夫 K331A キング
昭和9年   4月 空は青いぞ 西條八十 佐々木俊一 藤山一郎 53033A ビクター
昭和9年   5月 黄昏の路 佐藤惣之助 江口夜詩 松平晃 27820A コロムビア
昭和9年   5月 ダイナ 中野忠晴 ハーリー・アクスト 中野忠晴 27826A コロムビア
昭和9年   5月 ルンペン節 柳水巴 松平信博 徳山l 53113B ビクター
昭和9年   5月 讃えよ青春 松坂直美 田村しげる 東海林太郎 K350A キング
昭和9年   5月 谷間のともしび 西原武三・訳 ハート 東海林太郎 2060B ポリドール
昭和9年   5月 王様の馬 西條八十 紙恭輔・編 奥田良三 2051A ポリドール
昭和9年   6月 エチオピアの唄 宮尾進 大村能章 伊藤久男 27869A コロムビア
昭和9年   6月 城ヶ島夜曲 浜野耕一 竹岡信幸 東海林太郎 K360A  キング
昭和9年   6月 さらば青春 佐伯孝夫 加藤しのぶ 藤山一郎 53083B ビクター
昭和9年   6月 川原鳩なら 島田磬也 佐々木俊一 藤山一郎 53134B ビクター
昭和9年   7月 青い小径 高橋掬太郎 原野為二 淡谷のり子 27891A コロムビア
昭和9年   7月 キャンプの夢 島田芳文 古関裕而 松平晃 27916A コロムビア
昭和9年   7月 大学の唄 サトウ・八チロー 竹岡信幸 東海林太郎 K365A キング
昭和9年   8月 ジプシーの月 サトウ・八チロー訳 山田栄一・編 東海林太郎 2088A ポリドール
昭和9年   8月 並木の雨 高橋掬太郎 原野為二 ミス・コロムビア 27942B コロムビア
昭和9年   8月 利根の舟唄 高橋掬太郎 古関裕而 松平晃 27958A コロムビア
昭和9年   8月 国境を越えて 佐藤惣之助 古賀政男 楠木繁夫 15030A テイチク
昭和9年   9月 山は夕焼け 岡田千秋 田村しげる 東海林太郎 K385A キング
昭和9年   9月 利根の朝霧 佐伯孝夫 中山晋平 小林千代子 53192A ビクター
昭和9年  10月 街の人気者 中野忠晴 ハイマン 中野忠晴 28033A コロムビア
昭和9年  10月 花嫁日記 山崎謙太 原野為二 杉・松平・市川 28047A コロムビア
昭和9年  10月 おゝどんな・くらら 佐伯孝夫 ペテルスブルスキー 藤山一郎
ヘレン・隅田
53222A ビクター
昭和9年  11月 曠野を行く 西岡水朗 江口夜詩 松平晃
豆千代
28079A コロムビア
昭和9年  11月 蒼い月 妹尾幸陽 ローガン 藤山一郎 53235B ビクター
昭和9年  12月 花咲く樹 高橋掬太郎 江口夜詩 松平晃 28117A コロムビア
昭和9年  12月 浅草ブルース サトウ・ハチロー 阿部武雄 藤田稔 2120B ポリドール
昭和9年  12月 国境の町 大木惇夫 阿部武雄 東海林太郎 2121A ポリドール
昭和9年  12月 女の友情 久保田宵二 田村しげる 東海林太郎 K410A キング
《昭和SPレコード歌謡史概説・昭和十年》和十年のSPレコード歌謡は、藤田まさと-大村能章-東海林太郎のポリドールが道中物で圧倒する。《旅笠道中》、《むらさき小唄》がヒットした。殊に昨年暮れからの《国境の町》のヒットによって東海林太郎の人気は凄まじいものであった。名門ビクターは、《無情の夢》で意地を見せる。イタリア帰りの児玉好雄が歌った。彼は、オペラを勉強中にも小唄、端唄、民謡の研究にも余念ガなく、その成果がヒットにつながった。同じ名門コロムビアは、江口-松平コンビが「曠野物」でヒットを放つ。松平晃・豆千代が歌う《夕日は落ちて》は17万枚の売れ行きだった。古賀政男のテイチクも巻き返しをはかり、ヒット量産にエンジンがかかった。《ダイナ》をヒットさせていたディック・ミネと星玲子が歌った《二人は若い》、テイチクの春を呼ぶかのように楠木繁夫が熱唱した《緑の地平線》がヒット。楠木繁夫は、本名黒田進。昭和三年、東京音楽学校を中退して、関西のオリエント、タイヘイ、ニットー、名古屋のツルレコードなどで吹込みの仕事をした。五五の変名を使ったことは有名である。テイチクでは、藤村一郎という名前で吹込んでいたが、楠木繁夫として再生し《緑の地平線》でようやくスターダムに登った。、ポリドールも負けてはおらず、日本調歌謡の《野崎小唄》が人気絶頂の東海林太郎の歌唱でヒットした。
昭和10年 1月 雪の国境 高橋掬太郎 大村能章 伊藤久男 28170B コロムビア
昭和10年 1月 ブロンドの夢 大木惇夫 ハイマン 淡谷のり子 28176A  コロムビア
昭和10年 1月 ダイナ 三根徳一 ハーリ・アクスト ディック・ミネ 15073A テイチク
昭和10年   1月 黒い瞳 三根徳一 ジーン・ストーン ディックミネ 15073B テイチク
昭和10年   1月 旅は鼻唄 佐藤惣之助 大村能章 東海林太郎 2127A ポリドール
昭和10年   2月 ヒュッテの一夜 佐藤惣之助 古関裕而 ミス・コロムビア 28207A コロムビア
昭和10年   2月 三カ月船 佐藤惣之助 古関裕而 淡谷のり子 28208A コロムビア
昭和10年   2月 誰ゆえに 西條八十 カーン 藤山一郎 53363B ビクター
昭和10年   2月 下田しぐれ 藤田まさと 森義八郎 東海林太郎 2143A ポリドール
昭和10年   2月 ふるさと欲しや 横沢千秋 竹岡信幸 東海林太郎 K433B キング
昭和10年   3月 ゆるしてネ 時雨音羽 江口夜詩 赤坂小梅 28229A コロムビア
昭和10年   3月 ラ・クカラチャ 奥山靉 プラハマ べティ・稲田 28234A コロムビア
昭和10年   3月 祖国の護り 西條八十 村越国保 小野巡 53387A ビクター
昭和10年   3月 生命線節 佐伯孝夫 細田義勝 小唄勝太郎
小野巡
53387B ビクター
昭和10年   3月 白い椿の唄 佐藤惣之助 古賀政男 楠木繁夫 15093A テイチク
昭和10年    4月 波路はるか 南条歌美 竹岡信幸 松平晃 28285A コロムビア
昭和10年   4月 旅笠道中 藤田まさと 大村能章 東海林太郎 2152A ポリドール
昭和10年   4月 弥次喜多行進曲 木村綿花 山田栄一 東海林・小沢 2151A ポリドール
昭和10年   5月 小さな喫茶店 瀬沼喜久雄 レイモンド 中野忠晴 28326A コロムビア
昭和10年   5月 ドンニャ・マリキータ 瀬沼喜久雄 アルダバン 淡谷のり子 28326B コロムビア
昭和10年   5月 マルタ 奥山靉 シモンズ ベティ・稲田 28327A  コロムビア
昭和10年   5月 流線ぶし 西條八十 細田義勝 市丸 53403A ビクター
昭和10年   5月 長崎行進曲 渡辺龍夫 大村能章 東海林太郎 2153A ポリドール
昭和10年   5月 むらさき小唄 佐藤惣之助 阿部武雄 東海林太郎 2157A ポリドール
昭和10年   5月 ハイキングの唄 島田芳文 古賀政男 楠木繁夫 15120A テイチク
昭和10年   5月 夕べ仄かに 島田芳文 古賀政男 松島詩子 15120B テイチク
昭和10年   6月 月のキャンプ 久保田宵二 古関裕而 ミス・コロムビア 28341B コロムビア
昭和10年   6月 高原の灯 深草三郎 明本京静 明本京静 28356A コロムビア
昭和10年   6月 ポエマ 奥山靉 ビアンゴ 淡谷のり子 28372A コロムビア
昭和10年   6月 無情の夢 佐伯孝夫 佐々木俊一 児玉好雄 53433 ビクター
昭和10年   6月 大江戸出世小唄 湯浅みか 杵屋正一郎 高田浩吉 2167A ポリドール
昭和10年   7月 船頭可愛いや 高橋掬太郎 古関裕而 音丸 28401A コロムビア
昭和10年   7月 沖のかもめ 久保田宵二 古関裕而 松平晃 28401B コロムビア
昭和10年   7月 タイガーラグ 中野忠晴 仁木他喜雄 中野忠晴 28411A コロムビア
昭和10年   7月 希望の船路 西條八十 ユールス・編 藤山一郎 53478A ビクター
昭和10年   7月 丹下左膳の歌 藤田まさと 阿部武雄 東海林太郎 2171A ポリドール
昭和10年   7月 お伝地獄の唄 藤田まさと 大村能章 新橋喜代三 2171B ポリドール
昭和10年   7月 家なき児 時雨音羽 田村しげる 東海林太郎 K489A キング
昭和10年   8月 二人は若い 玉川映二 古賀政男 ディック・ミネ
星玲子
50055B テイチク
昭和10年   8月 奥様お手をどうぞ 三根徳一 アーウィン ディック・ミネ 50060A テイチク
昭和10年   8月 嘆きのキャラバン 山田せんし 中野隆正 松平晃 28490A コロムビア
昭和10年   9月 夕日は落ちて 久保田宵二 江口夜詩 松平晃
豆千代
28471A コロムビア
昭和10年   9月 ばらの面影 山口雄二 ユールス・編 藤山一郎 53513A ビクター
昭和10年  10月 真白き冨士の根 三角錫子 ガードン ミス・コロムビア 28507A コロムビア
昭和10年  10月 窓の彼方 高橋掬太郎 江口夜詩 伊藤久男 28508A  コロムビア
昭和10年  10月 思い出のカプリ 奥山雲愛 仁木他喜雄・編 淡谷のり子 28531A コロムビア
昭和10年  10月 谷間の小屋 佐伯孝夫 ハンレイ 藤山一郎 53535A ビクター
昭和10年  10月 悲しきジンタ 佐伯孝夫 佐々木俊一 徳山l 53563A ビクター
昭和10年  10月 野崎小唄 今中楓渓 大村能章 東海林太郎 2198A ポリドール
昭和10年  10月 お駒恋姿 藤田まさと 大村能章 東海林太郎 2198B ポリドール
昭和10年  10月 男のまごころ 佐藤惣之助 古賀政男 楠木繁夫 50088B テイチク
昭和10年  11月 明治一代女 藤田まさと 大村能章 新橋喜代三 2207A ポリドール
昭和10年  11月 島の流れ唄 藤田まさと 高橋敏夫 高田浩吉 2208A ポリドール
昭和10年  11月 緑の地平線 佐藤惣之助 古賀政男 楠木繁夫 50112A テイチク
昭和10年  11月 ゆかりの唄 佐藤惣之助 古賀政男 ディック・ミネ 50112B テイチク
昭和10年  12月 雨に咲く花 高橋掬太郎 池田不二男 関種子 28589B コロムビア
《昭和SPレコード歌謡史概説・昭和十一年》昭和十一年の世相は、皇道派の青年将校が軍部内閣樹立を目指して昭和維新を断行し内外の危機打開する目的でクーデターを敢行した二・二・六事件に象徴された。晩秋に発売された妖艶なソプラノで歌う淡谷のり子の《暗い日曜日》は、暗い時代を予兆させるものであった。だが、SPレコード歌謡は、豊かな発展を見ることになる。昭和十一年、春、古賀政男と藤山一郎のコンビが復活した。二人の合作芸術による《東京ラプソディー》はモダン都市東京を高らかに歌い平和の讃歌でもあった。藤山一郎の声量も豊かで正確無比な歌唱は、昭和モダンの音楽風景を歌い古賀メロディーを決定的なものにし、テイチクは、古賀メロディー全盛によって黄金時代を迎える。この年は、健全な歌を目指し、国民歌謡もスタートした。この年は、《忘れちゃいやよ》に対する「婦女の媚態を眼前に見る如き官能的歌唱」という批判もあり、流行歌の浄化を目的にしていた。奥田良三、関種子、徳山l、四家文子、藤山一郎(増永丈夫)松平晃、永田絃次郎らが放送した。国民歌謡は、日本歌曲のような格調が高いものが多く、流行歌ほどの広がりは見られなかった。
昭和11年   1月 ダーダネーラ 桐山麗吉 仁木他喜雄・編 淡谷のり子 28662B コロムビア
昭和11年   1月 愛の唄 西條八十 宮城道雄 藤山一郎
渡辺はま子
53604A  ビクター
昭和11年   1月 母恋し 西條八十 中山晋平 佐藤千夜子 53615A ビクター
昭和11年   1月 勝太郎子守唄 西條八十 佐々木俊一 小唄勝太郎 53643A ビクター
昭和11年   1月 勝太郎くずし 宇津江精二 佐々木俊一 小唄勝太郎 53643B ビクター
昭和11年   1月 お柳恋しや 佐藤惣之助 阿部武雄 東海林太郎 2232A ポリドール
昭和11年   2月 初恋日記 高橋掬太郎 江口夜詩 松平晃
伏見信子
28701A コロムビア
昭和11年   2月 忘れちゃいやヨ 最上洋 細田義勝 渡辺はま子 53663B ビクター
昭和11年   2月 花嫁行進曲 高橋掬太郎 江口夜詩 音丸 28701B コロムビア
昭和11年   2月 満州想えば 高橋掬太郎 大村能章 音丸 28727B コロムビア
昭和11年   2月 国定忠治の唄 藤田まさと 大村能章 東海林太郎 2249A ポリドール
昭和11年   3月 三味線やくざ 佐藤惣之助 山田栄一 東海林太郎 2257A ポリドール
昭和11年   3月 江戸節めおと姿 湯浅みか 直川哲也 高田浩吉 2261A ポリドール
昭和11年   3月 白衣の佳人 佐藤惣之助 古賀政男 ディック・ミネ 50217A テイチク
昭和11年   3月 花嫁双六 大倉逸平 長津弥 橋本・喜代丸 56480A タイヘイ
昭和11年   4月 下田夜曲 高橋掬太郎 竹岡信幸 音丸 28772A コロムビア
昭和11年   4月 守備兵ぶし 佐伯孝夫 佐々木俊一 小野巡 53689A ビクター
昭和11年   4月 お夏清十郎 佐藤惣之助」 大村能章 東海林太郎 2270A ポリドール
昭和11年   4月 啄木の歌 島田磬也 古賀政男 楠木繁夫 50243A  テイチク
昭和11年   4月 春まだ浅く 石川啄木 古賀政男 有島一郎 50243B テイチク
昭和11年   4月 ジプシーの月 入江静雄 三根徳一・編 ディック・ミネ 50255A テイチク
昭和11年   5月 おしゃれ娘 久保田宵二 服部良一 淡谷のり子 28835B コロムビア
昭和11年   5月 ブルームーン 永田哲夫 ロジャース 灰田勝彦 53700A ビクター
昭和11年   5月 吉さま人形 上方喬 阿部武雄 東海林太郎 2282A ポリドール
昭和11年   5月 泣かせてネ 飛鳥井芳郎 水谷ひろし 新橋みどり 21001A タイヘイ
昭和11年   5月 丹下左膳の唄 伊藤松雄 大村能章 林伊佐緒 21003A タイヘイ
昭和11年   6月 夢の城ヶ島 久保田宵二 江口夜詩 奥田英子 28872A コロムビア
昭和11年   6月 残月の歌 赤城次郎 長津弥 日置静 21005A タイヘイ 
昭和11年   7月 あの夢この夢 西條八十 江口夜詩 二葉あき子 28901A コロムビア
昭和11年   7月 花言葉の唄 西條八十 池田不二男 松平晃
伏見信子
28930A コロムビア
昭和11年   7月 だって嫌よ 三沢操 山川武 静ときわ 53733A ビクター
昭和11年   7月 円タク行進曲 三沢操 山川武 小野巡
静ときわ
53733B ビクター
昭和11年   7月 薔薇のタンゴ 西原武男・訳 山田栄一・編 奥田良三 2296B ポリドール
昭和11年   7月 雨の夜船 佐藤惣之助 阿部武雄 東海林太郎 2297A ポリドール
昭和11年   7月 東京ラプソディー 門田ゆたか 古賀政男 藤山一郎 50338A テイチク
昭和11年   7月 東京娘 佐藤惣之助 古賀政男 藤山一郎 50338B テイチク
昭和11年   7月 慈悲心鳥 佐藤惣之助 古賀政男 楠木繁夫 50373A テイチク
昭和11年   8月 巴里祭 松村又一 服部良一・編 淡谷のり子 28951B コロムビア
昭和11年   9月 とんがらがっちや駄目よ 佐伯孝夫 三宅幹夫 渡辺はま子 53789A ビクター
昭和11年   9月 嘆きのピエロ 野村俊夫 レイモンド服部 藤山一郎 50473A テイチク
昭和11年  10月 恋の幌馬車 久保田宵二 江口夜詩 松平晃 29034A コロムビア
昭和11年  10月 男の純情 佐藤惣之助 古賀政男 藤山一郎 50490A テイチク
昭和11年  10月 愛の小窓 佐藤惣之助 古賀政男 ディック・ミネ 50490B テイチク
昭和11年  11月 暗い日曜日 久保田宵二 セレス 淡谷のり子 29083A コロムビア
昭和11年  11月 上海夜曲 佐藤惣之助 阿部武雄 東海林太郎 2348A ポリドール
昭和11年  11月 ジョスランの子守唄 近藤遡風 ゴダール 奥田良三 2353A ポリドール
昭和11年  11月 アイルランドの娘 島田磬也 三根徳一・編 ディック・ミネ 50548A テイチク
昭和11年  11月 若き瞳 西岡水朗 飯田景応 林伊佐緒 21067A タイヘイ
昭和11年  12月 人妻椿 高橋掬太郎 竹岡信幸 松平晃 29091A コロムビア
昭和11年  12月 満州吹雪 高橋掬太郎 大村能章 音丸 29092A コロムビア
昭和11年  12月 思い出の江の島 久保田宵二 竹岡信幸 霧島昇 29115A コロムビア
昭和11年  12月 夜風 山口雄二 ディセポロ 藤山一郎 53857A ビクター
昭和11年  12月 夜明けの唄 大木惇夫 内田元 奥田良三 2362A ポリドール
昭和11年  12月 椰子の実 島崎藤村 大中寅二 東海林太郎 2363A ポリドール
昭和11年  12月 女の階級 佐藤惣之助 古賀政男 楠木繁夫 50581A テイチク
昭和11年  12月 回想譜 佐藤惣之助 古賀政男 藤山一郎 50581B  テイチク
昭和11年  12月 恋の絵日傘 矢島寵児 鳥口駒夫 上原敏 2368B   ポリドール
《昭和SPレコード歌謡史・昭和十二年》昭和十二年,七月七日、盧溝橋事件が勃発した。現地では、停戦の動きもあったが、第一次近衛文麿内閣は、閣議で派兵を決定し泥沼の全面戦争に発展した。日中戦争開始後、軍国歌謡の先頭を切って盛んに歌われたのが《露営の歌》だった。軍国の高まりのなかで、昭和十二年のSPレコード歌謡は、まず、古賀メロディーの黄金時代で幕を開けた。ディック・ミネが切実と歌う《人生の並木路》、藤山一郎の美しい澄んだ響きで《青い背広で》《青春日記》がヒットした。ディック・ミネは、ジャズシンガーであり、外国のポピュラーソングのレコードを数多く吹込んでいた。古賀メロディーのヒットは異色であった。キングレコードもようやくヒットに恵まれた。松島詩子の歌唱でロマンチックな《マロニエの木陰》が流行した。ポリドールからは、日本調歌謡で新たなスターが登場した。上原敏である。東海林太郎とは、また一味違った泥臭さのある歌唱で《妻恋道中》《流転》《裏町人生》などをヒットさせた。上原は、専修大学時代野球部で活躍、わかもと製薬の野球部でも活躍した。ポリドールの文芸部長秩父重剛の知遇をえてポリドールに入社した異色歌手である。また、ポリドールの先輩歌手東海林太郎は、文芸歌謡として《すみだ川》、社会派歌謡の《湖底の故郷》をヒットさせた。このように軍国歌謡の高まりのなか、SPレコード歌謡は黄金時代を満喫するが、淡谷のり子のブルースは新しい風をもたらした。淡谷のり子の《別れのブルース》は、哀愁に満ち人々の心を捉えた。淡谷は、昭和モダンの哀愁を感じさせる妖艶なソプラノでジャズ、タンゴ、シャンソンを歌っていたが、これに加えてブルースの女王という新たな魅力を大衆にアピールした。作曲者の服部良一は、流行歌に「ジャズのフィーリングをいかした作曲をしていたが、この《別れのブルース》で一流の作曲者の仲間入りをはたした。
昭和12年   1月 赤城しぐれ 久保田宵二 竹岡信幸 霧島昇 29123A コロムビア
昭和12年   1月 アロハ・ホノルル 近藤春雄 灰田晴彦 灰田勝彦 53890A ビクター
昭和12年   1月 すみだ川 佐藤惣之助 山田栄一 東海林太郎 2379A ポリドール
昭和12年   1月 高瀬舟 時雨音羽 長津義司 東海林太郎 2379B ポリドール
昭和12年   1月 聖処女の唄 佐藤惣之助 古賀政男 藤山一郎 1200A テイチク
昭和12年   1月 人生の並木路 佐藤惣之助 古賀政男 ディック・ミネ 1200B テイチク
昭和12年   2月 乙女十九 西條八十 古関裕而 二葉あき子 29192A コロムビア
昭和12年   2月 雪のふるさと 高橋掬太郎 竹岡信幸 桜井健二 29201A コロムビア
昭和12年   2月 素敵なローマンス 原町みつを カーン 灰田勝彦
ヘレン隅田
53916A ビクター
昭和12年   3月 野武士の歌 三好十郎 山田耕筰 松平晃 29204A コロムビア
昭和12年   3月 別れのタンゴ 藤浦洸 平川英夫 淡谷のり子 29233A コロムビア
昭和12年   3月 仰ぐ北満 佐伯孝夫 中山晋平 波岡惣一郎 53957A ビクター
昭和12年   3月 マロニエの木陰 坂口淳 細川潤一 松島詩子 10070A キング
昭和12年   3月 青い背広で 佐藤惣之助 古賀政男 藤山一郎 1280A テイチク
昭和12年   3月 青春日記 佐藤惣之助 古賀政男 藤山一郎 1280B テイチク
昭和12年   4月 アリラン夜曲 高橋掬太郎 服部良一 赤坂百太郎 29262A コロムビア
昭和12年   4月 国境の子守唄 深草三郎 明本京静 霧島昇 29263A コロムビア
昭和12年   4月 誰も知らない 佐伯孝夫 鈴木静一 ヘレン隅田 53942A ビクター
昭和12年   4月 碧空 一条実 伊藤翁介・編 橘良江 53949A ビクター
昭和12年   4月 還らぬ戦友 島田芳文 深海善次 徳山l 53967A ビクター
昭和12年   4月 希望の乙女 大木惇夫 須藤五郎 関種子 2426A ポリドール
昭和12年   4月 八丈舟歌 大木惇夫 長津義司 東海林太郎 2427A ポリドール
昭和12年   4月 妻恋道中 藤田まさと 阿部武雄 上原敏 2428A ポリドール
昭和12年   4月 さくら道成寺 佐藤惣之助 大村能章 三門順子 10080A キング
昭和12年   4月 牡丹くずるる時 正岡容 深海善次 紀多寛 21181A タイヘイ
昭和12年   5月 浅間の煙 西條八十 古関裕而 赤坂小梅 29289A コロムビア
昭和12年   5月 ふんなのないわ 江口夜詩 江口夜詩 ミス・コロムビア 29294A コロムビア
昭和12年   5月 山寺の和尚さん 久保田宵二 服部良一 リズム・ボーイズ 29300A コロムビア
昭和12年   5月 薔薇色のえくぼ 若杉雄三郎 アーレン 灰田勝彦 53974A ビクター
昭和12年   5月 良人の貞操 古屋信子 中山晋平 江戸川蘭子 53976A ビクター
昭和12年   5月 ナイルの岸 時雨音羽 橋本成美 松島詩子 10104A キング
昭和12年   5月 アラビヤの歌 時雨音羽 橋本成美 樋口静雄 10104B キング
昭和12年   5月 恋のS・O・S 宮本旅人 佐藤富房 奥田英子 1442A テイチク
昭和12年   6月 可愛いあなた 高橋掬太郎 池田不二男 由利あけみ 29341A コロムビア
昭和12年   6月 雨の酒場で 佐伯孝夫 佐々木俊一 灰田勝彦 J54000A ビクター
昭和12年   6月 牡蠣の殻 蒲原有明 大中寅二 東海林太郎 2453A ポリドール
昭和12年   6月 湖底の故郷 島田磬也 鈴木武夫 東海林太郎 2458A ポリドール
昭和12年   6月 曽根崎心中 時雨音羽 山田栄一 日本橋きみ栄 2462A ポリドール
昭和12年   6月 男は度胸 藤田まさと 佐藤富房 東海林太郎 2467A ポリドール
昭和12年   6月 黒船情話 藤田まさと 長津義司 上原敏 2469A ポリドール
昭和12年   6月 街のファンタジー 門田ゆたか 大久保徳二郎 藤山一郎 1586A テイチク
昭和12年   7月 母を讃える歌 太田勝美 古関裕而 ミス・コロムビア 29355A コロムビア
昭和12年   7月 神風歓迎歌 土岐善麿 古関裕而 中野忠晴 29259A コロムビア
昭和12年   7月 潮来月夜 久保田宵二 竹岡信幸 音丸 29279A  コロムビア
昭和12年   7月 霞む水郷 久保田宵二 竹岡信幸 伊藤久男 29379A コロムビア
昭和12年   7月 別れのブルース 藤浦洸 服部良一 淡谷のり子 29384A コロムビア
昭和12年   7月 泪のタンゴ 奥山靉 服部良一 松平晃 29384B コロムビア
昭和12年   7月 楽しい我が家 高梨花人 古関裕而 伊藤久男 29385A コロムビア
昭和12年   7月 アマポーラ 桐山麗吉 服部良一・編 淡谷のり子 29387A コロムビア
昭和12年   7月 旅のキャラバン 久保田宵二 山下五郎 高田稔 29425A コロムビア
昭和12年   7月 空は晴れて 一条実 灰田・平・共編 灰田勝彦
能勢妙子
J54014A ビクター
昭和12年   7月 神風音頭 飯塚飛雄太郎 中山晋平 市丸・勝太郎・徳山 J54016B ビクター
昭和12年   7月 神風だから 豊坂登 中山晋平 小林千代子
波岡惣一郎
J54016B ビクター
昭和12年   7月 涙の幌馬車 若杉雄三郎 高木静夫 徳山l J54017A ビクター
昭和12年   7月 防人の唄 宮田砕花 弘田龍太郎 奥田良三 2471A ポリドール
昭和12年   7月 春の唄 喜志邦三 内田元 月村光子 2471B ポリドール
昭和12年   7月 初すがた 藤田まさと 山田栄一 東海林太郎 2473A ポリドール
昭和12年   7月 流転 藤田まさと 阿部武雄 上原敏 2474A ポリドール
昭和12年   7月 夜のヴァイオリン 坂口淳 ビクシオ 杉井耕一 10142B キング
昭和12年   7月 白薔薇は咲けど 佐藤惣之助 古賀政男 藤山一郎 1678A テイチク
昭和12年   7月 緑の月 佐藤惣之助 古賀政男 奥田英子 1678B テイチク
昭和12年   7月 のばせばのびる 江川真夫 古賀政男 楠木繁夫 1680A テイチク
昭和12年   8月 新鉄道唱歌(一) 土岐善麿 堀内敬三 歌手共演 29397AB コロムビア
昭和12年   8月 あこがれの歌 佐伯孝夫 飯田信夫 江戸川蘭子 J54034A ビクター
昭和12年   8月 真っ赤な封筒 永田哲夫・訳 テイルザー 灰田勝彦 J54038A ビクター
昭和12年   8月 アロハ・オエ 原町みつを 灰田晴彦・編 灰田勝彦 J54038B ビクター
昭和12年   8月 裏町人生 島田磬也 阿部武雄 上原敏 2485A ポリドール
昭和12年   8月 真実一路の唄 佐藤惣之助 古賀政男 楠木繁夫 1757A テイチク
昭和12年   8月 海は微笑む 門田ゆたか 杉原泰蔵 藤山一郎 1759A テイチク
昭和12年   9月 浅草の灯 佐藤惣之助 古関裕而 伊藤久男 29486A コロムビア
昭和12年   9月 南国の乙女 堀内敬三 ビアンゴ 内本実 29489A コロムビア
昭和12年   9月 乙女の夢 最上洋 細田義勝 能勢妙子 J54063A ビクター
昭和12年   9月 東京パラダイス 佐伯孝夫 鈴木静一 灰田勝彦 J54063B ビクター
昭和12年   9月 母の歌 板谷節子 橋本国彦 中村淑子 J54135A ビクター
昭和12年   9月 ブルーン・ムーン 時雨音羽 ロジャース ミッキー・松山
林伊佐緒
10156A キング
昭和12年   9月 軍国子守唄 山口義孝 佐和輝示喜 塩まさる 10166A キング
昭和12年   9月 ふるさとの母 梁取三義 田村しげる 松島詩子 10166A キング
昭和12年   9月 鳥追小唄 坂口淳 仙波進 三門順子 10168A キング
昭和12年   9月 セントルイス・ブルース 坂口淳 ハンディ ミッキー松山 10172B キング
昭和12年   9月 林檎の樹の下で 柏木みのる 三根徳一・編 ディックミネ 1789A テイチク
昭和12年   9月 軍国の母 島田磬也 古賀政男 美ち奴 1780A テイチク
昭和12年   9月 黒いパイプ 倉仲佳人 古賀政男 由利あけみ 1863A テイチク
昭和12年  10月 新鉄道唱歌(二) 佐々木信綱 堀内敬三 歌手共演 29501AB コロムビア
昭和12年  10月 水郷情話 西條八十 明本京静 音丸 29519A コロムビア
昭和12年  10月 満州しぐれ 高橋掬太郎 大村能章 音丸 29520A コロムビア
昭和12年  10月 進軍の歌 本多信寿 陸軍戸山学校軍楽隊 陸軍戸山学校軍楽隊 29530A コロムビア
昭和12年  10月 露営の歌 薮内喜一郎 古関裕而 歌手共演 29503B コロムビア
昭和12年  10月 流沙の護り 紫室代介 佐藤富房 上原敏 2508B ポリドール
昭和12年  10月 故郷の唄 藤田まさと 高橋虎之助 高田浩吉 2510A ポリドール
昭和12年  11月 出征の歌 西條八十 古関裕而 伊藤久男 29534A コロムビア
昭和12年  11月 敵前上陸 佐藤惣之助 長谷川聖二 霧島昇 29550A コロムビア
昭和12年  11月 海よ高鳴れ 水野洋 深海善次 久富吉晴 J54159A ビクター
昭和12年  11月 銃後の花 長田幹彦 橋本国彦 小林千代子 J54163A ビクター
昭和12年  11月 白虎隊 島田磬也 古賀政男 藤山一郎 N102A テイチク
昭和12年  12月 私のトランペット 服部良一 服部良一 淡谷のり子 29539A コロムビア
《昭和SPレコード歌謡史概説・昭和十三年》昭和十三年二月、各社レコード会社は、国民の自発的な戦争協力を高め、日本精神の高揚を目的に制定された《愛国行進曲》を競って発売した。レコードは、四月に新譜発売されたビクター盤、バリトン歌手徳山lが朗々と第一声を響かせたレコードが最もヒットした。これは、荘重な曲想を持ち、稜威の昂揚が謳われており、国民合唱に適していた。また、国民歌謡で発表された《愛国の花》は、メロディーが清潔な印象を与え、女性の間で歌われ一般にもかなり流行した。尚、歌唱は渡辺はま子。クラシックの歌曲のように歌った。中国戦線が長期化すると、国内は戦時体制に見合った経済統制が計られ、人的・物的資源を統制運用する国家総動員法が制定された。国内の戦時体制が強調されるなか、SPレコード歌謡は、ますます充実する。昭和十三年、映画『愛染かつら』の主題歌《旅の夜風》が大流行した。これによって、霧島昇がスターダムにのし上がった。霧島昇は、すでに坂本英明の名前で《僕の思ひ出》を歌いエジソンレコードからデビューしていたが、コロムビアの目に止まり同社の専属となった。また、中国を舞台に甘い哀愁を漂わせた《支那の夜》が渡辺はま子の歌声で大流行した。美貌とソプラノの音色もつ渡辺はま子は、これによってチャイナメロディーで活躍する。中国戦線は果てしなく続き、戦地に赴く兵士たちは、故郷を偲ぶ歌を好んだ。火野葦平の『麦と兵隊』をもとに作った《麦と兵隊》が戦地と銃後を結びつけ東海林太郎の歌唱でヒットした。
昭和13年   1月 挙がれ一億民 佐藤惣之助 田辺尚雄 伊藤久男 29563B コロムビア
昭和13年   1月 戦友想えば 若杉雄三郎 佐々木俊一 林東馬 J54193A ビクター
昭和13年   1月 戦線百里 若杉雄三郎 佐々木俊一 灰田勝彦 J54195A ビクター
昭和13年   1月 いとしの黒馬よ 梅原しげる ビリー・ヒル 灰田勝彦 J54197A ビクター
昭和13年   1月 黒シャツ党の歌 アルモ・メルカイ ブランク 奥田良三 2547A ポリドール
昭和13年   1月 戦勝の歌 大江素夫 大村能章 東海林太郎 2548A ポリドール
昭和13年   1月 千人針 サトウ・八チロー 長津義司 関種子 2548B ポリドール
昭和13年   1月 鴛鴦道中 藤田まさと 阿部武雄 上原敏
青葉笙子
2550A ポリドール
昭和13年   1月 上海だより 佐藤惣之助 三界稔 上原敏 2551A ポリドール
昭和13年   2月 勝どきの歌 大岡博 佐々木俊一 灰田勝彦
波岡惣一郎
J54244B ビクター
昭和13年   2月 愛国行進曲 森川幸雄 瀬戸口藤吉 中野・松平他 30001A コロムビア
昭和13年   2月 愛国行進曲 森川幸雄 瀬戸口藤吉 東海林・奥田他 2573A ポリドール
昭和13年   2月 愛国行進曲 森川幸雄 瀬戸口藤吉 長門・永田 21100B キング
昭和13年   2月 愛国行進曲 森川幸雄 瀬戸口藤吉 藤山一郎 2074A テイチク
昭和13年   3月 湖上の尺八 深草三郎 明本京静 伊藤久男 29666A コロムビア
昭和13年   3月 密使の幌馬車 佐伯孝夫 佐々木俊一 灰田勝彦 J54245A ビクター
昭和13年   3月 人の気も知らないで 入江静夫 ガイ・ゾーカ 小林千代子 J54246A ビクター
昭和13年   3月 手向けの花 宮本旅人 宮脇春夫 藤山一郎 2085A テイチク
昭和13年   3月 歓喜の丘 島田芳文 古賀政男 藤山一郎 N118A テイチク
昭和13年   3月 青春旅情 佐藤惣之助 古賀政男 藤山一郎 N118B テイチク
昭和13年   4月 人の気も知らないで 奥山靉 ガイ・ゾーカ 淡谷のり子 29698A コロムビア
昭和13年   4月 若き日の夢 服部竜太郎 ロンバーク 中野忠晴
二葉あき子
29698B コロムビア
昭和13年   4月 初陣日記 深草三郎 明本京静 伊藤久男 29700A コロムビア
昭和13年   4月 日の丸行進曲 有本憲次 細川武夫 四家・徳山他 J54300A ビクター
昭和13年   4月 愛国行進曲 森川幸雄 瀬戸口藤吉 徳山・中村他 A4A ビクター
昭和13年   5月 おぼろ月夜 高橋掬太郎 竹岡信幸 ミス・コロムビア 29709A コロムビア
昭和13年   5月 愛国の花 福田正夫 古関裕而 渡辺はま子 29718A コロムビア
昭和13年   6月 雨のブルース 野川香文 服部良一 淡谷のり子 29761A コロムビア
昭和13年   6月 バンジョーで唄えば 藤浦洸 服部良一 中野忠晴 29761B コロムビア
昭和13年   6月 ジプシーの嘆き 林高次 グレーヴェル 小林千代子 J54311A ビクター
昭和13年   6月 涙のバラライカ 坂口淳 山下五郎 楠木繁夫 2205A テイチク
昭和13年   7月 夜霧の波止場 高橋掬太郎 江口夜詩 霧島昇 29777A コロムビア
昭和13年   7月 荒鷲の歌 東辰三 東辰三 東京リーダータフェルフェライン J54325B
ビクター
昭和13年   7月 ブルーハワイ 若杉雄三郎 鈴木静一・編 平井英子 J54337A ビクター
昭和13年   7月 上海の街角で 佐藤惣之助 山田栄一 東海林太郎 2630A  ポリドール
昭和13年   7月 波止場気質 島田磬也 飯田景応 上原敏 2630B ポリドール
昭和13年   8月 ガーデンブッリジの月 佐藤惣之助 田村しげる 松島詩子 20112A キング
昭和13年   8月 チンライ節 時雨音羽 田村しげる 樋口静雄 20124A キング
昭和13年   8月 旅姿三人男 宮本旅人 鈴木哲郎 ディック・ミネ N154A テイチク
昭和13年   9月 カタカナ忠義 十二村哲 細田義勝 鶴田六郎 J54373A ビクター
昭和13年   9月 虹のふるさと 和気徹 原秋雄 藤山一郎 N157A テイチク
昭和13年  10月 のぞみ 山田千之 藤井清水 松平晃 29908B コロムビア
昭和13年  10月 ヴェニ・ヴェニ 桐山麗吉 スッコト 淡谷のり子
中野忠晴
29916A コロムビア
昭和13年  10月 希望の都 宮城勝夫 大久保徳二郎 藤山一郎 N175A テイチク
昭和13年  11月 旅の夜風 西條八十 万城目正 霧島昇
ミス・コロムビア
29920A コロムビア
昭和13年  11月 悲しき子守唄 西條八十 竹岡信幸 ミス・コロムビア 29920B コロムビア
昭和13年  11月 ブエノスアイレスの歌 奥山靉 仁木他喜雄・編 淡谷のり子 29977B コロムビア
昭和13年  12月 支那の夜 西條八十 竹岡信幸 渡辺はま子 30051A コロムビア
昭和13年  12月 北満だより 佐藤惣之助 三界稔 上原敏 2687A ポリドール
昭和13年  12月 麦と兵隊 藤田まさと 大村能章 東海林太郎 2687B ポリドール
《昭和SPレコード歌謡史概説・昭和十四年》昭和十四年、国民徴用令によって、一般国民が軍需産業に動員されるようになり、財閥系企業も国策への協力を強めた。同年九月、ドイツがポーランドに侵入しついに第二次世界大戦が勃発した。昭和十四年は、SPレコード歌謡において異色歌手が登場する。松坂屋のデパートの店員だった岡晴夫、旋盤工をしながら歌手を目指し、新人歌手コンクールで入選した田端義夫などがSPレコード歌謡にデビューした。岡は、戦後明るい歌声で「オカッパル時代」を築くが、キングから発売された《上海の花売り娘》《港シャンソン》などですでに戦前おいてヒットを飛ばしていた。田端は、「バタやん」の愛称で親しまれ独得の歌いまわしで人気を得た。また、同じポリドールからは、北廉太郎が既に同社の期待を担って登場していた。昭和十四年、四月、藤山一郎がテイチクから、コロムビアで移籍した。コロムビア(アルバイト)→ビクター→テイチク→コロムビアと古巣に戻ってきた。そして、再び、声楽家増永丈夫とテナー藤山一郎の二刀流が始まる。ビクターでは、アルト歌手の由利あけみが《熱海ブルース》《長崎物語》をヒットさせた。由利は、東京音楽学校の出身で《お蝶夫人》の鈴木役や《カルメン》で好評を博した。コロムビアの女性歌手では、二葉あき子が《古き花園》を歌いスター歌手の仲間入りをはたした。二葉は、東京音楽学校の師範科出身で、広島で女学校の先生をした後に昭和十一年コロムビアから、《愛の揺り籃》で流行歌に登場した。また、古賀政男が去った後のテイチクでは、ディック・ミネが《或る雨の午後》《上海ブルース》などを外国曲のフィーリングをいかしながらヒットさせた。
昭和14年   1月 ルンバ・タンバ 高橋忠雄 レオ・ブランク 淡谷のり子 30087A コロムビア
昭和14年   1月 或る雨の午後 和気徹 大久保徳二郎 ディック・ミネ N209A テイチク
昭和14年   1月 上海ブルース 北村雄三 大久保徳二郎 ディック・ミネ N209A テイチク
昭和14年   1月 せめて淡雪 矢島寵児 鳥口駒夫 藤山一郎 N212A テイチク
昭和14年   2月 父よあなたは強かった 福田節 明本京静 伊藤・二葉・霧島 30110A コロムビア
昭和14年   2月 俺は船乗り 大木惇 倉若晴生 上原敏 2729A ポリドール
昭和14年   2月 追憶の馬車 松坂直美 山下五郎 北廉太郎 2731B ポリドール
昭和14年   2月 国境の春 松村又一 上原げんと 岡晴夫 30025A キング
昭和14年   3月 愛馬進軍歌 久保井信夫 新城正一 霧島昇
松原操
A1015A コロムビア
昭和14年   3月 愛馬進軍歌 久保井信夫 新城正一 内田栄一 9041A ポリドール
昭和14年   3月 愛馬進軍歌 久保井信夫 新城正一 永田絃次郎
長門美保
30033A キング
昭和14年   3月 愛馬進軍歌 久保井信夫 新城正一 藤山一郎 2531A テイチク
昭和14年   4月 一杯のコヒーから 藤浦洸 服部良一 霧島昇
ミス・コロムビア
30156A コロムビア
昭和14年   4月 青い部屋 サトウ・ハチロー 服部良一 淡谷のり子 30156B コロムビア
昭和14年   4月 熱海ブルース 佐伯孝夫 塙六郎 由利あけみ J54529A ビクター
昭和14年   5月 チャイナタンゴ 藤浦洸 服部良一 中野忠晴 30202A コロムビア
昭和14年   5月 太平洋行進曲 横山正徳 布施元 藤原義江
四家文子
J54700A ビクター
昭和14年   5月 青春の丘 島田芳文 陸奥明 北廉太郎 2767A ポリドール
昭和14年   5月 佐渡の故郷 松坂直美 鈴木武男 北廉太郎 2771A ポリドール
昭和14年   5月 上海の花売娘 川俣栄一 上原げんと 岡晴夫 30058A キング
昭和14年   6月 古き花園 サトウ・ハチロー 早乙女光 二葉あき子 30213A コロムビア
昭和14年   6月 愛染夜曲 西條八十 万城目正 霧島昇
ミス・コロムビア
30230A コロムビア
昭和14年   6月 広東ブルース 藤浦洸 服部良一 渡辺はま子 30245A コロムビア
昭和14年   6月 島の船唄 清水みのる 倉若晴生 田端義夫 2780A ポリドール
昭和14年   8月 純情の丘 西條八十 万城目正 二葉あき子 30280A コロムビア
昭和14年   8月 何日君再来 長田恒雄 仁木他喜雄・編 渡辺はま子 30290A コロムビア
昭和14年   8月 東京ブルース 西條八十 服部良一 淡谷のり子 30291A コロムビア
昭和14年   8月 山は呼ぶ野は呼ぶ海は呼ぶ 北原白秋 小田進吾 波岡惣一郎 J54579A ビクター
昭和14年   8月 出船の唄 清水みのる 倉若晴生 北廉太郎 2805A ポリドール
昭和14年   8月 港シャンソン 内田つとむ 上原げんと 岡晴夫 30087A キング
昭和14年   9月 上海夜曲 野村俊夫 仁木他喜雄 藤山一郎 30346A コロムビア
昭和14年   9月 夜のタンゴ サトウ・ハチロー 仁木他喜雄 淡谷のり子 30346B コロムビア
昭和14年   9月 長崎のお蝶さん 藤浦洸 竹岡信幸 渡辺はま子 30348A コロムビア
昭和14年   9月 懐かしのボレロ 藤浦洸 服部良一 藤山一郎 30348B コロムビア
昭和14年   9月 浪曲ダイナ 川田義雄 平茂・編 川田義雄 J54598A ビクター
昭和14年   9月 旅のつばくろ 清水みのる 倉若晴生 小林千代子 2818A ポリドール
昭和14年   9月 潮来夜船 藤田まさと 倉若晴生 北廉太郎 2818A ポリドール
昭和14年  10月 くろがねの力 浅井新一 江口夜詩 伊藤・霧島他 30376A コロムビア
昭和14年  10月 純情二重奏 西條八十 万城目正 霧島昇
高峰三枝子
30377A コロムビア
昭和14年  10月 長崎物語 梅木三郎 佐々木俊一 由利あけみ J54611A ビクター
昭和14年  11月 明るい月夜 サトウ・ハチロー 服部良一 藤山一郎 30392A コロムビア
昭和14年  11月 鈴蘭物語 藤浦洸 服部良一 淡谷のり子 30395A コロムビア
昭和14年  11月 名月赤城山 矢島寵児 菊地博 東海林太郎 2843A ポリドール
昭和14年  11月 大利根月夜 藤田まさと 長津義司 田端義夫 2844A ポリドール
昭和14年  12月 僕の東京 藤浦洸 竹岡信幸 藤山一郎 30426A コロムビア
《昭和SPレコード歌謡史概説・昭和十五年》昭和十五年六月、近衛文麿が枢密院議長を辞して新体制運動の先頭に立つことを表明した。同年九月には、日独伊三国同盟が成立し、十月には新体制運動は大政翼賛会に結実した。戦時体制が完成されて行くなか、昭和十年前後から始まったSPレコード歌謡の第二期黄金時代は、コロムビアが制することになった。古賀政男は外務省音楽親善使節として多大な功績を残して帰国。コロムビアから《誰か故郷を想わざる》《新妻鏡》《なつかしの歌声》などヒットさせた。コロムビアは、正格歌手藤山一郎、軍国歌謡においてドラマテックなバリトンで歌う伊藤久男、霧島昇、ブルースの女王淡谷のり子、渡辺はま子、二葉あき子らを擁して他社を圧倒した。伊藤久男が熱唱する《暁に祈る》に代表される軍国歌謡の隆盛のなか、《湖畔の宿》の美しい抒情的なメロディーは高峰三枝子の歌声とともに人々の心をうった。また、昭和十五年のSPレコード歌謡は灰田勝彦が人気を博した。灰田は、立教大学出身のハワイアン歌手だった。ニットーから、昭和八年に《モアナうるわし》でデビューし、昭和十一年ビクターの専属になり、ジャズなど幅広く軽音楽を歌っていた。映画『秀子の応援団長』の主題歌である《燦めく星座》は、都会偏重だった灰田の人気を全国的なものにした。渋いバリトンに加えヨーデルや裏声を交えた甘い歌唱は、多くのファンを魅了した
昭和15年   1月 白蘭の歌 久米正雄 竹岡信幸 伊藤久男
二葉あき子
30434A コロムビア
昭和15年   1月 いとしあの星 サトウ・ハチロー 服部良一 渡辺はま子 30343B コロムビア
昭和15年   1月 英霊讃歌 山崎真基人 山田耕筰 藤山一郎
二葉あき子
30448A コロムビア
昭和15年   1月 空の勇士 大槻一郎 蔵野今春 藤山・松原他 30450A コロムビア
昭和15年   1月 広東の花売り娘 佐藤惣之助 上原げんと 岡晴夫 40005A キング
昭和15年   2月 紀元は二千六百年 増田好生 森義八郎 松平・伊藤他 30500A コロムビア
昭和15年   2月 誰か故郷を想わざる 西條八十 古賀政男 霧島昇 30505A コロムビア
昭和15年   2月 あの花この花 西條八十 古賀政男 二葉あき子 30505B コロムビア
昭和15年   2月 ハルピン旅愁 佐藤惣之助 服部逸郎 東海林太郎 2882A ポリドール
昭和15年   3月 燦めく星座 佐伯孝夫 佐々木俊一 灰田勝彦 J54714B ビクター
昭和15年   4月 上海の踊り子 時雨音羽 細川潤一 松島詩子 47002A キング
昭和15年   5月 なつかしの歌声 西條八十 古賀政男 藤山一郎
二葉あき子
30526A コロムビア
昭和15年   5月 春よいずこ 西條八十 古賀政男 藤山一郎
二葉あき子
30526B コロムビア
昭和15年   5月 蛇姫絵巻 西條八十 古賀政男 志村道夫
奥山彩子
100018A コロムビア
昭和15年   5月 お島千太郎旅歌 西條八十 奥山貞吉 伊藤久男
二葉あき子
100018B コロムビア
昭和15年   5月 暁に祈る 野村俊夫 古関裕而 伊藤久男 100021A コロムビア
昭和15年   5月 愛馬花嫁 西條八十 万城目正 ミス・コロムビア他 100021B コロムビア
昭和15年   5月 タンゴ上海 吉田碌務 杉原泰蔵 ディック・ミネ T3000B テイチク
昭和15年   6月 湖畔宿 佐藤惣之助 服部良一 高峰三枝子 100022A コロムビア
昭和15年   6月 高原の旅愁 関沢潤一郎 鈴木義章 伊藤久男 100022B コロムビア
昭和15年   6月 新妻鏡 佐藤惣之助 古賀政男 霧島昇
二葉あき子
100041A コロムビア
昭和15年   6月 目ン無い千鳥 サトウ・ハチロー 古賀政男 霧島昇
ミス・コロムビア
100041B コロムビア
昭和15年   6月 別れ船 清水みのる 倉若晴生 田端義夫 P5018A ポリドール
昭和15年   7月 ビア樽ポルカ 藤浦洸 仁木他喜雄・編 藤山一郎 100048A コロムビア
昭和15年   8月 小雨の丘 サトウ・ハチロー 服部良一 小夜福子 100060A コロムビア
昭和15年   8月 燃ゆる大空 佐藤惣之助 山田耕筰 霧島昇
藤山一郎
100061A コロムビア
昭和15年   8月 蘇州夜曲 西條八十 服部良一 霧島昇
渡辺はま子
100063A コロムビア
昭和15年   9月 相呼ぶ歌 西條八十 古賀政男 霧島昇
菊池章子
100091A コロムビア
昭和15年   9月 興亜行進曲 今沢ふき子 福井文彦 伊藤・藤山・二葉 100100A コロムビア
昭和15年   9月 南洋航路 若杉雄三郎 鳥口駒夫 新田八郎 A4106A ビクター
昭和15年   9月 広東の踊り子 時雨音羽 細川潤一 松島詩子 47024A キング
昭和15年  10月 熱砂の誓い 西條八十 古賀政男 伊藤久男 100101A コロムビア
昭和15年  10月 赤い睡蓮 西條八十 古賀政男 李香蘭 100101B コロムビア
昭和15年  10月 隣組 岡本一平 飯田信夫 徳山l A4110A ビクター
昭和15年  11月 森の小径 佐伯孝夫 灰田晴彦 灰田勝彦 A4127B ビクター
昭和15年  11月 月月火水木金金 高橋俊策 江口夜詩 内田栄一 P5060B ポリドール
《昭和SPレコード歌謡史概説・昭和十六年》昭和十六年十二月八日、日本は、マレー半島上陸し、ハワイの真珠湾を奇襲攻撃することによって、太平洋戦争に突入した。だが、太平洋戦争突入前のSPレコード歌謡は、古賀メロディーにしては珍しいジャズ調の《歌えば天国》など戦争を感じさせないレコードも発売された。レコード界の話題としては、東海林太郎がポリドールからテイチクに移籍したことである。ポリドールをコロムビア、ビクターに比肩させるまでにした東海林太郎の力でテイチクを盛り上げようという意図なのである。藤田まさと、長津義司、田村しげるなどポリドールの主力が移籍した。ビクターから発売された《歩くうた》は、曲調は単調でリズムが重く太平洋戦争の悲劇を予兆するような印象をあたえた。これを歌唱した徳山lは、翌年、一月逝去した。
昭和16年   1月 めんこい仔馬 サトウ・ハチロー 仁木他喜雄 二葉あき子 10051B コロムビア
昭和16年   2月 仏印だより 小島政二郎 飯田景応 上原敏 P5082B ポリドール
昭和16年   2月 梅と兵隊 南条歌美 倉若晴生 田端義夫 P5082B ポリドール
昭和16年   2月 成吉思汗 秩父重剛 江口夜詩 小畑実
吉沢美穂子
P5094B ポリドール
昭和16年   3月 出せ一億の底力 堀内敬三 堀内敬三 藤山一郎
二葉あき子
100177A コロムビア
昭和16年   4月 戦陣訓の歌 梅木三郎 須磨洋朔 徳山l A4181A ビクター
昭和16年   4月 蘭の花咲く満州で 藤村閑夫 長津義司 田端義夫 P5108A ポリドール
昭和16年   5月 島崎藤村 小田進吾 藤山一郎
加古三枝子
32021A コロムビア
昭和16年   5月 歩くうた 高村光太郎 飯田信夫 徳山l A4187A ビクター
昭和16年   6月 美わしの琉球 佐藤惣之助 竹岡信幸 伊藤久男 100256A コロムビア
昭和16年   6月 琵琶湖哀歌 奥野椰子夫 菊地博 東海林太郎
小笠原都々子
T3167A テイチク
昭和16年   7月 夜霧の馬車 西條八十 古賀政男 李香蘭 100267A コロムビア
昭和16年   7月 崑崙越えて 大木惇夫 古賀政男 藤山一郎 100267B コロムビア
昭和16年   7月 海の進軍 海老名正男 古関裕而 藤山・伊藤・二葉 100285A コロムビア
昭和16年   7月 そうだその意気 西條八十 古賀政男 霧島・松原・他 100285B コロムビア
昭和16年   7月 瑞穂踊り 岡崎淑郎 中山晋平 小唄勝太郎・他 A4220B ビクター
昭和16年   7月 南の唄 永田哲夫 灰田晴彦・編 灰田勝彦 A4811A ビクター
昭和16年   7月 パラオ恋しや パラオ恋しや 上原げんと 岡晴夫 57045A キング
昭和16年   8月 歌えば天国 西條八十 古賀政男 藤山・二葉・ロッパ 100295A コロムビア
昭和16年   8月 星呼ぶ丘 野村俊夫 服部良一 藤山一郎 100301A コロムビア
昭和16年   8月 浜は大漁だ 高塚忠志 定方雄吉 児玉好雄 57051A キング
昭和16年   8月 ボルネオ踊り 門田ゆたか 陸奥明 菅原都々子 T3178B テイチク
昭和16年   8月 アリラン月夜 島田磬也 陸奥明 菅原都々子 T3184B テイチク
昭和16年   9月 モアナうるわし 宮崎博史 小暮正雄 灰田勝彦 A4232A ビクター
昭和16年   9月 花の広東航路 佐藤惣之助 上原げんと 岡晴夫 57058B キング
昭和16年  10月 軍国舞扇 藤田まさと 陸奥明 東海林太郎 T3204A テイチク
昭和16年  10月 十三夜 石松秋二 長津義司 小笠原美都子 T3204B テイチク
昭和16年  10月 あゝ草枕幾度ぞ 徳士良介 陸奥明 東海林太郎 T3213B テイチク
昭和16年  11月 サヨンの瞳 西條八十 古賀政男 渡辺はま子 100357A コロムビア
《昭和SPレコード歌謡史概説・昭和十七年》昭和十七年一月マニラ占領、二月、シンガポール陥落させ、破竹の勢いで南太平洋の広大な地域を占領した。だが、昭和十七年六月、ミッドウエー海戦の敗北を転機にして戦局は、しだいに不利となり、アメリカ軍の本格的攻勢を受けることになった。昭和十七年八月、敵国の文字である「コロムビア」の称号を使用することは憚れ、「日蓄(ニッチク)」と改称することになった。同じようにビクターは「勝鬨」、ポリドールは、「大東亜」、キングは「冨士」、テイチクは、「帝蓄」と改称していった。軍国歌謡が盛んに作られる中、抒情的な歌謡も生まれた。霧島昇と二葉あき子の歌唱による《高原の月》、タンゴのリズムにのせ人気絶頂の灰田勝彦が歌う《新雪》、青春の感傷と抒情的な美しさが好まれた《鈴懸の径》、文芸歌謡の傑作《湯島の白梅》などが愛唱された。《湯島の白梅》を歌った小畑実は、すでにポリドールからデビューしていたが、この歌で世に知られるようになった。
昭和17年   1月 空襲なんぞ恐るべき 難波四十三 飯田信夫 伊藤武雄 100382A コロムビア
昭和17年   1月 凍る歩哨線 矢島寵児 飯田景応 田端義夫 P5200A ポリドール
昭和17年   1月 石松ぶし 萩原四朗 長津義司 美ち奴 T3238A テイチク
昭和17年   2月 朝だ元気で 八十島稔 飯田信夫 柴田睦陸
藤原亮子
A4269B ビクター
昭和17年   2月 進め一億火の玉だ 大政翼賛会 大政翼賛会 ヴォーカル・フォア 67014A キング
昭和17年   3月 乙女の祈り 西條八十 伊藤宣二 李香蘭 100333A コロムビア
昭和17年   3月 大東亜決戦の歌 伊藤豊太 海軍軍楽隊 霧島昇
藤山一郎
100422A コロムビア
昭和17年   3月 断じて勝つぞ サトウ・ハチロー 古関裕而 藤山一郎 100430A コロムビア
昭和17年   3月 明日はお立ちか 佐伯孝夫 佐々木俊一 小唄勝太郎 A4279A ビクター
昭和17年   3月 シンガポールだより 矢島寵児 山田栄一 田端義夫 P5230A ポリドール
昭和17年   4月 つわもの日記 島田磬也 鈴木哲夫 東海林太郎 T3254A テイチク
昭和17年   5月 シンガポール晴れの入城 野村俊夫 古関裕而 伊藤久男 100454A コロムビア
昭和17年   5月 空の神兵 梅木三郎 高木東六 鳴海信輔
四家文子
A4311A ビクター
昭和17年   6月 防空監視の歌 相馬御風 古関裕而 藤山一郎 100480A コロムビア
昭和17年   8月 マニラの街かどで 佐伯孝夫 清水保雄 灰田勝彦 A4335A ビクター
昭和17年   8月 高原の月 西條八十 仁木他喜雄 霧島昇 100512A コロムビア
昭和17年   9月 村は土から 農山漁村文化協会制定 古関裕而 藤山一郎
松原・佐々木
100541A コロムビア
昭和17年   9月 海行く日本 池田誠一郎 細川武夫 永田絃次郎
長門美保
67055A キング
昭和17年   9月 ジャワのマンゴ売り 門田ゆたか 佐野鋤 灰田勝彦
大谷冽子
A4342A ビクター
昭和17年   9月 プレジャンの舟唄 門田ゆたか 大久保徳二郎 三根耕一 T3365A テイチク
昭和17年  10月 新雪 佐伯孝夫 佐々木俊一 灰田勝彦 A4351A ビクター
昭和17年  10月 鈴懸の径 佐伯孝夫 灰田晴彦 灰田勝彦 A4352A ビクター
昭和17年  10月  湯島の白梅 佐伯孝夫 清水保雄 小畑実 A4353A ビクター
《昭和SPレコード歌謡概説・昭和十八年》昭和十八年には、大学・高等専門学校に在学中の徴兵適齢期文科系学生を軍に召集、学徒出陣が始まった。また、学校にのこる学生・生徒を勤労動員し、未婚の女子を女子挺身隊に編成して軍需工場などに動員した。また、朝鮮人の強制連行も増加し、占領下の中国人を日本に連行し鉱山などで働かせた。この年は、戦中歌謡の最後の大ヒットが生まれた。長谷川一夫主演の映画『伊那の勘太郎』の主題歌《勘太郎月夜唄》である。小畑実と藤原亮子が歌った。軍国歌謡では、《若鷲の歌》が大ヒットした。作曲者の古関裕而は、土浦の海軍航空隊へ赴く車中で別のメロディーが浮かびそれを譜面に書き止めた。二つの曲を隊員に聴かせところ、ふと浮かんだマイナーのメロディーの支持が多く、この歌が出来上がった。また、《南から南から》《お使いは自転車に乗って》のような明るい歌も流行した。
昭和18年   1月 南から南から 藤浦洸 加賀谷伸 三原純子 100596A コロムビア
昭和18年   1月 湖畔の乙女 西條八十 早乙女光 菊池章子 10065A コロムビア
昭和18年   1月 バタビアの夜は更けて 佐伯孝夫 清水保雄 灰田勝彦 A4365A ビクター
昭和18年   2月 故郷の白百合 サトウ・ハチロー 古賀政男 霧島昇
松原操
100650A コロムビア
昭和18年   2月 青い牧場 サトウ・ハチロー 古賀政男 藤山一郎
奈良光枝
100655A コロムビア
昭和18年   2月 勘太郎月夜唄 佐伯孝夫 清水保雄 小畑実 A4375A ビクター
昭和18年   4月 お使いは自転車に乗って 上山雅輔 鈴木静一 轟夕起子 100687A コロムビア
昭和18年   4月 サヨンの歌 西條八十 古賀政男 李香蘭 100690A コロムビア
昭和18年   4月 緑の小径 門田ゆたか 灰田晴彦 灰田勝彦 A4388A ビクター
昭和18年   5月 加藤部隊の歌 田中林平 原田・他合作 灰田勝彦 A4480A ビクター
昭和18年   6月 索敵行 野村俊夫 万城目正 伊藤・霧島・楠木 100700A コロムビア
昭和18年   6月 大空に祈る 野村俊夫 万城目正 松原・三原・菊池 100700A コロムビア
昭和18年   7月 征けよロンドン・ニューヨーク 佐伯孝夫 佐々木俊一 小唄勝太郎 A4411B ビクター
昭和18年   7月 マライの虎 島田磬也 鈴木哲夫 東海林太郎 T3440A テイチク
昭和18年  11月 アッツ島血戦勇士顕彰国民歌 裏巽久信 山田耕筰 波平・伊藤・伊藤 100788A コロムビア
昭和18年  11月 若鷲の歌 西條八十 古関裕而 霧島昇
波平暁夫
100789A コロムビア
昭和18年  11月 決戦の大空へ 西條八十 古関裕而 藤山一郎 100789B コロムビア
昭和18年  11月 土の戦士 黒田良 明本京静 藤山一郎
佐々木章
100790A コロムビア
昭和18年  12月 今年の燕 安藤一郎 弘田龍太郎 日本合唱団 100796A コロムビア
昭和18年  12月 印度の星 矢野亮 上原げんと 松島詩子 332B キング
《昭和SPレコード歌謡概説・昭和十九年》昭和十九年から、アメリカ軍機による本土爆撃が激化し、敗戦の色が濃厚になった。インパール作戦の失敗、サイパン島の陥落、レイテ沖海戦の敗北と日本の運命は、もう見え始めていた。老人、婦女子の地方疎開や国民学校高学年生の集団疎開が行われるなど、国民生活は戦争によって崩壊し始めた。それを象徴するかのように《勝利の日》までは悲壮感と哀愁が漂っていた。また、古賀政男作曲の《月夜船》は、明るい曲調で戦時色がなかったが、戦後、ヒットすることになる。
昭和19年   1月 雲のふるさと 大木惇夫 古関裕而 伊藤久男 100823B コロムビア
昭和19年   2月 ラバウル海軍航空隊 佐伯孝夫 古関裕而 灰田勝彦 A4488A ビクター
昭和19年   2月 特幹の歌 清水かつら 佐々木俊一 藤原義江 A4500A ビクター
昭和19年   2月 ブーゲンビル島沖航空隊 島田磬也 細川潤一 立花ひろし 507A キング
昭和19年   6月 勝利の日まで サトウ・ハチロー 古賀政男 霧島昇 100843B コロムビア
昭和19年   6月 轟沈 米山忠雄 江口夜詩 楠木繁夫 100853A コロムビア
昭和19年   8月 海の初陣 西條八十 古関裕而 伊藤久男
近江俊郎
100871B コロムビア
昭和19年   9月 空の若桜 時雨音羽 飯田三郎 立花ひろし 525A キング
昭和19年  11月 今ぞ決戦 藤浦洸 明本京静 楠木繁夫
近江俊郎
100882A コロムビア
昭和19年  11月 月夜船 藤浦洸 古賀政男 波平暁男 100881B コロムビア

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