有限会社 三和模型
台東区蔵前4丁目

三和模型はソリッドモデル(木製模型)の時代から模型業界で活躍していました。

ソリッドモデル自体は戦前から存在し「標本縮尺模型」などと呼ばれていたようです。NBKやミドリなどが発売していた
ゴム動力製の模型飛行機に対し、実機を縮小して木製の模型にしたものをソリッドモデルと呼んでいました。

三和も数多くのソリッドモデルを世に送り出していましたが、残念ながらあまり広告などを出していなかったらしく、その
実態はわかりません。 ただ、現在の残っている物から推測するとある程度のレベルの物が多いような印象があります。
特に ”動く” という事に他メーカーよりこだわりがあったように感じます。これはおそらくプラスチックモデルへと移行に
なってからも同社のこだわりであり続けたのではなかったのでしょうか。

上はソリッドモデルの定番 戦艦 大和 です。 残念ながら 三和製ではありませんがいつの時代でも大和は日本人の
定番ですね。

陸
M−36 TANK>   
                        225×110×25>

 
 組立てはセメダインにて
接着する。

動輪等は頭の大きい釘を
打ち固定。

砲頭部も上から釘打ちする。

 (砲塔自動回転?)

 単二電池×2

モーターライズならぬ BATTERY OPERATED システム 特にモーターの指定はない。
箱絵はなかなかいいのだが、砲塔はどうやって自動回転するのだろう?
Mー45 TANK
こちらのM-45は ゴム動力   当時 ¥120 で売られていた

画像を見ていただければおわかりいただけると思うが、ほとんど木片という
感じである。 でもその分見ていると頭の中でいろいろな創作意欲がわく。
そのあたりがプラスチックモデルにはない魅力だと思う。
ただ、それがゆえにソリッドモデルは姿を消す運命たのだが・・・・・・。
駆動システム 心臓部

夏休みの工作を思い出してしまうのだが・・・・。
GM TRACTOR
BATTERY OPERATED

TKKスーパーNO.01とこちらはモーターの

指定がされ,モーターと電池ケースは別売り

となっている

 組説はデザイン的にも洒落ている。
左はこれまたソリッドの定番 東京タワー

東京タワーの完成が50年代後半だったはずですから

ソリッドモデルとしては後期の部類になります

箱を開いただけでチョット戦闘意欲がなくなりそうな・・・・・。

海
 趣味の木彫り
 
コロンブスの

サンタマリア号


発売は

1957年3月ころ

だったらしい


箱は350mm位の大きさが

あるが完成品は

かなり小さな

物のようである

サブマリンについては

こちらをご覧下さい

空
三和はゴム動力飛行機にも力を入れていた。

模型メーカーらしく一般のプロペラに角材一本打ではなく、より完成機に近い形状の
スケール機を目指したようです。
一般のゴム動力機しか知らなかった子供達にとっては、やはり羨望の的であった。
おそらく50年代後半の製品と思われるが、すでに一部プラスチック製のパーツを使用し
ていた。
疾風のプロペラ・キャノピー等のプラスチック製部品
オールプラスチックではないが、プラスチック部品は
いち早く模型に取り入れられていた
こちらは雷電のパーツ  プロペラは木製である。

フォームプラ
飛ぶオールプラスチックモデル
FLYING ALL PLASTIC AIRPLANE
ソリッドモデルが木製模型なら
フォームプラは発泡スチロール模型である。
プラスチックモデルが世に出始めたころ
並行するように三和・田宮などから発売
された。
61年ころのことである
田宮の場合は日模との 武蔵合戦 に破れ、金型費の工面が
なかなかできず一時しのぎ的に売り出したようですが、評判は
芳しくなかったようである。
発泡スチロールである、質感は0・質量も限りなく0に近く
スケールモデルとしては不適当な素材であった。

そのような中、業界でこのプラフォームを積極的に売り出した
のは三和模型であった。 広告も打っている。
ただ、三和の場合は田宮とちがいプラスチックモデルの替わり
ではなく、ゴム動力機の進化版として自社オリジナル商品という
設定であったように思える

 ”飛ぶオールプラスチックモデル”である。

一時このフォームプラも多少の話題になったようで、専門誌でも
記事が取り上げられていた。

その記事によると
「このフォームプラは発泡スチロールを特殊な方法で加工し、軽くて丈夫なうえに水にも強い特徴をもち
模型飛行機の素材としてはもってこいといったところです。
三和模型では日本で初めて製品化に成功した材料だといっている。
軽くて丈夫なことは、よく飛んで壊れないという事で模型家にとっては大きな魅力となるでしょう。」
コンベア F−102A
 飛ぶオールプラスチックモデル   


     <325×110×35>
 発泡性プラスチックを特殊な方法により
成型加工したもので、飛行機模型の新しい
材料として当社が数年来の研究により、日本
最初の製品化に成功したものです。
                  (三和模型談)

 圧力感度計用パイプ これどんな装置か分りますか?

  ・・・・・・・何と竹ひごを自分で削ったもの。
         機首に刺して使います。
   
     完成したら釣り糸で,吊るしたり
   
    何と壁に直接ピンで刺して止めたりした。

セミープラスチック
セミープラスチック モデル 
                <田宮模型>


プラスチック+ソリッドの合体品
 
船体をグレイのプラスチックに

上部構造物はソリッドで という

やはり時代の過渡期に登場した

巡洋艦シリーズ

1960年製



走る とうたっている割に

不具合も多かったらしく

早々、市場から姿を消していった