『山下さんの一日しつけ教室』

2002年11月23日(土)
AM10時〜PM5時
東京・武蔵野公園にて

《プログラム》

1.意識を引き付ける練習
2・待ての練習
3.犬の立場を体験する(人間がするゲーム)
4.お散歩トレーニング
5.遊びを教える
6.服従訓練のステップアップ

6.服従訓練のステップアップ

空の一番の問題行動。“下位犬に対する威嚇行為”
日本犬の集まりらしく、やはり気の強いコも多い。
しきりに『他の犬に気を配って動いてくださいね』と注意を促す山下さん。

基本的には、相性の悪い犬には近づかない事。唸りそうな気配が見えたら、『はい行こう』と180度違う方向に行く。
(きちんと付いて来た時に誉める事を忘れずに)

もう一つは、ショックを与える。
引きよせるのではなく、引き上げる感じで。(目安として犬が4〜5cm浮く感じ)
びっくりして、戦意を喪失するくらい。
(唸った瞬間に稲妻に打たれたようなショックを受けてなぜか宙を舞っているという感じ)

ただ、空や海は体重が軽い為、吹っ飛んだときも大してショックを感じていないみたいでした。
それを証拠に、ショックを与えた後もまだ攻撃に出てましたから・・・

それに対しては、『チェーンカラー』を使うのも一つの方法だそうです。
チェーンカラーは少しのショックで伝わりやすいので失敗が少なくすみます。
ここで大切なのは確実に一回でショックを入れるという事です。
コワゴワ入れると、ショックが効かず何度も繰り返すことより、罰に対する耐性を作ってしまい、より強い罰が必要になり
かえって可哀想な事になります。

空と海にアドバイス頂いたのは
『相性の悪い犬を見ても、静かにしている時に
誉めてやる事を心がけて下さい』

そして、一番ダメなのは『ダメダメ』と引っ張る事です。
引っ張り合いになって、行きたい方向に行けない犬の攻撃意識を高めるだけになってしまいます。
(※)

すぐり君の捜索訓練

この会の最後に、すぐり君の『捜索訓練』です。
よく警察犬がやっている同じニオイの物を探す(選別)とは全く違うものです。
やった〜これが見たかったのです。

これを一番楽しみにしていた、そら父が“遭難者”の役に立候補。すぐり君の見えない所で隠れます。

山下さん『はい、おいで』
(うれしそうに山下さんを見るすぐり君)
に記した通り、首輪を持って前に行けない様にして、
すぐり君のテンションをあげます。
すぐり君 『早く行かせて〜』
『捜せ』の号令で、発進するすぐり君
こんなに遠くまで・・・(どこにいるか分かるかな?)

遠くの方から、すぐり君の『ワンワン』と吠える声。
見事にそら父を発見!!何で分かるんだ〜

なぜ、分かるのか・・・山下さんが説明
『動いている人と動いていない人とは、ニオイが違うらしいです』
確かに、遭難者役のそら父は『すぐりが吠えるまで、動かないで下さい』とお願いされたそうだ。

そら父しか知らない、遭難者の気持ちを聞いてみました。

作業犬特有のカウベル。その音が、通り過ぎてしばらくすると『カラン』と止まった気配。
そら父に気付いたらしい。
カランカランとそら父に近づき、『クンクン』そして鼻でそら父をツンツン。
それでも、動かないと確信したのか『ワンワン』とお知らせしたらしい。
訓練とは知りながら、『助けてくれてありがとう〜(涙)』の気持ちになったそうです。

すぐり君に助けてもらった、そら父
続いては、山下さんが大きなゴミ入れの中に入る。

ストレスを持つ人のニオイ。
これが、遭難者を見つける時のポイントらしい。

どこかに、閉じ込められたりしてストレスを感じている人間のニオイを嗅ぎ分けて、救助する。
それが、すぐり君の仕事だ。

メルーちゃんのHPで雪の中に埋まった人を見つける訓練の様子が載ってあるが、目の当たりにしてホントに感動しました。
すぐり君 『ここからニオイがする・・・ワンワン』 すぐり君 『当たった〜♪』
(本当にうれしそうな顔をするすぐり君)
《最後に》一日しつけ教室に参加して

長い時間にもかかわらず、あっという間にすぎた一日でした。それ位楽しい時間でした。
犬の疲れない様に、飽きない様にと配慮されていたので、空や海もダレルことなく楽しく練習していました。

一緒に参加した飼い主の皆さん。自分の犬をとても大事にされている方達で、誰もが一生懸命、練習されていました。
気さくな方ばかりで、初対面でもすぐに打ち解けられる事が出来ました。皆さま、ありがとうございました。
またお会いしたいですね。(ちょっと遠いけど)

そして、初めてお会いする山下さん。救助犬の飼い主というイメージから、もっと厳しい方かと思いきや、
犬にも飼い主にもとても優しい方でした。
犬の事を一番に考え、それぞれの犬のいい所をすばやく見つけて伸ばしてあげる。そんな教え方でした。

メールの最後にいつも“甲斐犬すぐりとその親分”と記されているのですが、“親分”というよりも“パートナー”と言った方が近い気がしました。
(すぐり君に対して声を荒げる様な事は一度もありませんでした)

決め付ける様な所は一切なく、トレーニングの合間にも『あっそういう方法もあるんだ』とか『これは新しい発見ですね』と
飼い主を立てたり、謙虚な姿勢はくずされませんでした。

本当に、参加してよかったと思っています。山下さん、一日お疲れ様でした。ありがとうございます。
今後の訓練に生かし、よりより共同生活が送れる様にがんばりたいと思います。
最後になりましたが、山下さんとの出会いのキッカケを作って下さった甲斐犬メルーちゃんの飼い主さんに感謝しています。
ありがとうございました。

帰りも元気な空(左)と海 はりきって、そら父の肩にのる海
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