「真壁づくり」柱を出した真壁づくり。和室でも洋室でもほとんどの部分を真壁にしている。 「真壁(しんかべ)」とは、柱を隠さず、表して壁を仕上げる方法をいいます。それに対し、現在住宅のほとんどは「大壁(おおかべ)」といって柱を隠して和室以外、部屋は壁だけの仕上げになっていますが、土壁や漆喰がほとんどだった昔の家では、左官の作業性や修繕の利便性などから壁を区切る方法がとられました。そして木を出すことで、木の持つ湿度調整機能を有効にし、且つ劣化部分や雨漏りなどの欠陥部分を早期に発見することができました。一年の大部分が湿度60%を超えるという日本の気候の中では、家の中や壁の中に湿気が流入しやすい為、大壁のように壁の中に湿気が溜まりやすく、内部がわかりにくい構造は家自体の寿命に大きく影響してきます。冷暖房機器が発達した現在では、湿気や雨の多い夏場のみならず、内外の温度差が激しい冬場に発生する壁内結露が問題になっています。「真壁」は壁内に湿気を入れないことよりも、湿気が出てゆくことを重視した造りだと言えるでしょう。 また、年月がたち、材料が収縮したり変形した場合、建設当初の断熱性や気密性をずっと保っていることは難しいことです。過剰に気密や断熱に頼る方法ではなく、それは付加価値として考え「真壁」を基本とした壁内に湿気が溜まりにくい構造で造ることが良いと考えています。 |
「フラットベット基礎工法」
土台の上に足固めが立ち上がり、床下は55センチ以上確保している。 「フラットベット基礎」は「ベタ基礎」の一種です。ベタ基礎は、建物の加重を分散して地面に伝える地盤対策として、そして地中から進入する湿気対策として現在、住宅のほとんどの基礎に採用されています。しかし一般ではコンクリートの立ち上がり部分が重要な「基礎梁」となっているにもかかわらず、換気口などで寸断されて実際は「梁」の役割を果たしていない場合が多いのです。換気口をやめ、基礎パッキンを使用した方法も有効ですが、比重が重い湿気が基礎底に溜まってしまうケースもあるようです。フラットベット式では、ちょうどベタ基礎をひっくり返した形になり、基礎梁部分は地面の中でしっかりつながっています。土台を置く部分に「ネコ」と言われるモルタル下地をつくり「基礎パッキン」と同じような土台下で換気する方法をとります。その結果、コンクリートで区切らない、スッキリした通気の良い床下が出来るワケです。 また、梁をだすような天井が無い造りの場合には、各部屋に電気や空調の配線などをする部分が難しいのですが、この深い床下を使って配線ができる為、メンテナンス面から見ても大変重宝します。 ココロでは、この「フラットベット基礎」を標準仕様として設計しています。
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