「えー、それでは…本日の『収穫』を発表します」
 コホン、とエルフの娘は態とらしく咳をした。
 徐に自分の周囲を見渡し、
「リクの実が長靴2杯、ゴリの実が長靴2杯と半分、チコの実が20個くらい…」
 娘はそこで言葉を止めるとジロリ、と足下を見る。
「……そして、エルフ一匹。」
「ぁぅ……」
 視線の先には肩を竦め、ちょこんと正座してるエルフの娘が一人。
「お姉様、…いったい何度目だと思ってるの!?あれは森に迷い込んでくる人間達を追い返すための罠でエルフを捕まえるための罠じゃないのよ!?」
 雷のような叱責が飛び交った。お姉様、と呼ばれたエルフはシュンと視線を落とす。
「だいたいエルフの癖にお姉様はトロすぎなの!よりにもよってあんな罠にかかるなんて…エルフの恥ね」
 エルフの妹の憤りは凄まじい。肉親故に余計に怒りが増すのだろう。
「ぁぅ…、ごめんなさい…」
 シュン、と身を縮めるエルフの姉。ふぅ…と妹はため息をつく。
「まったくもぉ…、お姉様。もちろん『約束』は覚えてますよね?」
 エルフの妹はしゃがみ込むと姉の顎を掴み、くいと引き上げた。…目が合う。
「ぁ…やッ…もぅ、罠壊さないから…だからっっっ…!」
「だめです。今日という今日はもう許しませんからね!!」
 ビクッ、と肩を竦ませるエルフの姉。妹は少し声を落ち着かせてから、
「悪い子にはお仕置き、…当然の摂理ですよね。お姉様?」

森の姉妹

 ノース大陸の外れにあるグリンウッドの森。
 育ちすぎた樹木は日の光を遮り、森の中は昼間でも夜のように暗い。
 当然、昼間でもそうなのだから夜はになれば尚更のこと。
 昼だというのに夜の様に暗く、夜だというのに月がない。
 故にこの森は月無しの森とも呼ばれた。

 森の中央部には樹齢千年を超える大木があった。
 そしてその大木を住処とするエルフの姉妹、名をルカとルミといった。
 姉のルカは金色の長い髪、妹より背はやや高く、体つきも大人びたエルフだった。
 ただ、頭の中身の方はお世辞にも大人びているとは言い難く、毎日という時間を森の散歩や木々や動物との語らい、昼寝などで過ごしていた。
 一方、妹のルミの方はというと姉に比べるとやや小柄、動きやすさを重視するためか髪も短い。
 毎日遊び呆けている姉とは違い、食べ物の調達や魔術や薬物の勉強なども熱心に取り組む…いわば『真面目な』エルフだった。
 怠け者の姉としっかり者の妹、まさにそんな表現が似合う姉妹。
 ―――しかし、そんな二人の関係がいつからか少しずつ…ズレ始めた。
 きっかけは、些細なコトだった。

「さぁて、お姉様。今日はどんなお仕置きにしましょうか?」
 暗い室内、クスクスというルミの笑い声が響いた。
 視線の先にはベッド、その上には後ろ手を拘束されたルカが居た。
 ルカの手を拘束しているのは何のことはない布きれ、しかしそれはルミが行使した戒めの術によって彼女自身が解呪の言葉を言わない限り決して解けることはない。
「や、ぁ…ルミちゃん…これ、嫌っ…これとってよぉッ…!」
 無駄だと分かっていても、ルカは拘束を振りほどこうとする。
「無駄よ、お姉様。その戒めはお姉様が反省するまでは絶対にとけませんから」
 ルミはすっ、とベッドに歩み寄るとルカの肩を掴み、ぐいとベッドに押し倒した。
「ぁっ…」
 刹那、反動でゆさりとルカの胸が揺れた。
「くすっ、相変わらずね。お姉様の胸は…」
 侮蔑の混じった様なその呟き、途端にルカはかぁぁと頬を染めた。
「私たち、姉妹なのに…なんでお姉様だけそんなにおっぱい膨らんじゃったのかなぁ?」
「やっ…ルミちゃっ、そんな…言わないでよぉ」
「どうして?私はお姉様の胸は大きいって褒めてるだけなのに…」
 むにっ、とルミの手が膨らみを掴む。
「ッ…!」
 途端、ビクリと体を震わせるルカ。そんな様子を心底可笑しそうにルミは笑み、
「きっと私とお姉様はホントの姉妹じゃなくて、お姉様だけ牛から産まれたのね。だから胸がこんなに……」
「っっっ!!…る、みちゃ…そんな、酷い…コト……」
 震えるようなルカの声。
「くす、じゃあ証拠…見せようか?」
 ぼそりと、囁くような言葉。そのままルカの服を脱がせる。
 皮のベルトを外し、ミスリルの糸を紡いで編んだハイネックをそっと腹の方からまくしあげる。ぷるん、と弾力に富んだ白い膨らみが露わになった。
「あら…お姉様、この前の『お仕置き』の時よりまたおっぱい大きくなった…?」
 じろじろと、のぞき込むようなルミの視線。ルカは身を捩り、胸元を隠すような動作をしようとするが、ルミがそれを許さない。
「やっ……ぁ―――」
「なぁに?お姉様ったら恥ずかしいの?そうよね…こんなに大きなおっぱいを人に見られて、私なら恥ずかしくて死んじゃうかも…」
 蔑みの言葉にますます赤くなるルカ。くすっ、とルミは笑むと
「あら、お姉様ったら…」
 まるで新しい玩具をもらったときの様な、そんな無邪気な声。
 ルミは指先できゅむっ、と膨らみの先の突起を摘む。
「いっッぁ!?」
 ビクンッ、ルカは背を弓のように逸らす。くすくすという笑みが聞こえた。
「ふふっ、こんなに乳首勃てて…」
 そのままクイッ、クイッ、と
「っひゃぁッ!ぁ、ぁんっ!る、るみちゃ…だめっ…!!」
 乳首を引っぱられる度に体をぷるぷると震わせるルカ。
「くす、ホントにお姉様はおっぱい弱いんだから…、可愛い……」
 ぴんっ、と指先で軽く弾くとそのままルカを抱きしめた。
「ぁうッ!……ぁ、ルミ…ちゃ……………」
 はぁはぁ。湿っぽい吐息を漏らして体を預けるルカ。
 ルミは片腕でそっとルカを抱いたまま、幼子をあやすようにルカの髪を撫でる。
「ねぇ、お姉様?」
「ふぁ…?」
 とろん、とやや潤んだ瞳をルミに向けるルカ。ルミは無邪気に笑んで、
「私、お姉様がおっぱい弄られてイッちゃう所…見たいな…♪」
「え…?…る、ルミちゃっっっきゃッひぃッ!?」
 途端、両の胸を鷲掴みにされるルカ。素っ頓狂な声を上げ、体を竦ませる。
「はぁぁ…ぁ、お姉様の胸…おっきくて柔らかい…、いいなぁ…、私も…欲しい…な」
 ぐにゅっむにゅり。ぐにゅんっむぎゅ!
 指先に力を込め、粘土のような弾力と吸い付くようにきめの細かい白い肌の感触を堪能するうち、ルミは徐々に息を荒げる。
「ふぁっぁ、やっ、やぅッ!っっひぁッ!や、ぁ…るみ、ちゃ…つよ、い…ッッ!ぃんッ!!」
 ビクッ!ビクン!
 ルカは腰をヒクつかせ、仰け反り、喘ぐ。
「はぁ……はぁ…お姉様ぁ…、気持ちいいの?もっと…気持ちよくしてあげる…」
 ぐにゅぅうう!ルミは搾るように乳房を揉んだ後、ちゅぶりとその突起に吸い付く。
 はしたなく、ミルクに飢えた乳児のように舌先でピンピンに勃起した乳首を嘗め回し、唾液を絡める。
「はひぃいいいッ!!!ひぁッ!やっ、らめッ…吸っちゃ…らめぇッ!!!」
 ルカが暴れる、ギシリとベッドが軋む。
「んっちゅ、ジュルッ!んはっ…ぁ、お姉様のおっぱい…美味しっ…あむっ…んんんんっく、ジュルッじゅっ…ちゅッ!!!」
「っっっあひッぁ、!!や、やぅぅッッッ!!も、う…らめェッ!!!」
 ぎゅっ、と体中を強ばらせ、快感に耐えるルカ。ルミはにゅぱ…と唇を突起から離した。
「くすっ…イッちゃえ」
 両乳房の突起を摘み、きゅりっとひねる。
「ッッきゃぁッ!?あひぃぃぃぃッッッッッッッッッッ!!!」
 ビクン!淫らに跳ねるルカ。
 唾液混じりの媚声を上げて、失禁と見紛うくらいにジットリとシーツを濡らして。
「ふふっ…、ホントに胸だけでイッちゃうんだから……」
 ぐにぃっ、と白い胸を捏ねるように弄る。ルミの指がにゅむと柔らかさの中に埋没する。
「ふぁっぁっ……」
 そんな愛撫にも呆けたような声を出して反応するルカ。ルミが残酷な笑みを浮かべる。
「じゃあ、お姉様?今日は胸で5回イッたらお仕置き終わりにしよっか?」
「ぇっ…そ、んなっっ…」
「ふふっ、そうね。5回じゃお姉様は満足できないわね〜、じゃあ10回に挑戦してみる?」
 むぎゅぅううっ!
 ルミの手が一際強く、捏ねる。
「ふぁあぁあっぁああっぁっ!!やっ…だめっっ、そんなっ…死んじゃうっっ!」
「ふふっ、でもそれくらいしないと…お姉様は懲りないでしょ?……んっ…」
 ルミの唇が、再びルカの桃色を捕らえる。
 ざらりと舌を突起に絡ませ、揉み、吸う。
「ぁっる、るみちゃっっ…ぁぁあっぁッぁあぁああぁッ!!」
 背を弓のように反らせて、ルカは声を上げる。
 エルフの妹はその声に満足そうに微笑み、愛撫を続ける。
 夜も、更けていく…。 

「はぁ…はぁ…お姉様…凄く可愛かった……♪」
 ルミは顔を紅潮させ、息も荒く、軽く痙攣をするルカを抱きしめる。
「ふぁ…ぁ……ぅ……」
 絶頂の余韻のせいか、ルカは焦点の定まらない目で視線を泳がせた。
「お姉様、…もう悪戯しちゃだめだからね?」
 二つの膨らみ、掌をそっと下から宛い、持ち上げる。
「ふぁ…ッ!」
 途端、ピクンと反応するルカ。そんなルカの様子を満足そうに見つめるルミ。
「くすっ、…敏感なお姉様…………大好き…♪」
 ぎゅう、と姉の体に手を回し、抱きしめる。ルカの体は熱をもっていて、しっとりと汗ばんでいた。



―――後日。



「お姉様、ちょっといい?」
「え…な、なぁに?ルミちゃん…」
 突然背後から声をかけられ、ルカはギクリと体を強ばらせた。
「………貯蔵庫のチーズが昨日と今日で2個ほど数が合わないんだけど…知らない?」
「う、うん…わたし知らない…。ネズミじゃないかな…?」
 あはは…と苦笑いを浮かべるルカ。ルミはルカの前に回り込むとずい、と顔をのぞき込む。
「一個2キロもあるチーズを一日で2つも食べられるネズミが居たら私たちはとっくに餓死してるわよ!………ねぇ、お姉様?この口の所についているチーズの欠片はなにかしら?」
 つっ…とルミはルカの口元から黄色い欠片を指先で掬うとぺろりと舌先で舐める。さぁぁ…とルカの白い肌がみるみるうちに蒼白になる。
「ぁ、ぅ……ご、ごめんなさい……お腹が減ってて…だから……」
 観念したのか、子供のように謝るルカ。ルミはふぅと憤りの混じったため息を漏らし、
「まったくもぉ…、私と同じだけ食べてさらにチーズを4キロも食べるなんて…。……そういう栄養が全部胸にいっちゃってるのね、お姉様は」
 ぐにっ、とルカの胸を鷲掴みにするルミ。
「あふっ…。ぁ…胸…、やぁ…ルミちゃ…っっ…」
 頬を桃色に染め、切なげな吐息を吐くルカ。ルカはそんなルミの長耳に唇を寄せ、意地悪な口調で呟く。
「くす、勝手にチーズを食べて隠そうとする悪いお姉様。…お仕置き、かな?」 

to be continued.......

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