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刈り風景

(作業日:2006.10.15)

 

 

 

 

 

 刈り風景をレポートします。
時期はこの地域(群馬県高崎市北部)では10月中旬から下旬頃です。
稲刈り全体の作業としては、稲刈り前には土手の草刈りやコンバイン(稲刈り機)の整備、台風がきないように(注:群馬弁で”来ないように”のこと)願ったり、稲刈り後にはコンバインの掃除、 などなど色々作業がありますが、今回はまさに"稲刈り"作業と言える部分をレポートします。
(※写真は携帯電話のカメラで撮影したので、あまり良い色ではないですが、、)


【 天候について 】
 
刈りは、田植えと違 って雨の日には出来ません。
稲が濡れているとコンバイン内部でくっ付いて詰まったりして上手くいかないからです。
なので朝露が残っている早朝も刈れません。
今回は太陽が昇り、露が無くなってきたAM9:00頃から刈り始めました。
(前日から風が強くて朝露が付きにくい時は、早朝から刈れる場合もあります。)


【 刈り方 】
 
者が子供の頃は手で刈っていました。(懐かしい・・)
でも今は機械の時代です。コンバイ〜ンです。
コンバインは基本的には、田んぼの外側から左回りに、四角い渦巻き状に回りながら内側へ刈っていきます。ラーメンのドンブリ模様のイメージ(?)です。
(まぁ田んぼの内側から刈っていけるのはUFOくらいでしょうね。。)

 
ず最初の手順として、手刈りで「四隅刈り」というのをします。 (「周り刈り」とも言う)
字の如く、田んぼの四隅を刈ります。
下図1の"灰色の部分(4ヶ所)"です。(⇒の所からコンバインが入る場合です)

 

 

< 図1:四隅刈り > 

 

 

なぜこの作業をするのかというと、コンバインの構造に起因しています。
コンバインの先はフォークの様な爪が出ています(下写真)。そして稲を刈る"刃"の部分は、この爪よりも若干奥にあります。なので、コンバインが田んぼの端に到達したとき、先端から刃までの間に刈れない所が出来てしまいます。その刈れない範囲を先に手で刈っておく必要があるのです。 それと一周目の角を旋回し易くする目的もあります。
最初の入り口(上図1の⇒部の角)は土手の段差でコンバインが若干前に傾いて刈りづらいからです。
  

 

< コンバインの先端 >

 

 

 

【 一周目の角を旋回する手順 】
下図2−@の⇒から入って真っ直ぐ刈り、最初の角まで来たら
...

 

 

< 図2−@ > 

 

 

一旦少しバックして、
図2−Aの様に少し内側に切り込んで刈り...
 

 

 

< 図2−A >

 

 

更にバックして
図2−Bの様にまた少し内側に切り込み、旋回できるスペースが出来たら...
 

 

 

< 図2−B >

 

 

図2−Cの様に旋回して、次の角まで刈って行き、また同じ様にして旋回します。
2周目はもう旋回するスペースが出来ているのでABはしません。
 

 

 

< 図2−C >

 

 

「四隅刈り」を広めに(コンバインが旋回できるくらい)しておけば、斜めに切り込むABは必要無いわけですが、あぁ人間とはなんと横着者なのでしょう、なるべく手で刈る作業は少なめにしてしまうのであります。(結局その方が効率的な為です) 

 

 

 

 

 

 

【 稲刈り風景 】
 
植えレポートにも登場した"A氏"がまた手伝ってくれました。
今回稲刈り初体験なので、コンバイン操作のレクチャーを受けています。
じゃんじゃん刈っちゃって下さいよ〜。

 

 

< A氏 真剣に聞いてます。 >

 

 

 

 り取った稲は、コンバイン内部で「 籾(もみ:稲穂から取っただけの殻がついた状態の米)」と「わら」に分けられ、「もみ」はタンク(コンバイン上部の白い箱)を通って、コンバイン右側面にセットした袋に落ちて溜まっていきます。 (下写真)
袋が一杯になると自動的にタンクの排出口が閉まり、袋から溢れない様になっています。
袋が一杯になってもタンクの中にある程度溜めることができるので、直ぐに袋を取り替えなくても大丈夫なようになっています。

 

 

< 青い袋にモミが溜まります >

 

 

「わら」は後部の方に送られ、一定量溜まると排出口から排出されます。
(今回は結束せずに排出していますが、糸をセットすれば結束して、束で排出する事も出来ます。)

 

 

< 今回はワラを結束せずに排出しています >

 

 

 

 ンバインの稲取り込み口の先にはセンサー機構があり、運転席にいなくても自動で刈ることができます。(下写真)
刈りながら、一杯になった袋を取り替える作業をするのに便利です。
でもこれは稲がある程度真っ直ぐに生えている場合だけです。(=田植えの時になるべく真っ直ぐ植えておかなければ、うまくセンサーが働きません、、)

 

 

< 自動運転 >

 

< センサー機構。爪の横に棒が出ていて、これに稲がぶつかると方向が左右に微調整される仕組み。 >

 

 

 

 

 杯になった袋はトラックに載せ換えて、農協のライスセンターに運びます。

うちのコンバインは袋にもみを溜めて人手で運ぶタイプですが、もみを直接トラックの荷台に吹出す長い筒が付いているタイプのコンバインもあります。

 

 

< モミが溜まった袋を降ろします。一袋約30kg。 えっさほいさっ、、 >

 

< 袋をトラックに積みます。 うんとこどっこいしょっ、、>

 

 

 

 

 ラックに積んだら一応落ちないようにロープを掛けます。 (積む数が少ない時は掛けません)
縛り方を教わるのですが、毎回忘れていて、今回もまた教わりました。。。
(え〜と確か、ああやって・・こうやって・・、あぁ..もう忘れてる。。。また次回教わらねば。)
 

 

< 毎回教わるロープの縛り方。。>

 

 

さぁ、トラックに袋を積んだので、農協に運びましょう。 

 

 

 

 

 

 

【 ライスセンター 】
 
協のライスセンターです (下写真)。収穫した米を集めて共同で管理する施設で、乾燥機やもみ摺り機を備えており、この地域の田んぼで刈られたもみが続々と集まってきます。
各農家は収穫したもみをここに持ち込んで、計量⇒ 乾燥⇒ もみ摺り をしてもらい、玄米の状態にして、自分で引き取ったり、農協に買い取ってもらったりします。 (自分で乾燥・もみ摺りをする家もあります)
計量が終わると、もみは全部ひとまとめになって処理されるので、実際には自分が収穫した米を引き取れるわけではありませんけどね。。(各農家毎に管理してたら大変なことですから・・)

では、いざ もみを持ってライスセンターへ・・

 

 

< ライスセンターの正面。  田植え期には撮影地点は苗箱が敷き詰められる(田植えレポート参照) >

 

 

 ンターの建屋の中(上写真のA)がもみを降ろすところで、このセンターには2ヶ所あります。
次の順番待ちのトラックはその前方(写真のB)で待ちます。
そのまた次の順番待ちのトラックは右側(写真のC)にズラ〜と並んで待ちます。
混む時は蛇行して並んで、4時間以上待つ場合もあります。(チョー退屈です。)
恐る恐る行ってみると、今回は殆ど並んでおらず安心しました。

 

 

 

 

 

 

 みを降ろすところは下写真の様に鉄格子になっていて、もみをこの中におんまけます(注:群馬弁で"豪快にぶちまける"こと)。

 

 

< この中にもみを入れます。 知らないオジサンのおしりアップ写真になってしまいました。。。 >

 

 

 の順番待ちの人は前の人が降ろす手伝いをして、少しでも早く作業が進むようにします。
(皆で助け合いです。 お年寄りもいますし。)

 

 

 

 

 子の中の深さは1メートル余りくらいで(意外と深くないです)、底に行くにしたがって幅が狭くなるV字型をしており、底には隙間が空いていて、その下にもみが少しづつ落ちていきます。
底の隙間はスライド式の扉で閉まる様になっていて、もみが全部落ち切るのを係りの人が確認して扉を閉めます。

もみを降ろし終わったトラックは、格子内のもみが落ち切るのを待たずに移動し、次のトラックが入り、前のトラックのもみが落ち切って底の扉が閉まったら、もみを降ろし始めます。
こうすることでトラック毎のもみが混ざらないようにしています。

もみを降ろす前に係りの人に農協の登録カードを渡すことで、これから降ろすもみが誰のものかが管理されます。

 

 

 

 

 

 

 近は荷台がアップして降ろせる ダンプ型のトラックの利用も増えてきました。

 

 

< 小さめのダンプ型トラック。 撮影のタイミングが遅かった、、>

 

< 中型。 ザパ〜っ >

 

< うおーっ、ケタが違うゼー!! >

 

 

この他、普通の軽トラックの荷台に もみ運搬用のコンテナを積んでいる家もあります。
 

 

 

 

 分のもみが落ち切ってから5分もすれば 計量と検査が終わり、農協のカードと一緒に伝票が渡されます。
伝票には、もみの総重量や水分含有率などが表示されていて、玄米の総重量は計算によって算出されます。

 

 

 

 

 回の運搬でもみ全部を運びきれる訳ではないので、何回か田んぼとセンターを往復する必要があります。
センターに行くタイミングが悪いと長時間待つことになり、稲刈り作業全体の終了も遅くなってしまいます。。 (これホント何とかならないのか..。 並び屋のバイトでもしようかな。)

 

 

 

 

 

 後の伝票をもらうとようやく、あぁ〜終わった終わった、という気分になれます。
(本当はその後コンバインの掃除や整備をしないといけないのですが、それは父上に任せて...)
帰って、風呂に入って、A氏と焼肉を食べに行きました。

ちゃんと"ライス"も頼みましたよ〜。米(^-^)米

でもカレーのときはナンにしちゃうんだよねぇ。。 (^_^;)


 

 

 

 

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