広島隕石


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2003年2月3日(月)、工業団地内医薬品会社倉庫の天井に穴が開いていることに
従業員が気づく。翌4日(火)に倉庫内の床に落ちた石が発見され、広島市こども文化科学館に通報。
国立科学博物館の米田成一氏により鑑定される。
倉庫内は1日(土)の夕方までは異常がなかったことから、その後の落下である。
隕石は倉庫の屋根を貫通し、石膏ボードの天井を抜け、
薬品棚上部の鉄パイプを変形させて床に落ちた。


広島市役所内にて撮影 2003年2月19日

上部は凹凸が
目立つ
全く丸みがない
隕石である
この面から屋根に
突っ込んだようだ
手前の欠けの
1cm程奥に亀裂
この面は
ちょっと茶色い

隕石は単一であり、溶融被殻は約0.5mmで厚さは均一だが、やや茶色い部分がある。
落下時の衝撃で3カ所小さな欠けがあり、小さなひびが尖った部分に近い一カ所にある。
表面には、鉄板屋根を突き抜けた際に付いたと思われる金属の擦り跡と、
石膏ボードを抜けた際の小片が付着している。これらから、
屋根に落下した時には、最も尖った方を上に、やや太い方を下にして貫通したと思われる。
また、倉庫屋根の鉄板を通過する際に、貫通断面積が最大になる時の角部2カ所が欠けた
と推定できる。もう一カ所の尖った方の欠損理由は不明。

溶融被殻には
小さな亀裂と
小穴がある
左右約1cm
割れた内部には
球粒がよくわかる
左右約1cm
表面の窪みは
どうしてできたのか?
液滴の固化跡有?
左右約1cm

隕石の貫通した屋根・天井の穴

落下倉庫内にて撮影

上が屋根の穴
下は天井の穴
パイプの窪み
パイプ径は約3cm

鉄板屋根を突き抜けた穴から約1.5m下に天井板があり、
垂直より、約15cmほど南東を向いて落下した位置の天井を抜いている。
薬品棚パイプの位置は、天井から約1.5m下で、変形位置は天井穴の約5cm南東寄り。
そこから床面までは約2m。


リンク

 広島市こども文化科学館 : 隕石はこちらで展示されておりました(現在は?)。