流星に伴って聞こえる音


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流星の出現によって音が聞こえることがあります。
大きく分けて2種類、いずれも珍しい現象であることに違いがありません。


1.衝撃波(sonicboom, shockwave)

隕石の落下を伴うようなたいへん大きな火球が出現したときに、その光が消えてから数分後、
遠雷のような、あるいは大砲を撃ったような大音響が聞こえることがあります。
甚だしいときには、家の中にいた人々が音に驚いて表に出てくるほどであったり
窓ガラスが振動で割れてしまうこともあるようです。


これは、音速の数十倍の高速で落下する火球(隕石)によって大気の激しい波、衝撃波が作られ、
それが地表に届いて我々に音として聞こえるものです。
衝撃波が発生するのは、地上高度70〜20km程度が中心で、それより高い高度では大気が薄く、
大気に伝わるエネルギーが弱くなり、また20km以下では火球の速度が遅くなって衝撃波が発生しなくなるためです。
発生した衝撃波は、火球の速度と音速によって決まる頂角を持つ「マッハ円錐」形状で広がります。
火球の速度が速く、円錐とは言ってもほとんど円柱に近い形状です。
こうして上空数十kmで発生した衝撃波は、音速で伝わるため、火球の出現から数分もかかって地上に到達します。
衝撃波が地上に伝わるためには、大気密度の濃い高度においてなお、火球の大きさと速度が大きくなければなりません。
これは、隕石が地上にまで落下する条件とかなり近いものとみなせます。
そして、多くの地点で衝撃波が到達した正確な時刻が観測できれば、火球の飛んだ経路を解明することもできます。
なお、衝撃波が強く聞こえる地域は、隕石が落下したであろう地域とは、普通何十kmも離れており、
隕石の落下した地域付近で衝撃が聞こえることはむしろ希です。


 しかし、大きな火球が低空まで高速で落下しても、地表から衝撃波が観測できないこともあります。
それは、火球がほとんど地表に垂直に落下した場合です。
このとき、衝撃波面は、成層圏で下向きに屈折するのですが、より低い対流圏に入るともっと強く上向きに屈折するためです。
その結果、衝撃波は地上に届くことなく、遙か上空で消えていってしまいます。
なぜ、衝撃波が屈折するかというと、音、衝撃波は、温度勾配があるときに、温度の低い方に曲がろうとするからです。

2.電磁波音(electrophonic)


 火球の出現と同時にいろいろな音質の音が聞こえることが報告されています。
珍しい現象で、明るい流星に伴うことがやや多いものの、そうでない場合もあります。
光と同じ程度の速度で伝わることから、音として聞こえていても、本当は音では無いはずです。
人間の錯覚として理解することを疑うべき場合もありますが、背後に出現した流星に伴う「音」の観測報告もあり、
全てを錯覚とすることは困難です。
光と同時に到達することから、何らかの波長の電磁波が、人間の脳に直接働きかけて、音としての認識となるとも言われます。
また、到達した電磁波が観測者の近くにある物体に反応することで音に変換されるという考えも提示されています。、
まあ、正確にはよくわかっていません。
音質は、シューというような摩擦音、ポンという爆発音など多彩です。