BEETHOVEN
(ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン/,Ludwig van/1770〜1827/ドイツ)


「無限な精神をもつ有限なる我々は、ただ苦悩と歓喜とのために生まれた。
 そして、ほとんどこう言うことができるでしょう、
 最もすぐれた人々は、苦悩を通じて歓喜をかちうるのだ、と。」
 〜ベートーヴェン


「モーツァルトは誰でも理解できる。しかしベートーヴェンを理解するには優れた感受性が必要だ。
 失恋などで悲しみのどん底にいなければならない」
 〜シューベルト



交響曲第2番ニ長調 Op.36
TAdagio molto − Allegro con brio
ULarghetto
VScherzo&Trio:Allegro
WFinale.Allegro molto
交響曲第1番初演前からベートーヴェンを悩ませていた耳の病気はこの頃にはひどく悪化し、1802年に
は有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」を書かせるほどに彼を追い詰めていた。しかし、遺書を書くことで
克己したのか、これ以降は次々に名作を完成させていった。1801年〜1802年にかけて作られたこの
曲には、こうした苦悩の暗い影はなく、全曲にわたって彼の希望や決意が表明されているかのようである。
サイモン・ラトルウィーン・フィルハーモニー管弦楽団32:07


交響曲第3番変ホ長調 Op.55 「英雄」
TAllegro con brio
UMarcia funebre.Adagio assai
VScherzo.Allegro vivace
WFinale.Allegro molto
ボン時代からフランス革命の精神に傾倒していたベートーヴェンが、ナポレオンを記念して作曲したと言われ
ているのがこの曲である。ただ、皇帝に即位した彼に興醒めし、総譜に書き記した彼への献辞をはげしい筆
圧で書き消したというエピソードも残っている。完成した時期は1804年初頭と推定され、伝統的な交響曲
の枠組みを越える革新的試みや、「ハイリゲンシュタットの遺書」にあるような、行く手の障害を闘争の末に
克服するという意気込みを聴き取ることができる。
クラウディオ・アバドウィーン・フィルハーモニー管弦楽団52:04


交響曲第5番ハ短調 Op.67 「運命」
TAllegro con brio
UAndante con moto
VAllegro;
WAllegro
この「運命」はベートーヴェンの交響曲の中でも最も広く知られたものであるが、「運命」と言う副題はベートー
ヴェン自身が付けたものではなく、「運命はこのように戸を叩くのだ」と弟子に説明した話から出たという。冒
頭の有名なフレーズは「運命の動機」と呼ばれ、この戸を叩く音を表している。1楽章は暗いハ短調から始ま
るが、最後はハ長調で締めくくられ、「苦悩を越えて歓喜に至る」というベートーヴェンの生涯にわたる信条
をも表している。
ギュンター・ヴァント北ドイツ放送交響楽団33:34
サイモン・ラトルウィーン・フィルハーモニー管弦楽団31:56
カルロス・クライバーウィーン・フィルハーモニー管弦楽団33:30


交響曲第6番へ長調 Op.68 「田園」
TAllegro ma non troppo;
Erwachen heiterer Empfindungen bei der Ankunft auf dem Lande
UAndante molto mosso:Szene am Bach
VAllegro:Lustiges Zusammensein der Landleute;
WAllegro:Gewitter,Sturm;
XAllegretto:
Hirtengesang.Frohe und dankbare Gefühle nach dem Sturm
「田園」は「運命」と同時期に作曲され、1808年に一緒に初演された。それぞれの楽章が鳥の鳴き声、小川
のせせらぎ、嵐、雷鳴といったものを表現しているが、ベートーヴェン自身は「描写ではなく、感情の表現」と
注記している。
ギュンター・ヴァント北ドイツ放送交響楽団45:05


交響曲第7番イ長調 Op.92
TPoco sostenuto;Vivace
UAllegretto
VPresto
WAllegretto con brio
1811年〜1812年にかけて作曲されたこの曲は、非常に特徴的なリズムを持っており、ワーグナーは「舞
踏の聖化」と評し、リストは「リズムの神化」と呼ぶほどであった。このリズムによって曲は勇壮な容貌を持
つとともに、確固としてまとめ上げられている。
ギュンター・ヴァント北ドイツ放送交響楽団42:04
カルロス・クライバーウィーン・フィルハーモニー管弦楽団38:46


交響曲第8番ヘ長調 Op.93
TAllegro vivace e con brio
UAllegretto scherzando
VTempo di Menuetto
WAllegro vivace
交響曲第5番、第6番と同様に、第7番と第8番は双生児の関係にあり、同じ時期に作曲され、1813年
に非公開ではあるが、一緒に初演された。ベートーヴェンの交響曲の中ではもっとも規模の小さいものでは
あるが、ほかの曲にはない独自の魅力があり、彼自身も満足していたといわれている。軽快で優雅な楽想を
持ち彼特有のくどさがないのも特徴である。
ギュンター・ヴァント北ドイツ放送交響楽団25:44


交響曲第9番ニ短調 Op.125 「合唱付き」  歌詞・対訳
TAllegro ma non troppo,un poco maestoso
UMolto vivace;Presto
VAdagio molto e cantabile
WPresto;
Presto ”O Freunde,nicht dieser Töne!”;Allegretto assai
言うまでもなく、ベートーヴェンの交響曲の集大成であり、最高の名作。曲自体は1812年から様々なスケッチ
が作成されたが、シラーの詩に音楽をつける、という構想はボンにいた頃から考えており、30年以上もたった1
824年に実現した。もともとは、終楽章は純粋な器楽作品になる予定であったが、結局、ベートーヴェンは交響
曲と合唱曲を融合させる案を採用した。
この曲は、時のプロイセン王、フリードリヒ・ヴィルヘルム3世に献呈されている。
ギュンター・ヴァント北ドイツ放送交響楽団66:10
サイモン・ラトルウィーン・フィルハーモニー管弦楽団69:47


バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲 Op.43
クラウス・テンシュテットロンドン・フィルハーモニー管弦楽団4:55


序曲「コリオラン」 Op.62 H.J.フォン・コリンの悲劇のための
クラウディオ・アバドウィーン・フィルハーモニー管弦楽団8:05


「レオノーレ」序曲 第3番 Op.72a
クラウス・テンシュテットロンドン・フィルハーモニー管弦楽団13:46


歌劇「フィデリオ」序曲 Op.72b
クラウス・テンシュテットロンドン・フィルハーモニー管弦楽団6:44


劇付随音楽「エグモント」序曲 Op.84
クラウス・テンシュテットロンドン・フィルハーモニー管弦楽団8:05


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