2009.6.27

INDEX

★アイシング・ノン! 2003.3.16
★カーボローディング、あんたはラクダか? 2003.3.16
★アンチ・ストレッチ、アキレス腱の治し方。 2003.5.3
★貧血→鉄タブとは限らない。 2003.8.1
★ゴールしたら、立っていなさい。 2004.2.22
★フルマラソンにアップは必要か?−もう一つの理由− 2005.3.21
★相撲じゃないけど、塩をなめてから走りましょう。 2005.9.3
★向かい風はイナバウアーで。 2007.3.19
★上り坂の走り方、スタコラサッサと。 2009.6.27

 

●異論!極論!ジョギング爆弾メモ

ジョギング・マラソン界の常識に敢然と「ノン!」をたたきつける、フランス・ドイツ並みの硬派企画。私、中高年市民ジョガーの長年の経験に基づく、ジョギング「お役立ち」知識の数々を披露していく予定です。ただし、真に受けないでください。

★アイシング・ノン!
 レースやトレーニングの後は、アイシングといって、疲労した筋肉や関節を冷やすのが当然のこととして言われている。果たして、これが本当に効果的なのだろうか?
 個人的なことになるが、私は子供の時から足がつりやすい体質で、今でもダイビングで水温が低いと必ず指がつるし、車を運転していて足の甲がつりそうになることがある。そういう時は、手で押さえて温めるしかない。
 ジョギングで足の甲を傷めて水で冷やしてことがあるが、かえって痛みが増し、熱いお湯につけたら痛みが引いたということがあった。漠然とだが、アイシングは、関節にはいいが筋肉には良くないんじゃないか、そんな感じがしている。故障を起こすのも、私の場合は4月、5月、湯船につからなくなる頃が多い。自信を持っては言えないが、少なくとも中高年ジョガーは、少なくとも普通のトレーニングの後なら、冷やすより温めなさい。もちろん、捻挫、肉離れ、ひどい痛みは別だが。(2003.3.16)

★カーボローディング、あんたはラクダか?
 レース3日前ぐらいから炭水化物中心の食事を取って、体内にグリコーゲンを蓄えて、このエネルギーでレースを走るというのがカーボローディング。ラクダじゃあるまいし、食べたエネルギーを何日も貯めておいて使うなんてことができるわけないでしょう。科学的に考えてよね。(大槻教授)摂取して使われなかった分は脂肪になるだけ。お正月に食いだめした分を元に戻すのにどれだけかかったが、どなたでもわかることでしょう。
 炭水化物をエネルギーに変えるにはビタミンB群が必要、筋肉を効果的に働かすためにはいろいろなミネラルが必要、血液が酸素やエネルギーを運ぶためには鉄も必要。(この辺はいい加減)とにかく、身体はエネルギー源だけで動くわけではないのだ。
 レースが近づいたら、身体が必要としているものを一杯食べる、これで充分だ。特に野菜もたくさん食べて、トイレで苦労しないようにしましょう。(2003.3.16)

★アンチ・ストレッチ、アキレス腱の治し方。
 ストレッチというものを初めて知ったのは、25年ぐらい前のこと。アメリカのカレッジフットボールやバスケットボールの試合が日本で行われるようになり、その資料ビデオを見ていたらヨガみたいなことをやっていて、これはストレッチといって怪我の予防に役立つんだと教えられた。
 アンチ・ストレッチといっても、ストレッチ無用論ではない。ストレッチは、運動前に怪我の予防と、運動後に疲労回復のためにするわけだが、「ためしてガッテン」によると、痛みを感じない程度の強度で40秒やるのがベストだそうだ。しかしながら、私どもはついつい、特に傷めたふくらはぎや太腿をことさら強くストレッチしてしまいがち。これが良くないのだ。傷めた時は、ストレッチなんかしないほうがいい。特に、アキレス腱を傷めた時は、アンチ・ストレッチというつもりで、常にアキレス腱を弛緩させるように、つま先を伸ばして、靴もヒールのある靴を履いたほうがいい。「ファンベルトはきちんと張っているのが良い」(×不正解)たるませないと、ゴムが傷んでしまう。アキレス腱も一緒。一時期アキレス腱を痛めて、トレーニングを休んでいても治らないばかりか、座って仕事をしていてもアキレス腱が痛くなることがあって、その時いつもアキレス腱を突っ張らせて座っていることに気づいたのだ。アキレス腱を緩めるようにしたら1週間で痛みが消え、2週間でトレーニングを再開できた。それ以来、傷めたらアンチ・ストレッチを心がけている。(2003.5.3)

★貧血→鉄タブとは限らない。
 ここ2年ほど、定期健診で貧血傾向が出ている。貧血といっても、ヘモグロビンは正常値で、赤血球数が少ないのである。ふつう貧血というと、ヘモグロビンが少ない場合を言うそうだ。(女性に多い鉄欠乏性貧血)この場合は鉄タブを飲むことで対応できるのだが、赤血球数が少ないのは、造血力が弱まっている場合や、体内に疾患がある場合が考えられるそうだ。悪性の場合はどうしようもないが、ビタミンB12と葉酸が不足すると赤血球を作る力が弱まるのだそうだ。
 鉄分が含まれる食品は、ひじき、レバー、海苔、ゴマ、切干大根、大豆、ほうれん草などだが、ビタミンB12は肉、魚、卵、牛乳など、葉酸は葉もの野菜、果物、大豆、レバーなど、ふだん食べているものばかりで、とりたてて珍しい食品ではない。だから逆に、どうしていいかわからない。
 精密検査を受けるのが一番いいのだろうが、とりあえず一日分のビタミンが1錠でまかなえるマルチビタミン、それとついでに鉄タブを飲むことにした。貧血=鉄タブじゃないということ。(2003.8.1)

★ゴールしたら、立っていなさい!
 成績が悪かったから、反省して立っていなさい、という意味ではない。上にも書いているが、つりやすい体質で、ゴールした後ふくらはぎがつってしまうことがよくある。危ないのは着替える時とかストレッチしようとする時なのだが、不思議と座ったとたんにふくらはぎがつることがある。去年のかすみがうらマラソンでも、かなり足に来ていたので座って着替えようとしたら、途端にふくらはぎが猛烈につってしまった。
 思うに、立っているとアキレス腱やふくらはぎが適度に張った状態になっているのに対して、座ってしまうと緩んでしまって、ふくらはぎが痙攣した時一気に収縮してしまうのではないだろうか。寝ている時にこむら返りが起こるのと同じような理屈だ。
 フルマラソンの後なんか、我々のレベルではダウンもストレッチもできる状態ではない。せいぜい、少し歩いて、すぐにジャージやウィンドブレーカーを着て足を冷やさないようにして、落ち着くまでしばらく立ちっぱなしでいるのがいいと思う。ゴール後ふくらはぎがつった経験のある方は、ぜひ試して欲しい。実際、今年の勝田マラソンでは、かなりダメージを受けてゴールしたにもかかわらず、ロボット歩きにはなったがつりはしなかった。(2004.2.22)

★フルマラソンにアップは必要か?−もう一つの理由−
 フルマラソンは最初の5キロをアップのつもりで走ればいいから、アップの必要はないという意見があります。私の初マラソンの時は、あまり時間がないこともあって、トラックを2、3周、足慣らしをする程度でした。その後もやはり、軽く足慣らしをする程度のアップにとどめていましたが、一度雪のちらつく勝田マラソンで汗をかくまでじっくりアップしたら自己ベストが出たということがあります。やはり、フルマラソンでも充分にアップしたほうがいいのでしょうか。
 アップというのは、身体を温めるとよく言われますが、心拍や血流を激しい運動に耐えられる程度に上げておき、また筋肉や関節を柔軟にするというのが目的でしょう。そういう意味では、スタートで突っ込んでばててしまうより、スタートの2キロ程度をアップにするというのも合理的な考えかもしれません。
 ところで、マラソンというのはたいてい12月から2月の厳冬期に開催されます。私は寒いのが苦手なので、11月、3月あたりがありがたいのですが。寒い中、ランニングシャツ・ランニングパンツという、もしマラソン大会でなければ奇人・変人と思われる格好でいるわけですから、スタートラインに並んでいるうちにトイレへ行きたくなるということは多いと思います。そもそも寒いとトイレが近くなるというのは、発汗しないから代わりに尿で老廃物を排出するからなのです。そこで、ピーン!逆も真なり。汗を出して温めていれば、おしっこが近くなることもないはず。そこで、10分以上たっぷり汗が出るまでアップして、その後トイレへ行ってからスタート地点へ向かうようにしてみました。結果はほぼOK。寒い時期のフルマラソンでは、やはりたっぷりアップしたほうがいいようです。(2005.3.21)

★相撲じゃないけど、塩をなめてから走りましょう。
 子供の頃から足をつりやすい体質で、寝ていてふくらはぎがつる、いわゆるこむら返りはもちろん、夏場になると午前中トレーニングして、午後エアコンを入れてくつろいでいると指がつることがしばしばだ。ふくらはぎの場合はストレッチの要領でこらえていればそのうち収まるが、指の場合は押すと逆の方向につるので、手で両側から押さえて温めて自然に収まるのを待つしかない。冷やすと特に良くないようなので、ここ2、3年ダイビングもやっていない。
 ところで、最近熱中症がらみの記事で、水分補給だけだと血液中の塩分が不足して、低ナトリウム血症といって、筋肉が痙攣するのだそうだ。そういえば、ふくらはぎや指がつるのもほとんど夏場だけ。冬と夏で違うのは発汗量。つまり、夏場は発汗で塩分が失われるからつりやすくなるのではないだろうか。ランナーズなんかでも、スタート前に塩をなめるといいと書いてあった。
 そこで、最近は土・日長い距離を走る前は塩をなめて、給水もスポーツドリンクだけにしている。さらに夜寝る前は、スポーツドリンクを水で割って飲むようにしている。本当にこのせいかどうかはわからないが、最近はこむら返りも指つりもない。実は、4月のかすみがうらマラソンで試しに塩をなめて走ってみたが、風邪で調子は悪かったが足も指もつらなかった。塩をなめてから走る、効果的かも。ただ最近、血圧が高めです。(2005.9.3)

★向かい風はイナバウアーで。
 最近、北風の強い日が続いている。荒川市民マラソンも湘南国際マラソンも、強風に苦しんだランナーが多かったようだ。レースに限らず、ジョギングしていても砂埃が舞って目や鼻や喉をやられてしまう。
 向かい風の走り方は前傾姿勢で、と教えていることが多いように思う。しかし、風(⇒)に対してこういう姿勢(⇒\)をとることは、風に対する抵抗をさらに大きくしてしまうことになる。風が足元にたまり、身体が後ろ上方へ押し上げられるようになってしまうから。シドニーオリンピックで佐藤選手が前傾姿勢で向かい風にあえいでいる姿が今でも印象に残っている。理論的には(⇒/)という姿勢をとるのが望ましいことになる。理想的にはイナバウアーの姿勢がいいわけだ。しかし実際問題として、フィギュアの荒川選手でもリンボーダンサーでもこんな姿勢で走れるわけがない。
 ただ、前傾姿勢で思いっ切り力んで風に立ち向かうよりは、胸を張って状態をそらし気味にして、風を切るようなイメージでピッチ走法で切り抜けたほうがいいのではないだろうか。(今回は何の根拠もない与太話でした。)(2007.3.19)

★上り坂の走り方、スタコラサッサと。
 マラソンには風もアップダウンもつきもの。何の言い訳にもならない。上りは決して得意ではないし、嫌だし、タイムも落ちる。しかし、登りになるとなぜかどんどん抜いて行ってしまうので、結果的に上りが得意だということになってしまう。
 実は、上りに入ると走りを完全に入れ替えているのだ。上りでどんなにキックしたところで重力には逆らえないし、疲労が増すだけだ。理屈は単純。坂道と平行に走ればいいのだ。まず、坂道と垂直に立つイメージで上体を起こす。足は後ろにキックせず、上方に引き上げるように前へ蹴り出す。腕振りも、体を上に持ち上げるようなつもりで前に振る。筋力は使わないので、代わりにピッチを軽快に上げる。さらに難波走りをするとスピードが上がるが、慣れないと腰が疲れます。全体として、体を上へ、前へ引っ張り上げるようなイメージで、ピッチで走る。スタコラサッサとか、エッサホイサッサ、あるいはセイヤでもソイヤでもいい。あるいはテンポの速い好きな音楽を頭の中で歌ってもいい。あとは軽くなったつもりで走るだけ。これで明日からあなたも上りの達人と呼ばれることでしょう。
 といっても、これはフルマラソンやハーフマラソンでの長い、あるいは急な上り坂の場合であって、短い距離のレースやそれほどでもない坂の場合は、やはり普通にガンガン行ったほうが当然速い。(2009.6.27)