碁盤師鷺山の碁盤の出来るまで

上繰脚の出来上がりまで

碁盤師も機械化の波に流され、少なくなっているのではないかと思います。ましてやほとんど機械を使わない職人は数える程ではないかと、碁盤師鷺山のこだわりを、もっと深く知っていただきたいともうけたコーナーです。
四角くきどった木に横線7本、縦線8本の目印線を
付けます。以前は首の部分を切るのに鉛筆の線は
1箇所で良かったのですが、ノコギリの目立ての上
手な人がいなくなり最近は四方に印をしています。
斧ではつります。斧で八角形にするのも職人の
長年の勘です。
八角形にはつり終わったところ はつり後を平鉋で削る
正八角形の出来上がり 横線7本に鋸で半分ほどの深さに切れ目を入れる
7本の切れ目が入りました。 首の部分になる所を1分のみで取る
1分のみで取ったところ その後丸鉋で削ります。
丸鉋で削っているところ 八面丸鉋で削り終わりました。
胴、頭の部分を荒彫り、荒彫りのノミはカーブがつ
いているので、一番始めの彫から八番めのノミの
位置がぴたりと合うのも職人の手のカンだが八面
が綺麗に出来れば仕上げの彫りが綺麗です。
八面の一番始めにノミを入れるときは中心に入れる
が、2番目からはノミを右側に寄せるそれは左側は
ノミが入っているが右側はノミが入っていないので、
ノミの中心をずらす事により力が均等になる為、又
木の育った向きにより、手に伝わる硬さが違うので、
ノミを加減しながら、金づちを使っています。
首の部分を出丸の彫刻刀で削る。彫刻刀がこんなに
本数があるのは丸みが微妙に違うのでまとめて購入し
一番正確な丸みの物で最終的に彫るのです。その前の
段階で、右に癖のあるもの、左に癖のあるものと使い分
けています。首の部分は始から綺麗に仕上がっていない
とペーパーをかけても他の部分とは同じにならないのです。
それほど首の中は刃物切れよくペーパーをかけなくても良
いほど仕上がっている事が大事なのです。

首の部分を一番深い丸のみで彫る 肩と胴の部分を2本ののみで奥行きを整える
出丸の彫刻刀で2回目の奥行きの部分を整える 花びらの大きさを決める刃物は父の考案した
特注のノミ、刃先が曲がっています。
花びらの段差を決める刃物 中心に再度、鋸で少し切る。
彫り終わりです。 中心を少しすき、のみで整える
中心から切り離す 上繰脚1組を製作するのに13本ののみと小刀11本
を使って形に整えます。上の写真はのみが終わったところ
このあと11本の小刀を使って丸みの仕上げをします。


右の脚から 丸のみ、かんなを使って、次に11本の小刀をつかって 3番目がペーパーがけ、4番目で蝋磨きの
すんだものとなります。
脚の彫りは荒彫りが八面終わった時に一番始めに
ぴったり合う事、荒彫りが基礎になっているのでこれ
が狂うと最後まで狂ってしまう。またノミの、丸みも微
妙に違うのでノミの癖を知ることも手作りでは大事な
事です。
ペーパーは首の部分のみ仕上げのペーパー、後の部分
は4種類を6工程にわけかけています。それによって蝋
仕上げの前に、蝋をかけたほど表面が非常に滑らかに
なっています。そのため蝋の厚みが薄くでき、汚れが
つきにくく、光沢が長持ちするのです。
出来上がった脚です。三代続いた碁盤職人の道も鷺山
で終わります。職人の技を多くの人に知っていただきたい
又後の人の為に手作りの碁盤作りの道しるべになればと
願っています。
順次目盛りなど載せる予定です。

質問等お待ちしています。
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