碁盤師鷺山の碁盤の出来るまで

目 盛

目盛りをする前に下地の処理をします。下地の強度が
強いと漆は乗りやすいのですが、剥がれやすくなります。
下地が弱いと強度は強いのですが、にじみます。
にじまないすれすれの所で下地の調整をしています。
木の種類によっても下地の処理は違ってきます。
矢来を両側にかける
漆の厚みが均一になるように何度も伸ばして
を繰り返します。漆を正確に桧のヘラで伸ばしていないと
目盛り線の太さにばらつき(細い、太い)がでます。
これが簡単そうにみえて難度の高い作業です。
目盛りも鷺山、独特の刀を下ろす順番があります。
1番石の置かれることの多い位置の4線目から目
盛りの減り方を考え、ほとんどわからないぐらい
微妙に線を変えています。
矢来を使う事によって、通常の刀の目盛りですと、端に紙を置いて目盛りをすることが多いのですが、
それですと線の両側に無理がきます。両側が薄くなるか、もしくは刀をきつく置く事により傷がつきます。
目盛りの良し悪しは使い込んで解ってきます。 均一に幅高さとも同一でないと、目盛りが部分的に薄く
なったり、目盛りの線が見た目に解るほど違ってきます。鷺山の目盛りは均一の上に石を置かれる事の
多い箇所を微妙に調整しているのです。
星も線の中心は勿論、高さと幅を均一に、そうしないと
使っている内に星の大きさがちがってくるのです。
目盛りの良し悪しは使ってこそ解るのです。
四方に枠を置きます。
上に木を被せ布で包んでむろをつくり漆を乾かします。 13路の盤を頼まれました。この盤のために刀を
新しく作りました。
連珠盤 将棋盤用の刀でも長さは代用できるのですが、
将棋盤と碁盤では目盛りの太さが違います。
この刀も連珠盤だけのために作られました。
現在の刀の種類です。碁盤、将棋盤も削り直され
ると小さくなりますので、幅によって刀を変えてい
ます。
こんなに刀を持っているのは珍しいとおもいます。
この刀も1本作るのに1週間かかります。(ここのと
ころ、13路用、連珠用の刀作りのために兄 鷺山
の手のひらには刀傷が3箇所もありました。)
矢来の種類も刀同様多くなっています。 すべて手作り、妹の私ですとルーターを使うのですが、
兄 鷺山は全てのみで木の性質を考えながら作るのだそうです。細かい仕事も力仕事もお相撲さん
のような大きな手から生み出されます。
毎年 小学校から社会見学にくる子供さんがゴリラのような手と言いましたが、職人の手は大きくなるの
が当たり前、そうでないと腱鞘炎になってしまう、仕事をしている職人の手はみんなこんな物と、改め
て兄の手をしみじみと眺めました。
目盛りの刀の製作
鉄材の原型です。
上記の鉄材をハンドグランダ‐と両頭グランダーを
使いカットします。
刀を作るための製作道具一式です。
カットしたものを砥石で磨き
、ペーパーの80#〜320#で磨き上げ。最後に
セラミックの粉で磨いています。

目盛のための刀は縦と横2本が必要ですが、
この刀を作るのに30時間を要しています。
途中何度も目盛りをしながら、刀の仕上がりを試します
この刀は11路盤の為の刀ですが、刀が出来上がって
目盛りが完成です。

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