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東方は友人のKから勧められてはまったのだが、そのKが先程東方風神録二面ボス「鍵山雛」の事を見て
こんな事をいってた。
「今回の東方のキャラは良く回るねぇ」
「まあ、いつも意味も無く回ってるけど、藍さまとか」
「でも、会話中は止まってるじゃん、会話中も回ってるよ」
「そんなキャラいたっけ?」
「二面のボスの雛とか」
「そういえば雛はつねにくるくる回っているな・・・」
「会話中くらい止まって話そうよ〜」
「多分、回ってるのにはなにか意味があるんじゃないかな?」
「不気味だよね」
かわいいじゃん雛かわいいよくるくる〜
■流し雛とは何か
鍵山雛は悲劇の流し雛軍団の長である。
流し雛とは、人形(ひとかた)を体にすりつけ厄を移し、川や海へ流す厄祓いの儀式である。
雛がくるくる回転するのは、川に流され、くるくる回りながら送られていく様子を表現していると思われる。
ところで、流し雛といえば最近読んだ本が調度、流し雛をテーマにしている本だった。
この送り雛とは流し雛の事である。
「送り雛は瑠璃色の」はゲームブックであり小説ではないので、これを普通に読書するのもおかしな話だが
いろいろ気になったので買っておいた。タイムリーな内容だった。中のゲームはやらなかったけど。
送り雛は瑠璃色のに書かれている内容から、流し雛に関する面白い由来をひとつ
雛人形についても中国との伝承の結びつきが考慮されぬわけではない。
すなわち、その南方につたわる蟠桃会(はんとうえ)に関する由来譚は
昔、困難な架橋工事のため幼児を竜蛇の犠牲として供していたのだが
その児を選択する権限をもっていた天狗を嫌厭する余り、これを桃の枝を
もって避け、代りに、児の魂と同じと目される菱の実を捧げることにしたという。
こうした筋から推すと、雛人形は「児の形代」であり菱餅は、菱の実の象徴だと
いうことになる。
ここでは、雛人形はもともと生贄の身代わりであり、流し雛は生贄の風習に由来すると説明されている。
そういえば、諏訪大社にも昔、少年を生贄にする風習があったらしい。関係がありそうだ。
■鍵山雛はなぜ回転するのか
流し雛は瑠璃色にから、”回転”について面白い解釈があったので参考に。
これは盆踊りの”くるくる舞う”すなわち”くるくる回る”という呪能が、あたかも水車か井戸の滑車のように
ナニモノかを海から男坂川へ招き上らせ、同時に北山からナニモノかを女坂川を下らせる動きではないか。
「舞う」と「まわる」、「狂う」と「くるくる」の言葉同士には神を降らせる古代の祭祀に密接な関係がある。
雛がくるくる回るのも、その回転力で厄をひきつけ厄を集めるための力学的な
動きなのではないか?
いろいろな厄を自分の周りに引き寄せ、そしてそれを離さない吸引作用を作るため、雛は常に
回転していなければならない。しかし渦の中心は特異点であり、雛には災厄は及ばない。
厄のブラックホールである。
雛の弾幕をみると、よく渦が表現されている。
上の図では少々わかりづらいが、雛の攻撃中にはその背景に渦が回転する。
渦は禍に通じ、なんとなく不吉である。また図形的な意味で、回転は曲がりつづけるものであり、
渦もまた回転である。
つまり雛のくるくるは災厄をためこむ神である鍵山雛のイメージであり禍り(まがり)を表現しているとも
考えられるのではないだろうか。
あるいは「厄を吸い込む」という「作用の上にいる」という表現かもしれない。
風呂桶の栓を抜くと水が渦を巻いて吸い込まれていく。もしもその時、栓の上に人形を浮かべたら
水の勢いでくるくる回転するだろう。つまり雛は厄を吸収する場の作用の上におり、その吸引力に
よって、意思とは関係なく、まわってしまう状態なのではないだろうか。
2007年9月3日