東方風神録屈指の可愛さと人気を誇る河城にとり。
元ネタなどを出来る限り考察してみました
●河城にとりの名前考察●
まず、にとりだけは他のキャラと違い、漢字でもカタカナでもなく
ひらがなで「にとり」である。
なんか馬鹿キャラっぽいじゃないか。
月の民ですら、漢字を当ててるのに・・・
河童の泣き声による言語表現なのだろうか。
まさか家具屋じゃないよなあ・・・
以下調べたものからそれらしい説を。
●河城
河童は中国の伝承、河伯(かはく)が日本に伝わったものと言われている。
河伯は黄河における河の神のひとりで強力な力をもち豊作や降雨を授ける。
河伯の伯は白とも読めるので、
河白→かわしろ
というのが元ネタなのではないかと思われる。
単に河を根城にしてるから、という意味も含まれるかもしれない。
●にとり
名前のにとりだがこれは難しい。
いろいろと考えられる。
いろいろ考えられるが珍説として「新島々」から来ているというのはどうだろう。
諏訪湖で有名な長野県の梓川に河童橋という橋がある。
芥川龍之介はこの橋をモデルに小説河童を執筆したらしい。
この河童橋に行くには、松本電鉄上高地線の終点駅新島々(しんしましま)駅から
バスと徒歩で行く。
河童橋の最寄駅が新島々なのでそこから名前をとって、
新島々→新島リ→にとり
としたのではないだろうか。
もっとも新島々駅と河童橋は距離的にはけっこう遠い。
図は左端が河童橋、右端が新島々駅
ところで長野県と言えばZUN氏の生まれ故郷らしいよ。(博麗幻想書譜より)
●にとりの胸の鍵はなに?●
あの鍵は気になる。紐が胸に食い込んでるのも気になる。
あのリュックの背負い紐は亀の甲羅を表してるそうである。
つまり亀甲縛りだと友人のKが言ってた。(ほんとかよ・・・)
図はいやらしい食い込み
それはさておき、河城にとりの胸の鍵について、できるかぎり調べたところ、
長野県の女神湖近くの路傍にカギッピキイワという石があるそうである。
昔、この石のあたりで河童がでたという。(補注・カギッピキとは力比べの意味)
河童はよく力比べをいどんで、人を湖に引きずり込んだ。
そのような悪い河童だったので、ある武士が馬の鞍に綱をつけ、
その先に鍵を結んで、河童を退治した。
なぜ、鍵で河童が退治できるのか良くわからないが、
別の伝承を調べると、やはり綱の先に鍵を結んでおいたら、河童が驚いて、
逃げていき、それ以来姿を見せなくなった、とある。
河童は鉄に弱いらしい。当時身近な鉄製の品といえば鍵だったのだろう。
ただ、なぜ、苦手な鍵を胸につけているのかわからない。
リュックの紐をつなげる胸の輪、リュックの留め具を外せないように、
鍵でふせいでいるのだろうか?
河童が鉄を嫌うとすれば、にとりは鍵にさわることが出来ない。
あの亀甲縛りは誰かにほどいてもらわないと、ずっと
くいこみっぱなしなんじゃないか?
そんなエロい設定なのかもしれない。
伝承とか関係なく、あるいは幻想郷における河童のイメージとして
鍵と紐なのかもしれない。
河童は労働者階級のようだから、自由な幻想郷の中では、外の世界の
サラリーマンよろしく束縛されたイメージがある。
紐の束縛とそれを自由にする鍵をぶら下げているという、暗喩なのだろうか。
●にとりの手にもっているものは何?●
藤の蔓と蒲の穂ではないかと思われる。
キャラ設定テキストに諏訪大戦の話が書いてあるので
詳しくはそちらを参照にしてください。
あるいはここを参照
守矢神長家の話 守矢早苗
加奈子と諏訪子の戦いで諏訪子は鉄製の武器を持って対抗したが
加奈子が細い植物の蔓(藤だと思われる)をかざすと、諏訪子が
大量に持っていた鉄の輪は全て錆びてボロボロになってしまった。
この神話から、細い植物は加奈子を、蒲(蝦蟇)の穂は諏訪子を
表現しているのではないかと思う。
またここから考えると、胸の鍵は鉄製の武器、鉄の輪を表現している
可能性がある。また、帽子のマークは加奈子のシンボルである蛇を
表している。
つまりにとりには、風神録のネタが全てつめこまれている。
2007年9月28日