〃∩ ∧_∧
   ⊂⌒(  ・ω・)
     `ヽ_っ⌒/⌒c
東方脱力記  〜寝飯寂靜〜
東方考察 たかまれ!タカマル感想 その他雑文 表紙に戻る
■同人においてお客様は神様でない理由■
2008年9月28日

同人活動では、人によるが、客を神様として扱わない。客と店側は 対等である。昔から言われてきたことだ。なぜだろうか。

理由は様々にあるが、理念から説明すれば次のような理由による。

同人活動はファン活動であり、同人誌即売会は同好の集会である。同人誌即売会は ファンの集会するサークル活動として考えていて、参加するものは等しく、 何かのファン、あるいは同好の志であり、店とお客の関係でなく、ファン同士対等 の関係である。

●同人誌即売会はサークル活動の一環として考えているから。

では次のような意見にはどう応えればいいだろう。

「金を払ってるのだから客として扱うべきだし、責任をもつべきだ」

お客様は神様です、という言葉の背景には金銭授受がある。相手に金を支払わせる という行為には責任が付随するのが常識で、だから金を払った方は意見を言う権利があるのであり、 店よりも客の方が優位なのだ。同人もこの責任を免れない。

同人において、お客様は神様ではない。お客様優位の関係は、金銭授受を背景として 普遍的に発生するものではない。条件が満たされたときに成立する関係である。

その条件とは、売り上げで生計を立てているか、いないか、である。一般的に店側が客側より 弱いのは、売り上げがなければ、ゴハンを食べられないからなのである。ゴハンを食べられないのは ツライ。だから下手にでているのだ。お客様の存在によって、明日の糧を得ているのだから、まさに 神様と呼ぶべきだろう。扱いも丁寧なのである。

同人活動は一般的に、趣味の範囲であって、それで生計を立ててる人はあまりいない。そういう ギリギリな人もいないわけではないが。

つまり、同人活動においては、買いたくなければ買わなくてもいい、と強気に出ても問題ないのである。 それで売り上げが落ちても、首をくくるわけでもないのだ。

ただし、売り上げが落ちれば悲しい。売れれば嬉しい。これは非常に重要だ。つまり 金銭ではなく、感情の取引なのである。

感情の売買が枯渇しても死ぬわけではないから、そもそも「売れると嬉しい」という感情を 欲していなければ、客との取引を重視しない。つまり神様扱いしない。逆に売れないと 寂しくて死んじゃう、という人は客を重視するだろう。売れれば嬉しいけど、客を特別扱いするのが メンドクサイと言う人は、それなりの対応をするだろう。こういう人が一番多い。

つまり、一般的な経営の死活問題のように、現象を単純化できない。売れても売れなくてもいいのに 売ってるんだから、そこに絡む問題は複雑で多様である。同人も金をとってる以上は、客を神様扱い するべきである、という人は、現象を単純化しすぎている。

●お客様は神様です、は普遍的原則ではない

お客様は神様です、が成立する前提条件がないので、同人においてその原則はあいまいになっている。 神様扱いするかもしれないし、ぞんざいに扱うかもしれないし、対等の友人関係かもしれないし、 人を見て判断するかもしれない。つまりそこも含めて、同人活動は楽しい。接客に力を入れるのも お店ごっこみたいで、結構楽しいのでそれはそれで良いと思う。

こうした、「感情の取引」という極めてあいまいで、ゆえに自由でなければ楽しくないところに、 お客様は神様扱いしろ、みたいに枠を引いてほしくないのだ。神様あつかいするのも楽しいよ、なら いいのだが。

それでも神様扱いしろという人は、それも、客の自由である。客も自由に楽しむ権利がある。だから そういう人は、客を神様扱いしない同人屋からは離れればいい。買いたくないからさっさと買わないで オサラバする、 買う側の方が意識してそのようにしていっていい。結局それが、同人の自由とユルさ、無責任さ 良くも悪くも怠惰な空気を守るだろう。



2008年9月28日

東方考察 たかまれ!タカマル感想 その他雑文 表紙に戻る