じいさんが気に入ったのか、お茶でも飲んでいけ、と温かい言葉をかける難波。足が悪くて階段が上がれないと
遠慮するじいさんを、男気で背中に負ぶってオフィスまで連れて行ってやる思いやりよう。どうしたんだ難波。
今日のおまえは一味違うぜ。やっぱそろそろ死ぬのか。
オフィスでじいさんと昔話をする難波。戦後まもなく、このオフィスでカストリ雑誌を作っていたという爺さん。
カストリ雑誌とは、粗悪な紙で作られた、大衆向けの低俗な内容の雑誌らしい。三号だすと廃刊するという。決して
立派なものではない低俗で、かえりみられることの無い雑誌である。だが、じいさんは情熱をもって本作りに
励んでいたという。
ここでカストリ誌であって、どこに出しても恥ずかしくない立派でまっとうで健全な本でないところが良い。
世間から見ればただの娯楽、くだらない風俗、子供の遊びと馬鹿にされても、作る人間には
情熱がある。今は市民権を得ている方だと思うが、ゲーム雑誌も低俗な本という評価だったろう。
じいさんの言葉にはモノを創る楽しさと情熱の根源がある。じいさんはいい事を言う。
このシーンの背景のコマを全てエロいシーンに変えてしまいたい
さて、雑誌作りは楽しかったと昔を振り返るじいさんに、難波も負けじと、これからこの出版社を日本一
おおきくしてやるから見てろよ!と元気に意気込む。そのころ、すっかり新妻スタイルの身につきまくった冴さま
が、夕飯のメニューを口ずさみながらオフィスの階段を上がっていた。ここまで家庭的な女性が
るるる漫画史上いただろうか。
日も暮れてきて、そろそろじいさんを家までお届けしようとする難波。秘書に送らせると聞いて
少し心配そうな顔をするじいさんに、自慢の秘書だから大丈夫だという。難波の冴に対する
評価がこんなに高くなっていたとは、冴の事を大和撫子とか言ってますよ。ただの変な女から
ずいぶん印象が良くなったもんだ。
おいおいラブラブだな
そうこうしているうちにタイミングよく帰ってくる冴。目を伏せながらドアをあける冴さまがかわいいぜ。
どうでもいいけど、るるる絵で魅力を感じる部分て、こういう小さいコマの少ない線でクネって感じで
描いてある絵だったりする。さて、オフィスでくつろぐ老人をみて、ビックリする冴。中国拳法の達人のような
ヨボヨボのおじい様は、冴の祖父だったらしい。
これはあれか、冴と難波、結婚フラグか。難波が急に良い人になったのも、冴と結婚させるためじゃないだろうか。
難波が鬼畜人間で冴とチグハグじゃあ、結婚させたら可哀想だからなあ。
そういえば、このオフィスはもともと冴が賃貸に出していたから、冴の持ち物なのだな。おじい様が昔ここに
オフィスをかまえていたのも、偶然ではないのか。