ある朝の風景 はぢめてのあさごはん篇

「おはようございます。
 先生、向うで、シリ・・・」
「おはよう、ハリー。悪いけれど、朝ごはんはもう少し待ってくれるかい?」
「えっと、・・・・・・なん、ですか、そのテーブルの上」
「これ、かい?うーん。恥ずかしながらね、朝ごはんに何を作っていいのか、忘れてしまって。
 ハリーには申し訳ないんだけれど、マニュアル通りに作ればどうにかなるかと思ってね」

  「初めての朝食はいいんだけど、新婚生活のあさごはんってナニ?」

「何か言ったかい?」
「シリウスに聞けば、いいんじゃないかなァって、先生が来るまでシリウスが作ってくれてたんです」
「ハリー、まだ、気付いてなかったの?
 月曜の朝はボイルドエッグ。火曜がサニーサイドアップ、水曜、プレーンオムレツ、木曜、ポーチドエッグ、金曜、ターンオーバーに、土曜がスクランブルエッグ。日曜日にチーズオムレツ、だったろう?」
「・・・・・・どうして、知ってるんですかっ」
「シリウスってサ。朝、昼、晩。7パターンの料理しか作れないんだよね、これが」
「?どうして、ですか」
「簡単だよ、アレの起こる前は、私は10日位の休みしか取れなかったからね。
 7パターンあれば、毎日違う料理が食べられたし、次に会えるのは半年近く先だから、同じものでも問題はなかったんだけど、今はね。
 向うでは、シリウスが勉強している筈だよ」
「   知ってます」
「どうか、したかい?ハリー」
「  先生、僕が作ります」

この後、ハリーはロンに
好きな人の為の食事作りって幸せだね
という疲れた電話をしました
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