ある朝の風景 自炊生活の誘惑篇 「いただきまぁす」
「だーかーらー、何か文句があるの?」
「文句があるの?あるに決まってんだろ。なんなんだよっ、これは」
「ふーん、それが、なに?鼠を食べてた人間に言われたくないね」
「てめぇだって、潜伏先で、兎やら鳩やら食ってただろうがっ」
「きみと一緒にして欲しくないね。僕はきちんとさばいて、焼いてたからね」
「なに考えてやがる。草食動物の内臓を食わないでえばるんじゃないっ。内臓ごと食ってこそ、栄養バランスが取れるんだ」
「火も使えない非文明人ぶりでも、栄養バランスを気にするんだぁ」
「枝に刺して焼いただけで文明人かよ」
「知らないの?人と動物の違いは火を使うかどうかなんだよ」
「へー、肉だけ食うのが文明人?」
「生憎とね僕は、ちゃんと別に野菜を摂取してたから、そんな心配はしなくて良かったんだよ」
「ああ、薬草学の地を這う成績のお前が食ってた野菜だ?どんなもんをくってたか」
「だから、それは、僕が育った土地とここじゃ、生態系が違ったからなんだって、何度言わせるんだよ」
「それで、毒草を食ってりゃ、世話ねぇな」
「それを言うっ。鼠どころか、バッタも食べてた人間がっ」
「バッタの何処が悪いんだ。立派な食糧だろうが」
「立派っていえる時点で人間を捨ててるんだってば」
「先生、ジャム・・・アプリコットのジャムをください」
「ブルーベリーも上手に出来たから、食べてくれると嬉しいな」
「明日にとっておいていいですか」
「砂糖味のコーヒーを飲む人間が、何を語るんだっ。このっ味覚障害がっ」
「みかく、しょーがい。イギリス育ちが人のことを味覚障害呼ばわりするっ。そっちの方がよっぽど問題ありの味覚をしてるだろっ」
「脱狼薬をお茶代わりに飲める奴が、なぁにぃ言ってんだ」
「いま、きみは、言っちゃあいけないことを言ったんだよ」
「言ってやるね。あれにまで砂糖を入れたがるのが味覚障害の証明だろ。おこさまみかくっ」
「お子様だってぇ。辛党がそんなにえらいのかっ」
「ホイップクリームの山を前にして涙を流して喜ぶ奴に比べたら、そりゃ、えらいだろ」
「ホイップクリーム スミレの砂糖漬け添えの芸術性がわからない方が変なんだっ。
・・・そうだよねェ、考えみれば、アズカバンで12年も暮らせるような人間には判る訳ないんだよねェ」
「げーじゅつだぁ?んなもん、理解できる日にぁ、人間を止めるぞ」
「犬の生活?それじゃ、明日から残飯で文句はいわないね」
「家長にその扱いかっ」
「だぁれぇがぁ、家長だよ」
「この家の名義は俺だ」
「へーっ、そう、じゃ、僕が出て行くのが筋だよね。
後片付けは、頼むね」
「・・・・・・・・・リーマスッ。話し合おう。俺が悪かった」
「ご馳走様でした」
「ハリー、もういいのかい」
「充分食べました。
シリウス、先生。僕の味覚の為にも、卒業したら独立するからね。勿論、許してくれるよね」こんな殺伐とした会話を毎回繰り広げる食卓
原因は、砂糖がほんの少し多い料理が出てきたくらいの
些細なことでこの騒ぎ
逆パターンあり
辛い料理が出てくるとリーマスが騒ぐが
やはり負けるのはシリウス
ちなみにリーマスもバッタを食糧と認めてます。
立派な、に抵抗があるだけです。戻る