油脂の種類と特徴

ここでは、石けん作りに向いている油脂とその特徴について紹介します。     
                    参考にした書籍  『オリーブ石けん・マルセイユ石鹸を作る』

4.その他、手に入りづらいけれど石鹸づくりには向いている油脂

   輸入食料品店や、インターネットで入手されるのが良いと思います。

 1)ククイナッツオイル
   ハワイ原産の木の実が原料です。非常に高価です。が、古来より肌のケアに珍重されたオイルで、石鹸作りには最上級
    といえるオイルです。私も特別な石鹸として(肌の調子がSOSの時用)、ククイナッツオイル配合の石鹸を作りました。
    これ以上ない使用感で、肌のトラブルにも良いようです。機会があったら利用してみてください。

 
2)ホホバオイル
    アメリカ原産ホホバの木の実からとれます。これも古くからインディアンが活用してきたオイルです。
    スキンケアに利用している方もいるのでは?使用感はなじみやすくさっぱりしています。いたみにくく、保湿力も高い
    です。これも高価なので型入れ前に、エッセンシャルオイルなどのオプションと一緒に、大さじ1杯ほど入れる使い方も
    おすすめです。無印良品でも扱っています。
            
 
3)カカオバター、シアバター
    カカオバターはお菓子材料として売られています。シアバターはスキンケア用品として、比較的高価です。
    高いスキンケア効果と溶け崩れの少ない石鹸となります。ブレンド割合は5〜10%で十分です。
    私は『L'OCCITANE』のシアバターをそのままクリームとして使っています。150mlで4000円と高価ですが、
    シワもなくなり、肌にハリが戻りました。私の肌質はオイリー気味なのですが、ニキビやべたつきも心配がなくて、
    高いクリームを買うよりもトラブルもなくて安心!で、愛用しています。
  

1.保湿力のある石けんを作る油脂

 1)オリーブオイル
   石けん作りには『バージンエキストラ』よりも、『ピュア』や『ポマス』の低級グレードの方が向いています。
    保湿力に優れ、なめらかな洗い上がりをもたらします。洗浄力にも優れています。
    ただし泡立ちは弱いので、「泡が立たないとイヤ」という方には、ココナッツ油、パーム油とブレンドした、
    『
マルセイユ配合』で作りことをおすすめします。
    また、オリーブオイルのみで作った『
カスティール石けん』は、トレースまでの時間が24時間程度と長く
    かかります。洗いごごちはとても良いです。

 
2)ツバキ油
    古来より日本では髪によい油として使われていました。ので、シャンプー用の石けんには特に向いています。
    (確かに私の経験でも、ツバキ油メインの石けんがもっともシャンプーバーとして気に入りました。)
    もちろん肌にもよく、その洗い心地はオリーブオイルに似ています。
    薬局で販売されている整髪用のツバキ油はグレードがとても高く、少量で高価なので、食用のツバキ油を
    ご購入されることをお勧めします。


 
3)スイートアーモンドオイル
    マッサージオイルのキャリアオイルとして使われる、非常に肌になじみやすく、軽めの質感を持ったオイルです。
    泡立ちのきめ細やかな石けんができます。 
    ただし酸化しやすいので、油量の15〜30%程度のブレンド量にすることをおすすめします。
    また、商品によって質がさまざまで、もっとも信用できる『アングリア・オイル社』のオイルをを輸入食料品店
    でご購入下さい。
    

 そのほか、マカデミアナッツオイル、ヘーゼルナッツオイル、アボガドオイル、ひまし油なども
 保湿力のある石けんを作ります。

3.手に入れやすいけれど、石けん作りには注意が必要な油脂

 1)サラダ油 (なたね油、キャノーラ油)
   保湿力はオリーブオイル並のものができますが、非常にいたみやすく、固まりにくいので柔らかい石けんとなります。
    型入れ、型だしまでの日数もかかります。ただし、『スーパーキャノーラ』という改良油ならばこういった欠点が
    改善されるようです(高価だし、なかなか出回っていない)。また、従来(昔ながらの)のなたね油とキャノーラ油では、
    鹸化値がかなり違うので、計算時には注意してください。
 
    サラダ油は、なたね油と大豆油のブレンド油で、ブレンド割合も企業秘密なので、鹸化計算がしにくいです。
    なたね油、大豆油ともに石鹸には不向きなので、使わないのが賢明ということです(前田京子さんより)

 
2)ひまわり油
    品種改良された『ハイオレイックひまわり油』ならば、オリーブ油並の保湿力のある石鹸となります。ただし泡立ちは
    控えめで、溶けやすく、型入れ等の時間もかかります。
            
 
3)べにばな油
    リノール酸をもっとも多く含んだ油です。非常に酸化が早いので、他の油とブレンドしてください。(10%)。
    ひまわり油同様、酸化を改良した『ハイオレイック油』が出回ってきています。これを使うと、オリーブオイル並の
    使用感と、泡立ちもまあまあの石鹸ができます。
    ただ前田京子さんによると、ハイオレイックとハイリノールの表示の混同があるらしく、表示が当てにならないようです。
     

2.さっぱりした石けんを作る油脂

 1)ごま油
   非常に酸化しにくく、紫外線防止効果もあります(ただしこれだけに頼らず日焼け防止対策は取ってください。)
    柔らかめの石けんとなるため、固さを出すために、『パーム油』とブレンドすることをおすすめします。
    白い『太白ごま油』を使うと、うっすらピンク色になります。

 
2)米油
    1〜3時間程度でトレースが出やすく、短時間でタネ作りができるオイルです。ビタミンEが豊富に含まれています。
    油の精製の仕方で石けんの寿命がとても違うので、なるべく早く使用してしまうことをおすすめします。
        
 
3)グレープシードオイル
    最近スーパーでも見かけるようになりました。ブドウの種からとれたオイルです。
    商品にもよりますが、薄いグリーンの石けんができます。
    ただし酸化が早いので、なるべく早く使用してください。また単品で使うよりも、他の油とブレンドして石けんに
    した方が質の良い石けんとなります。ブレンド割合は10%程度にすると良いでしょう。
     

石けんの作り方へ