プチ・ハッピー。 ●

 

 いつもみたいに撫でられた。

 子供みたいに撫でられた。

 子供扱いは嫌だけど、この感覚は嫌いじゃないんだ。

 照れるけど、……多分、こーすけ君だから。

 いつもと変わらない日常。

 いつもと同じように過ごす一日、一日。

 呪われてるあたしたち(あたしだけかもしれないけど)には、その一日一日が。

 すごくすごく、愛しくて。

 

 

 いつもと変わらないはずの一日。

 けど、今日は頭が落ち着かない。

 愛用しているシャンプーが切れてることに気づいて、近くのドラッグストアに行ったんだけど。

 ご明察の通り、置いてなくって。

 仕方なく他のを買ってきたけど、今更後悔してる。

 別のスーパーとかで買えばよかったんじゃない、あたしのバカっ!

「理緒?」

 あたしを撫でてくれてる手が不意に止まって、あたしは疑問符を浮かべて彼を見上げた。

「シャンプーか何か……変えたか?」

 言いつつ、こーすけ君はあたしの髪の香りをくんくん嗅いでる。

 なんとなく、くすぐったくて。

 でも、幸せ。

 ――気づいて、くれてたんだね。

「……どうなんだ?」

「え、あ、うん。ぴんぽんっ。よく気づいたね」

「そりゃあ毎日お守りしてやってるからな」

「はううっ!! あたし赤ちゃんじゃないもん!」

「小さいじゃねぇか」

「うううぅ、それ言ったらこーすけ君だって! このサツマイモー!!」

「あ゛、言ったな!!」

 笑って逃げようとしたんだけど、こーすけ君の長い腕にすぐ捕まっちゃう。

 このサツマイモ君、スタイルだけは本当にいいんだからっ。

「さーて、悪い子はちゃんと叱らないとな」

「はうっ、あたし悪いかもしれないけど子供じゃないっ!!」

「はは、冗談だよ」

 少し本気調子で怒った振りをすると、こーすけ君は笑ってそのままあたしを抱きしめる。

 いつもは撫でられるだだったから、恥ずかしいのももちろんあるんだけど。

 すごく、居心地がよかった。

 毎日がこういう生活なら、少しくらい呪われててもいいかなぁなんて。

 不謹慎なこと思ったりしてる。

 だって、ほら。考えてみて。

 この呪われた運命を、小さな幸せが毎日少しずつ癒してくれたら……

 プラスマイナス0になるじゃない♪

 

++++++++あとがく。++++++++

 

 や、やめて! 何なのあなたたち!!(お前が何)

 何なの!? この砂吐けるような甘さは!

 しかもまた中途半端!?

 ああぁ、反省が尽きない。。。

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