<日常、茶飯事。>

 




 悲しいけれど、私たちは、こうあるしかないのだと思う。

 


 
「……なるみさん」

「……何だよ」

 彼はいつも、面倒くさそうにこちらを見る。

 私はそれが彼なのだと解っていて、受け止める。

「部活しましょうよ」

「部室にいるんだから立派な部活動だろ」

「部室にいるだけじゃ部活になりませんっ」

 面倒だ、と彼は言う。

 でも、やらなきゃ部活入ってることにならないじゃないですか、と私。

 ひとつ息をついて、目の前の相手は立ち上がり、それと同時に、私は自分の席に座って、パソコンを起動させる。

 無機質な機械の音。

「………」

 髪が解かれるのを感じた。

 見れば、リボンは既に取られている。

 多分、彼によって。

「……先輩いじめですか?」

「いや? いわゆる知的好奇心を満たすためだ」

「意味わかんないですよ」

 表示される数個のアイコンのうちの1つをクリック、……トランプゲームで遊ぶ。

 しばらくすると、彼の指が、私の髪を絡めた。

「……やわらかいんだな」

「ええ、手入れを怠ってませんから」

「そうだろうな」

 彼の、整った顔が唇に触れるか触れないかのところで止まる。

 ――いつもそう。寸前で。

 したいならしてくれればいい、私は拒まないから。

 

 悲しいけれど、私たちは、こうあるしかないのだと思う。

 決して伸びない距離。

 決して縮まない距離。

 どちらも厄介だと思った。

 「友達以上、恋人未満」のフレーズがふと頭に浮かんで、苦笑する。

 きっと、彼も同じ気持ちだろう。

 近すぎて触れられない、もどかしさ。

 

++++++++あとがく。++++++++

み、短ッ!!!
さすがは日記からの抜粋。素晴らしい短さだ。
……ごめんなさい。(今更か)
どうにもこうにも本編ネタがなかなか浮かばなくて……!!
気がついたら同じネタばっかり書いてて。
あああ、妄想力よ、もっと発達せいー!!(それもどうかと)

++++++++++++++++++++

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